魔王に襲われ世界は破壊されました。18年前のミーロ星に転生すると魔法が使えるようになってました。滅死壊を倒すために、PSE能力者、剣士、勇者、魔術師、令嬢、師匠を仲間にし魔法でジュースにして飲みます。
42 SS級 デスデビル出現 五傑のアヤネさんの登場で、退く。
42 SS級 デスデビル出現 五傑のアヤネさんの登場で、退く。
「フェールさん!。」
僕は、フェールさんの元に駆け付けた。
「無事だったか。よかった、勝てたみたいだな。リリも無事か?」
フェールさんは、僕をみつけて、手を挙げた。
「はい。ぐったり倒れ込んでます。」
僕は答えた。
「はやく、ロールを解放して、治療しないと―。」
ミミコさんは、ロールの元へ駆けつけた。
「あんた、大丈夫なの?」
ミミコさんは、心配そうな声で、ロールが縛られている椅子の縄を解いた。
「死ぬ所だったな。左目と、右腕がやられた。」
ロールさんは、笑った。
「もう、呆れた。バカ。」
ミミコさんは、ロールさんを抱き絞めた。
「やめろよ。痛い、傷が沁みる。」
ロールさんは、照れくさそうに、髪の毛を触った。
「救援隊を呼んでおいたわよ、はやく治療してもらわないとね。」
ミミコさんは、笑った。
リリは、気を失って眠っていた。
「しばらく、待つかあ。」
フェールさんは、瓦礫の上に片膝を立てて座った。
凄まじい戦いだったな。
S級同士の戦いは、僕には到底、理解出来なかった。
もっと、強くならないとな。
「おいおいおい。マジか、シュナビスのやつが、やられたってのはよお。」
空から、ハスキーな声がきこえる。
「ったく、もうすぐ大侵攻の大事な時だってのに―、エリーゼ都くらい侵略してもらわないと困るぜ、上司の俺が怒られちまう。」
ハスキーな声は、続けた。
突如、舞台ホールの真ん中に黒い穴が開いた。
厭な予感がした。
黒い穴から、白い角で、腰から、黒い翼の生えた、丸い顔に、丸い円の目で、灰色の肌色をし、細長い尻尾の生えた、体長2m50cmほどの、滅死壊と思われる男が立っていた。
黒い穴の中から、現れた。
「あ、どうも、こんばんは。」
滅死壊の男は、頭を下げた。
ピロロロン
「デスデビル ランクSS 詳細不明。」
スマホは、アナウンスした。
「カシャ。」
デスデビルは、ポケットからスマートフォンを取り出すと、カメラを撮った。
「ふうん。能力値81と64と61、54と45―、雑魚の集まりか。」
デスデビルは、ガックリした様子で、僕たちを品定めした。
能力値?
「あ、能力値の事ね。お前の世界でいうランクの事だよ。滅死壊の間じゃあ、主流な判定法さ。」
デスデビルは、笑った。
心が読めるのかこいつ。
「ま、レベル81だったら、シュナビスに勝てても不思議はないか―。」
デスデビルは、納得した様子で、頷いた。
「僕からしたら、赤子みたいなものだけれどね。」
デスデビルは、続けた。
「じゃ、サクっと始末して、帰りますか。」
デスデビルは、肩を回した。
「グーパンチだ。」
デスデビルは、移動した。
はやすぎて、みえない。
フェールさんが吹き飛んだ。
「へえ。咄嗟に、鉄パイプのバリアで防いで受け身まで取るなんてやるねえ。普通だったら即死だよ。」
デスデビルは、目を見開いた。
「ぐはっ。」
フェールさんは、吐血した。
「はは。でも、もう虫の息だね。」
デスデビルは、淡々と言った。
終わりだ。
フェールさんが、いとも容易く、やられるだなんて―
「次で、トドメだ。」
デスデビルは、消えた。
消えたというより、僕では目で追うことさえできない。
「そこまでよ。」
女の声がきこえた。
「片手で僕の攻撃を防ぐなんて、一体?」
デスデビルは、目を見張った。
「ふう、間に合ってよかった―、助けにきたわよ。」
女は、二っと笑った。
あの腕章は―
五傑だ。
「アヤネさん!。」
ミミコさんは、歓喜の声をあげた。
「アヤネだと―。まさか、五傑がどうして、いるんだ。」
デスデビルは驚愕の表情を浮かべた。
「仕事が終わったのよ。君には、悪いけれど、消えてもらうよ。」
アヤネさんは、言った。
「マズい、退散だ。次は、ミーロ星ごと破壊しに来るからな、覚えとけよ。」
デスデビルは、焦った様子で、アヤネさんから距離を取った。
「ゲート。」
デスデビルは唱える。
黒い穴が開く。
デスデビルは、逃げた。
「逃げるな。って、それより、君たちの治療が優先だね。ほんとうに、生きててよかった。」
アヤネさんは、安堵の表情を浮かべた。
「ありがとうございます。」
僕は、お礼を言った。
「いいんだ。強いものが弱いものを助ける事は、人として、当然のことだ。」
アヤネさんは、事も無げに、返した。
「あたしは、忙しいから、次の仕事に行くよ。じゃあね。」
アヤネさんは、颯爽とどこかへ行った。
五傑というのは、相当、忙しいようだ。
「おい、おまえら。」
後ろから、歩いてくるナース服の女の子がいた。
「あ、ももこ、さま。」
ミミコさんは、手をあげた。
「わざわざ、来てやったぞ。感謝しろ。土下座しろ。あたしえらい。」
ももこさんは、返した。
「ありがとうございます。」
ミミコさんは、頭を下げた。
「おまえは?」
ももこさんは、僕をみた。
「ありがとうございます。」
頭を下げた。
「おまえは、土下座だろ?」
ももこさんは、鼻で笑った。
どうして、僕が土下座なのかはわからなかった。
「ありがとうございます。」
僕は、土下座した。
「よしよし、いい子だ。」
ももこさんは、僕の頭を踏みつけた。
顔に瓦礫が食い込んで痛い。
「ちゃんと治療してやるよ。リリちゃんの事はあたしだって好きだしね。ロールのやつも、あんまりにかわいそうだ。」
ももこさんは、言った。
「酷い目にあったね。」
ももこさんは、ロールをみていった。
「平気だ。」
ロールは、強がった。
「あんたの意地っ張りなところはどうにかならないのかねえ。」
ももこさんは、困った様子で、ロールをみた。
「腕は治せるし、目もどうにかなりそうだ。傷跡は残るだろうがね。」
ももこさんは、ロールの傷をみて言った。
「治癒術 縫合ヒール 。」
ロールの落ちていた右腕が、右肩と縫われ、結合される。
「あとは、目だね。」
ももこさんは、ロールの閉じられた左目を右手で、無理やり開いた。
「痛そうだねえ。まだ神経は残ってそうだ。」
ももこさんは、笑った。
「神経再生術。」
ももこさんは、唱えた。
ロールの目が、再生されていく。
凄い。
「次はリリちゃんだね。」
ももこさんは、言った。
「はい。」
僕は、リリの元に案内した。
「あんたも傷だらけだね。ヒール。」
ももこさんは、僕にヒールをかけて、傷を治してくれた。
「ありがとうございます。」
僕は言った。
「礼はいらないよ。好きでやったんだ。」
ももこさんは、返した。
いい人だ。
「リリ!、大丈夫かい。んー意識はなさそうだね。」
ももこさんは、リリの胸に耳を当てた。
「問題なさそうだ。手足がこっぴどくやられてるね。再生しといてやるか。」
ももこさんは、治癒術をかけた。
みるみるうちに、リリの手足が回復していく。
「よかった―。」
僕は、涙した。
「おや、おや。仲間の事を自分の事のように心配できるだなんて―、リリも幸せものだねえ。」
ももこさんは、笑った。
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