40 髑髏牛ペンギンとの死闘
「骨骨 ナイフシューティング。」
髑髏牛ペンギンは、尖った鋭い骨を、空中に作り出し、僕とリリに向かって、放った。
「林檎シールド。」
僕は、林檎シールドで、身を守る。
バリン。
林檎シールドを骨の刃が突き破ってくる。
軽々と突き破る威力と強度の骨だ。
リリは、懸命に、骨の刃を躱す。
「結界術 転移。」
ミミコさんは、結界術で、どうにか、僕たちを、サポートする。
「骨の砲撃範囲が広すぎる。範囲が広すぎて、神通力が持たない。」
ミミコさんは、焦った様子で、術を掛け続ける。
ビュン
ビュン
ビュン
骨の刃が、次から次に、襲ってくる。
「負けてたまるか。」
僕は、最後まで、エルピス林檎で足掻いた。
「追いつかない!!!」
ミミコさんは、叫んだ。
ブシュ!
僕の右腕と、左肩、に骨が突き刺さり、腹に骨が掠り、内臓が飛び出そうになった。
死ぬ―
「ダメだ。意識を保て―。」
僕は呼吸を整えた。
生と死の狭間で、声がきこえる。
僕の声だ。
エルピスか―
「君は、まだやれるよ。散弾銃と、アサルトライフルと大砲が、きっと、君の力になる。」
エルピスは、伝える。
「今の君だったら、きっと、使いこなせるはずだ。はやく君は戦いに戻って、仲間を守るんだ。」
エルピスは、消えていった。
「おい!、どうした、もう、息の根が止まったのかよお?、ふはは。」
髑髏牛ペンギンは、首を骨で締め付けて、羽で、顔を叩いていた。
「うわああああ。」
僕は、痛みに叫ぶ。
「おらあ、鳴けないくらいに締め付けてやる。」
髑髏牛ペンギンは、僕の首への骨の締め付けを強くした。
骨が首に刺さり、血が流れ、声も出せない。
自然と涙が零れる。
苦しい。
「ロネを離せ。」
リリは、とび膝蹴りを、髑髏牛ペンギンに向かって、する。
「お前も、死にたいのか?仲良く、拷問されろよ。にへへ。」
髑髏牛ペンギンは、リリの方をみて、笑った。
「クソッ。」
リリは、悔しいそうな声を出す。
リリのとび膝蹴りは、骨によって、防がれ、まったく通用しない。
ブシュ、グサ、グサ、グサ、グサ
尖った骨が、リリの手足を、貫き、壁に、磔にされた。
「うわあああああ。」
リリは、痛みに叫ぶ。
「いい、いいよおおおおおよう。痛そうな声だ!!!ふへへえ。」
リリの苦しみの声に興奮し、顔を綻ばせた。
「リリ!、ロネ!。」
ミミコさんは、焦った様子で、下唇を噛み締める。
僕が、やらないと―
エルピス林檎の新たな技を、みせてやる!!!
僕は、両手の指を広げて、髑髏牛ペンギンの方へ向けた。
「どうした、指なんて、広げて、血迷ったか?。」
髑髏牛ペンギンは愉快そうに、僕をみて、笑う。
「エルピス林檎 飛び散れ 連撃散弾銃。」
僕は、林檎散弾銃を解き放った。
ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!
両手合わせて十本の指から、林檎の銃弾が、連続で発射される。
すべての林檎の銃弾が命中し、髑髏牛ペンギンの顔面と身体中を貫通する。
「痛い!痛い!痛い!痛いいいいいい、血が、血がああ、あああ。貴様、許さんぞ。」
髑髏牛ペンギンは、転げまわった。
ボタボタと血が流れる。
身体中に穴が空き、みるも無残な姿になっている。
「今のうちよ。リリを助けないと。空間術 転移。」
ミミコさんは、僕を、リリのところに、転移させた。
ビューン
ありがとう、ミミコさん。
「リリ、大丈夫か?」
僕は、リリの手足を固定する、骨を引っ込こ抜こうと試みる。
「大丈夫よ。」
リリは、朦朧とした意識の中言った。
「抜けない―、バッチリ刺さってやがる。」
僕は、骨を手で引く。
壁を破壊した方が、手っ取り早いな。
「林檎ピストル。」
僕は、林檎ピストルで、壁を破壊して、骨を取り出した。
ポイ
「取れた。」
リリの右手を固定していた骨を取り出す。
左手、右足、左足も、同じようにして、取り出す。
「ありがとう、ロネ―、でも、あたし、歩けないわ、足の先の感覚がないの。」
リリは、へとへとになっていた。
「僕が担ぐよ。ボルタ林檎に乗れば大丈夫。」
僕は、リリを背中に担いで、ボルタ林檎に飛び乗った。
「ロネ―。」
リリは、僕にしがみ付いて、泣いた。
リリを泣かせた、許さない。
「ミミコさん、リリを安全な場所に、お願いします。」
僕は、言った。
「ええ。結界術 転移。」
ミミコさんは、リリを、結界術で、離れた場所に、転移させた。
「おい、貴様、よくもリリを泣かせてくれたな。」
僕は、髑髏牛ペンギンに向かって、声を上げた。
「いいじゃないか。何の力もねえやつを虐めるのは楽しいからよお。」
髑髏牛ペンギンは、へらへら笑った。
身体中に空いた、穴ももう塞がっていた。
流石はA級+、再生能力も桁外れだ。
「行くぞおお、髑髏牛ペンギン野郎うううう!!!。」
僕は、ボルタ林檎に乗って、髑髏牛ペンギンの元へ向かう。
ビューン
ミミコさんの、結界術で、転移移動して、髑髏牛ペンギンに、近づく。
「なっ。」
髑髏牛ペンギンは、後ずさる。
ナイスサポートだ、ミミコさん。
「林檎散弾銃!。」
僕は、林檎の散弾銃で、撃ちまくる。
ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!
「骨骨シールド 髑髏牛の鉄壁。」
髑髏牛ペンギンは、骨の巨大な盾を作り出した。
バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、バシュ。
「ひはは。同じ手は二度も通じないよ。」
髑髏牛ペンギンは、高らかに笑った。
林檎散弾銃でもダメか―
骨骨シールド、相当な強度だ。
「骨骨 ナイフの雨 降り注げ!」
髑髏牛ペンギンは、骨のナイフを空中に作り出し、僕に目掛けて、降り注がせた。
「林檎散弾銃!!!。」
僕は、林檎散弾銃で、骨ナイフを相殺する。
林檎の銃弾と骨のナイフとの衝突による激しい、火花が散る。
「捌ききれない。」
僕は、林檎シールドで、ガードし、攻防を続ける。
「大丈夫よ。サポートするわ。」
ミミコさんは、結界術と、幻想術で、髑髏牛ペンギンを翻弄し、僕をサポートする。
「よし。」
互角の戦いだ。
「こざかしい、ガキがあああ。逃げ回ったり、妙な幻覚をみせてきやがってええ。邪魔すんなあああ。あ」
髑髏牛ペンギンは、目を真っ赤にして、怒りをあらわにする。
「骨骨ソード 血濡れた剣 切り裂け。」
髑髏牛ペンギンは、骨の剣を作り出し、僕へ向かって振り下ろした。
「うわああ。」
林檎シールドを敷き、右に、躱す。
ビュズドーン
斬撃で、左側の皮膚が火傷し、頬に傷がついた。
凄まじい威力だ、当たれば即死だな―
ごクリと唾を飲み込んだ。
「さっきまでの威勢はどうしたよ、ええ?」
髑髏牛ペンギンは、骨骨ナイフと、当たり一面に、投げ飛ばし、骨骨ソードを振り回して、破壊行動を繰り返す。
あれを使ってみるか―
「貫け!林檎アサルトライフル。」
僕は、右手の人差し指と親指を立てて、肘を左手で固定し、髑髏牛ペンギンの方へロックオンした。
ドシュウウウウウウ!
反動で腕が折れそうだ―
秒速2000mのスピードで、林檎の弾は、飛んでいく。
バリン!
骨骨シールドを貫通した。
「ぬぬぬ―。」
髑髏牛ペンギンは、後ずさる。
髑髏牛ペンギンの胸を貫く。
「がはっ。」
髑髏牛ペンギンは吐血する。
胸に穴が空き、ダラダラと血が流れ落ちる。
「うう、痛い、痛い、苦しい、はじめてだ、胸に穴を空けられたのは―、うええええん。」
髑髏牛ペンギンは、泣き叫んだ。
胸の穴が次第に塞がっていくのが見て取れる。
っく。化け物め。
「痛てええ、んだよおおおお。コロス!!!!串刺しにして、拷問して、死体が誰かわからないくらい、ボロボロに壊してやるううううんだよおおお。」
髑髏牛ペンギンは、苦しそうに泣き叫んだ。
「我が最強の奥義で、葬ってやる。」
髑髏牛ペンギンは、羽を空に向かって広げて、巨大な骨の刃を宙に作る。
「ごああああああああ。」
髑髏牛ペンギンは、叫ぶ。
毛が逆立ち、身体の筋肉が、盛り上がり、巨大化し、身長3mほどになった。
「髑髏牛 骨骨獣魔牛ナイフ豪雨 高速ドリル嘴ストリーム。」
髑髏牛ペンギンは、長い技名を、狂ったような声で、叫び、目を見開いた。
空中に次ぎから次に、巨大な骨のナイフが、現れ、豪雨のように、僕に向かって降りかかってくる。
「林檎散弾銃 連撃。」
僕は、林檎散弾銃で、骨のナイフの豪雨に対応する。
ミミコさんのサポートもあり、どうにか、髑髏牛ペンギンの骨ナイフの豪雨を凌ぐ。
身体中に、骨ナイフのかすり傷が付く。
「トドメを刺してやる。ぎゃあああああああ。」
髑髏牛ペンギンは、超高速で、回転しはじめた。
音速を、疾うに超えた、秒速2300mのスピードで、回転している。
「びゃああああ、ぶっ殺すちゃあああ!。」
髑髏牛ペンギンは、奇声を上げつつ、回転し、僕に向かってぶっ飛んでくる。
回転の周りには、骨のトゲトゲが、ぐるぐる回り、髑髏牛ペンギンを囲っている。
秒速2300mの異常な速さで、鉄砲玉のように、飛んできた。
化け物め、凄まじい回転と突撃のスピードで、皮膚が焼けこげそうだ。
「林檎アサルトライフル!。」
僕は林檎アサルトライフルで、髑髏牛ペンギンの高速ドリル嘴ストリームを迎え撃つ。
ズシャアアアアア、バッコーンンンン
林檎の弾丸が、髑髏牛ペンギン回転に突撃する。
押されている。
林檎の弾丸が弾き返されようとしている。
あれを使うしかないか―
「林檎砲!。」
左手で右肩を固定し、右手の親指を広げ、人差し指から小指は揃えて立て、右腕を髑髏牛ペンギンに向けて伸ばした。
ロックオンだ。
「飛んでけえええええ!。」
僕は、叫ぶ。
ドッカーンンンン!!!
巨大な林檎が、右手の前に現れ、秒速2300m程度の速さで、飛んでいく。
回転する髑髏牛ペンギンの突撃と、林檎砲の弾がぶつかり合い、激しく赤い光と、爆風、爆音が、歌劇場を包む。
「俺は、俺は、おまえみたいなガキに負けねえ、負けるものかああああ。」
髑髏牛ペンギンは、林檎砲にぶつかった。
嘴で、林檎砲の弾丸を貫通しようと、突撃する。
「ああああああ。痛い、痛い、痛い、うわあああああ。」
髑髏牛ペンギンは泣き叫ぶ。
嘴は、無残にも折れ曲がり、血が噴き出す。
「ぶあああああああ。」
髑髏牛ペンギンの悲痛な声が、歌劇場に響き渡る。
髑髏牛ペンギンの顔、身体が潰され、粉々になった。
「やったのか―。」
僕は、意識が朦朧とする中、ボーと突っ立っていた。
「やったわよ!、ロネ。よかった。」
ミミコさんは、僕の元へ駆け寄った。
「よかった、どうにか、勝てたんだ。」
僕は安堵した。
「よしゃああ、ロネがやった!。」
リリは、自分の事かのように喜んでいた。
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