39 衝撃!絶望!髑髏牛とブラッドペンギンが、髑髏牛ペンギンになった。

「痛ててえ。」

 リリは、穴の開いた壁から、立ち上がって、僕たちの方へ歩いてきた。




 「リリ、ロネ、ごめんだけれど、あたしは、攻撃力系の能力じゃないのよ。」

 ミミコさんは、僕たちをみて、謝った。




 「どういうことですか?」

 僕はたずねた。




 「あたしの神通力は、ものを移動したり、認識を歪曲させたり、少し先の未来はみえるのだけれど、攻撃を与えたりは、まったくできないポンコツ能力なの。」

 ミミコさんは、困り眉をして言った。




 どうするんだよ―、僕とリリだけで、A級に2体に勝てるのか。




 「大丈夫よ。ちゃんと援護はするわ。あなたたちを死なせはしない。」

 ミミコさんは、胸を張って言った。



 

 「心強いです!」

 リリは、ミミコさんの隣に立った。




 「行くわよ、ロネ。」

 リリは、僕の方をみて、声をかけた。




 「はい。」

 僕は返事をした。




 「ボルタ林檎。」

 僕は、ボルタ林檎を出した。




 飛び乗る。




 「行くわよ!。」

 リリは、時速300㎞程で、髑髏牛とブラッドペンギンの方へ、飛んだ。




 バシ、バシ、バシ、バシ、バシ!




 リリは、凄まじい速度で、パンチを繰り出す。




 残像で、腕が100本以上にみえる。




 シュパパパパパ!




 「おらああ! 連撃 ハートフルパンチスマッシュ。」

 リリのハートフルスマッシュが、炸裂する。




 ぺチン、ペチン、ペチン―




 「ふふーん。おこちゃまなパンチね。」

 ブラッドペンギンは、リリの連続パンチを、翼で、ペチンと、受け流した。




 「おらあああ、ハートフルキーック!。」

 リリは、パンチのしつつ、蹴りを、入れる。




 ズドン




 「懲りないガキだ。わからせられたいのか?」

 ブラッドペンギンは、リリの蹴りを、蹴りで、防いた。




 ブシュウウーン!




 「ボゲエエエ 串刺し血濡れた嘴突き!。」

 ブラッドペンギンは奇声を上げて、物凄いスピードで、リリに向かって、嘴を立てて突撃した。




 当たれば、身体に穴が開いて即死レベルだ。




 「リリいいいいいいい!!!。」

 僕は、ボルタ林檎を飛ばして、リリの元へ向かう。




 「林檎ピストルううううう。」

 僕は、林檎ピストルを放った。




 林檎ピストルが通用しないことは、わかってる。




 間に合え!




 ビューン!




 「なっ、消えた?だと。」

 ブラッドペンギンは、驚きの表情をみせた。




 「ふう、危ない、危ない。移動転移結界術で、どうにか、躱させられたわ。」

 ミミコさんは、額の汗を拭った。




 バン!




 僕の撃った林檎ピストルの弾が飛んでいく。




 「ほいっと。」

 ブラッドペンギンは、嘴で林檎ピストルの弾を挟み取った。




 「ポケーっとしてないで、ロネも、リリに続いて、戦いなさい。」

 ミミコさんは、僕に活を入れた。

 

 


 「はい。」

 僕は、ボルタ林檎に乗って駆け抜ける。




 林檎ピストルでは、ほぼ勝ち目はない。




 あれを使うか―




 「リリ、新技があるんだ。注意を引き付けておいてくれ。」

 僕は、リリに耳打ちする。




 「わかったわ。」

 リリは、返事した。




 「どりゃああああ!。」

 リリは、ブラッドペンギンと髑髏牛、に攻撃を続ける。




 「雑魚が。」

 ブラッドペンギンは、呆れた様子で、攻撃をひょいひょいと躱す。




 「死ね。」

 ブラッドペンギンの、嘴により突きが来る。




 ビューン!




 ミミコさんの、結界術で、避ける。




 「小賢しい、結界術だなあ!!!、ゴミ以下の癖によおお。どこにいるんだ?出てこい、能力者。」

 ブラッドペンギンは、頭に血が上り、叫び散らした。




 ミミコさんは、認識歪曲で、自分の姿を隠しているのだ。




 「ふふふ。怒っている、動物って、面白いわよね。」

 ミミコさんは、笑っている。




 ブラッドペンギンは、血眼になって、ミミコさんを探す。




 今だ!




 ブラッドペンギンに、隙ができた。




 ありがとう、リリ、ミミコさん。




 「林檎巨大岩石 落下衝突!」

 僕は、唱えた。




 巨大な、重さ1トンの林檎を鉄の硬さまで強化し、空の上から、落とすのだ。




 ズドドドドドーーーーーーン!!!




 凄まじい音だ。




 空に作った、巨大な林檎の岩石が、歌劇場を突き抜けて、髑髏牛と、ブラッドペンギン、目掛けて、落ちる。




 地面に穴が空き、髑髏牛と、ブラッドペンギンは、林檎岩石の下敷きになった。





 やったか―




 「やったわね。ロネ。」

 リリは、顔を綻ばせて、僕にハイタッチしようとした。




 「おい、よくもやってくれたね。久しぶりだなあ、痛みを感じるのはよお。」

 ブラッドペンギンの声が地面の穴から、きこえる。




 生きているのか。




 「痛いでしゅ。骨折れるわあ、ぼわあああ。」

 髑髏牛の、甲高い声が、響く。




 化け物どもが。




 髑髏牛の骨が、地面から、地上までの道を作った。




 ぐちゃぐちゃで、骨が折れ曲がり、内臓の飛び出た、ブラッドペンギンが、トコトコと、血を吹き出しながら、髑髏牛の骨の上を歩き、近づいてくる。




 ブラッドペンギンの身体は、骨の階段を歩いているうちに、回復しているように見える。




 「マズいわね。はやくトドメを刺さないと回復されちゃうわ。」

 ミミコさんは、叫んだ。




 「ハートフルスマッシュ リボンスティック。」

 リリは、リボンスティックで、ブラッドペンギンを叩きつける。




 「えい。」

 キラキラの光のエフェクトが出る。




 「クソガキが、俺を手こずらせ、やがって。」

 ブラッドペンギンは、蚊でも、払うように、リリをぶち殴った。




 「うわああ。」

 リリは、吹き飛ぶ。




 「林檎ピストル 連撃。」

 僕は、林檎ピストルで、ブラッドペンギンを撃ちまくる。




 バン!




 バン! バン! バン!




 「てめえだ。余計な事をしてくれやがって、よおおお。」

 ブラッドペンギンは、林檎ピストルを、物ともせず、僕の目の前に、近づいてくる。




 「ボーンデユニオン 髑髏牛装。」

 髑髏牛の骨骨が、ブラッドペンギンの周りを囲う。




 ピロロロン




 「髑髏牛装ブラッドペンギン ランクA+ 髑髏牛とブラットペンギンの本来の姿、骨を使った強力な攻撃が人を死に至らしめる。」

 



 「ランクが上がった?そんなことって―。」

 リリは、絶望の表情を浮かべた。


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