36 秋刀魚、海星、ヒヤシンスの滅死壊と戦う。
「うわあ。綺麗だ、宮殿か、お城にでも迷い込んだみたい。」
僕は、息を呑み込んだ。
荘厳なシャンデリアに照らされている。
白色を基調とした、壁と天井に、金の装飾が施されている。
部屋の壁に等間隔で、アーチ型の部屋と部屋の出入り口や、大理石で作られたイオニア式の柱に挟まれた長方形の部屋と部屋の出入り口が、ある。
出入口の左右には、交互に、灯りが付いている。
床には、は、四角形と菱形の、幾何学的な文様が、描かれている。
天井には、植物や、貝殻と幾何学的な文様が、彫刻されていた。
「雰囲気のある所ね。」
リリは、辺りを見渡した。
「ミミコくんとロールくんを探そう。」
フェールさんは、先へ進んだ。
通路を通ると、広い空間に出てきた。
ピロロン
*秋刀魚人 ランクC 人食いスターフィッシュ ランクC ブルートヒヤシンス ランクBが出現。
スマホから、アナウンスが鳴った。
「酷い。あんまりだ。」
僕は、悍ましい光景に、立ち尽くした。
秋刀魚だ。
秋刀魚が、人を喰っていた。
顔が秋刀魚で身体が、人だ。
「美味しいニヒ。」
秋刀魚は、美味しそうに人を頭から食べる。
500人程度の人々が、椅子に縛り付けられて拘束されていた。
「美味しそうな女の子だなあ。」
椅子に縛り付けられた、まだ3歳くらいの女の子を舌でなめまわす、海星がいた。
海星は、星の真ん中に、強靭な細かく鋭い牙を持っていて、長い舌で女の子の首を絞めつけていた。
「おええ、ゲボッ、くるしぃ。」
女の子は、顔を真っ青をして、目は虚ろで、意識を失っていた。
「いただきまーす。」
海星の滅死壊は、女の子を大きな口で、グチャグチャと音を立てて嚙み潰す。
「んんんんん、トレビあーん。」
海星は、狂った声で、叫んだ。
「グリャリ。とろけるような味わい!ハーモニー!。」
青色のヒヤシンスが、小さな子供のいる家族を食べていた。
「どうだい、お母さんが食べられている様子は、次は、君だよお、ぐへへ。」
ヒヤシンスの滅死壊は、二ヤりと厭な笑みを浮かべる。
ヒヤシンスの花々の茎が伸び、雄蕊が、小さな男の子と女の子を縛り付け、雌蕊の、子房あたりについている、口で、ムシャムシャと、母親と父親を食べる。
強靭な牙で、骨まで砕け散る。
「おかあさん、おとうさん、ええええんんん。」
子供たちは、泣きじゃくる。
「かわいい声で鳴くねえ。よしよし、いい子だぞぉ。今から、食べてやるからなあ。」
ヒヤシンスの滅死壊は、子供たちを、美味しそうに、ムシャムシャ食べた。
ムシャムシャ、ボリボリ、ゴクン。
「ぷはあ、喰った、喰ったああ。」
ヒヤシンスの化け物は、満足そうに、息を吐いた。
「やめろおおおおおおおお!」
気が付いたら、僕は、秋刀魚人、人食いスターフィッシュ、ブルートヒヤシンスに、林檎ピストルを撃ち放っていた。
「林檎ピストル!。」
犠牲者を増やしたくはない。
バン!バン!バン!
命中した。
「痛いわねえ。」
秋刀魚人の腕から、血が流れている。
「酷いわ、いきなり、撃ってくるだなんて。」
人食いスターフィッシュの、身体から、ポタポタと血が流れる。
「コロス、よくも撃ってくれたね。」
ブルートヒヤシンスは、怒り狂っていた。
僕の力じゃ、一撃で倒すことは出来ないか―。
ズドーン!
ん?
鉄パイプが、秋刀魚、海星、ヒヤシンスを一刀両断した。
みえなかった―
「パイプスラッシュ。」
フェールさんは、鉄パイプを振り下ろした。
「す、すごい!。」
僕は、感嘆した。
「S級の力!流石ですね。」
リリは、手を叩いた。
「ロネくんが、注意を集めていてくれたからだよ。ありがとう。」
フェールさんは、謙遜した。
「先を急ごう。」
フェールさんは、通路を走りはじめた。
通路を走っていく。
「酷いわね。」
リリは、怒りの籠った声で、言った。
通路には、滅死壊が食い荒らしたと思われる、人々の残骸で、溢れかえっていた。
死体を避けながら、先へ進む。
滅死壊、酷いやつ等だ、絶対に、倒す。
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