美しきエリーゼ都での戦い。

30 緊急クエスト エリーゼ都に現れた滅死壊の討伐

 ピロロロン




 スマホから通知音がきこえる。




 スマホを開くと、メールが一件届いていた、開けてみる。



 

 *緊急クエスト、5月4日 ミーロ星、北西のエリーゼ都で、滅死壊が、出没します、人手が足りないので、ハート・A・ロネ 団員にも、よければ、討伐に参加頂きたい。

 集合場所は、アルブルのエイレーネ団集会場です。



 

 北西のエリーゼ都って、結構、ポムの街から離れているじゃないか―




 ポムの街から、エリーゼ都までの距離をパソコンで調べる。




 言い忘れていたが、ミーロ星では、申請すれば、5年に1度、自分の好きなゲーミングパソコンとノートパソコン、VRゴーグルを選んで、無料で、貰えるのだ。




 進んだ仕組みだと思って感心したものだ。




 6600㎞離れた所に、エリーゼの街はあるらしかった。




 離れすぎだろ!!!




 飛行機で、7時間半ほどかかるらしい。




 ピロロン、追加で、メールが届いた。




 *現在エイレーネ団は、滅死壊との戦いで、多くの団員の、手が空いておらず、E級団員や、子供の手さえ借りたい状態だ、どうか、お願いしたい。

 



 参加を依頼している団員

 ・JK ロール Ja

 ・ミミコ

 ・リリ

 ・ハート A ロネ

 ・ブルー パイプ フェール




 交通費は、支給します。

 



 人手が足りてないんだなあ。




 どうしたものか。


 


 悩んでいた。




 ロールさんもいるのか―、フェールって誰だろう???




 今日は、5月3日 土曜日。




 実力を試すのにも、行ってみたいけれど、親に心配をかけるだろうし、学校にどう説明すればいいのかも、検討が付かなかった。




 プルルルル プルルルル プルルルル




 電話だ。




 「もしもし。」

 僕は、スマホに耳を当てて、話した。




 「あ、ロネくん。ミミコだけれど、エイレーネ団からの、滅死壊討伐のメールみたわよねえ?」

 ミミコさんからだ。




 エイレーネ団団員の連絡先は、あらかじめスマホに入っていて、新しい団員が入ると更新される仕組みらしかった。




 「どうも。ロネです。みました、行きたいのですけれど、親とか学校とか、どうすればいいのやら―。」

 僕は、悩みを口にした。




 「ああ、大丈夫だよ。あたしの神通力で、幻想みせとけば、万事解決だよ。」

 ミミコさんは、平然と言った。




 便利だな、神通力、おそるべし。




 少し、倫理的にアウトな気もするが、仕方ないか―。




 「はは。お願いしようかな、親や学校の人を騙すような事は、気が引けるけれど―。」

 僕は、苦々しい気持ちで、返した。




 「騙さないよ。ちょっと、幻想をみせてやるだけさ、夢をみるのと同じだよ。人聞きが悪いなあ。もうっ。」

 ミミコさんは、ムスっとした声で、言った。




 「ごめん。人間、知らない方がいい事もあるよね。」

 僕は、ミミコさんの気持ちを考えると、悪い事を言ったなあと思い謝った。




 「いいのよ。神通力は使う人の良心が大事だからね。人を悲しませるような使い方をあたしはしないよ。」

 ミミコさんは、真っすぐな声で言った。




 「ですね。すべての能力者も、人にも言える事だと思います。」

 僕は、はっした気持ちになった。




 「ははは、じゃ、認識歪曲を掛けておくわよ。」

 ミミコさんは、言った。




 「認識歪曲?」

 僕は、ききかえした。




 「人の認識を変えてしまう神通力の一種よ、幻想をみせ、記憶を上書きできる、4月23日、君がもう一人の君に出会った日、君の家族や、学校の人たちに掛けた神通力の名前よ。」

 ミミコさんは説明した。




 「へえ。凄いですね。」

 僕は、感心の声を上げた。




 「まあね、明日、集会場だよ。」

 ミミコさんは、言った。




 「はい、わかりました。ありがとうございます。」

 僕は、感謝の言葉を出した。



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