魔王に襲われ世界は破壊されました。18年前のミーロ星に転生すると魔法が使えるようになってました。滅死壊を倒すために、PSE能力者、剣士、勇者、魔術師、令嬢、師匠を仲間にし魔法でジュースにして飲みます。
28 もう一人の僕!?ハート・A・エルピスに会う。
28 もう一人の僕!?ハート・A・エルピスに会う。
「教えると、言っても、基礎の基礎さ。」
ミミコさんは、腰に手を当てた。
「基礎ですか?」
僕は、きいた。
「基礎だね。特殊な経験をしたことがないかい、他とは違う不可思議な事ができないかい?」
ミミコさは、言った。
ある。
林檎を操れる!!!
「林檎です。」
僕は、ポツリと言った。
ミミコさんは、一瞬ポカンとした表情を浮かべた。
何言ってんの、こいつ、みたいな顔をしている。
「出でよ林檎。」
僕は、右手の人差し指を上に上げた。
林檎が、指先の上の宙に現れる。
「しょぼっ!。」
ミミコさんは、思わず、声に出した。
「しょぼって、酷いですよ。」
僕は、がくりと、項垂れた。
「だって、林檎出して、何になるの?戦闘向きの能力じゃあ、ないねえ。」
ミミコさんは、容赦なく言った。
「バカにして!!!自在に速度を変えて移動させる事もできるんですよ。ほら。」
僕は、頬に空気を膨らませた。
ビュン、ビュン。
林檎をビュンビュン飛ばす。
「ははは、面白いね君。」
ミミコさんは、笑った。
「硬さだって、変えられるんですよ。」
僕は、言った。
「触ってみてくださいよ。」
僕は、林檎の硬くして、ミミコさんの方へ飛ばした。
「どれどれ。」
ミミコさんは、林檎を触る。
「ほう、確かに硬い。やり方によっては、戦えるかも知れないね。」
ミミコさんは、二ヤリと、笑った。
「能力ってのは、名前を与える事で、より強力なものになる。」
ミミコさんは、続けた。
「名前?」
僕は、首を傾げた。
ミミコさんは、地面に落ちている石を拾った。
「例えば…、
ミミコさんは、石を下から宙に投げて言った。
ゲコ、ゲコ、ゲコ。
蛙だ。
石が蛙になった。
ゲコゲコと鳴いている。
「どういう原理なのですか?」
僕は、目を丸くした。
「幻想自在変化さ。物の姿形、音、匂いに至るまで、自在に変えて、みせる事ができる。」
ミミコさんは、得意気に胸を張った。
石が蛙になった事は疑いようが、ないが、どうにもピンと来ない。
「解。」
ミミコさんは僕の肩を右手で軽く掴んで、力を込めた。
蛙が、石に戻った。
「蛙にみえているだけで、外界への変化はないのよ。幻想だっていったでしょ?」
ミミコさんは、二ヤリと笑った。
「へえ。面白いですね。」
僕は、言った。
「神通力は奥が深いのよ。」
ミミコさんは、腕組をして、頷いた。
「能力や技には名前がある、さっきの、幻想自在変化のようにね。あなたの林檎の術にも、きっと名前があるはずよ。」
ミミコさんは、言った。
「名前ですか…。」
僕は、呟いた。
「ええ。あなた自身にきいてみて。」
ミミコさんは、胸に手を当てて言った。
「切っ掛けさえあれば、簡単よ、膝を組んで座って、目を瞑ってみて。」
ミミコさんは、僕を、諭すようにして言った。
座禅かな…、ま、やってみるか。
僕は、床に座って、目を瞑った。
「えい。」
ミミコさんは、僕の首のあたりに触れると、力を入れた。
身体に、エネルギーが流れ込んでくるかのような感覚を覚えた。
傍からみれば、おかしな事だが、僕は目を瞑り、何処かに繋がっていた。
「入ったわね。」
ミミコさんは呟いた。
僕は、自分自身にきいてみた。
能力や技についてたずねる。
「やあ、林檎使いの魔術師。よく来たね。」
僕の声がきこえた。
「僕なのか?」
僕はたずねた。
「ああ、君さ。もう一つのね。」
もう一つの僕は答えた。
「もう一つの?」
僕は、ききかえす。
「君の中に眠る、能力が僕を作ったのさ。君のドッペルゲンガーあるいは、分身とでもいえばいいかな。」
もう一人の僕は、答えた。
「なんて呼べばいいんだ?」
僕は、きいた。
「ハート・A・エルピス。エルピスとでも、呼んでくれ。」
エルピスは、告げた。
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