27 神通力者のミミコさんは宿命通で、僕の前世を知っていた。能力の使い方を教えてくれるらしい。

「ある程度の未来が見えているですって!?。」

 僕は、目を見開いた。




 未来予知だなんていう事が、あり得るのだろうか。




 「ええ。驚くような事ではないわよ。」 

 ミミコさんは、にこやかに、笑った。




 「へえ、未来じゃ、ミーロ星はどうなってんのか、教えてくれよ?」

 僕は、質問した。




 「無理よ。あたしが、みれるのは、数年単位の、みる事の許された未来だけよ。」

 ミミコさんは答えた。




 「みることの許された未来?」

 僕は、ききかえした。




 「ええ、そうよ。数年単位だったら、鮮明に未来が見えるけれど、10年、100年となってくると、ぼんやりと、みえるだけになるのよ。」

 ミミコさんは言った。




 「例えば、今日、あなたは、カレーライスが夕飯になるだとか、あなたの友達のアルル君って人が、半月後10月23日、日曜日、史上最年少で、林檎大学に飛び級合格するだとか、あと、あなたが、滅死壊に殺されて死ぬだとかね。」

 ミミコさんは、冷たい声で、言い放った。




 「滅死壊がいつ、大侵攻してくるのかは、わからないのか?」

 僕は、きいた。




 「拒絶されて、わからない事のひとつよ。」

 ミミコは、悩ましそうに、返した。




 本当だろうか。




 胡散臭い。




 「本当に、神通力者なの?なんだか、怪しいなあ。」

 僕は、訝しい目でみた。




 「なによ。みんなして、あたしをバカにして。神通力者って、胡散臭いだの、詐欺だの、なんだのって、よく、バカにされて、腹が立つのよ。」

 ミミコさんは、ぷんぷんと腹を立てて、口を膨らませた。




 「なんだったら、君の、前世だって、わかるんだからね。」

 ミミコさんは、言った。




 前世だって?




 そんな馬鹿な。




 「君は、ネロー星?、っていう星で、産まれて、育ったのだけれど、24歳の時、滅死壊の侵攻にあって、星ごと滅ぼされ死んで、ミーロ星に転生した―、って、え?」

 ミミコさんは、すらすらと、話しながら、途中で困惑の声をあげた。




 「あなた、不思議な、前世を持っているのね。滅死壊とすごい、因縁があったのね。知らなかったわ。あと、あなた、過去に転生してるわよ。」

 ミミコさんは、言った。




 ええええええええええええええええええええええええ!!!!




 コワい。




 なんだ、この女、全てお見通しじゃねえか。




 過去に転生ってどういうことだ?




 「ごめんなさい。怖がらせちゃって。」

 ミミコさんは笑った。




 僕は気が動転していたが、正気を取り戻した。




 「過去に転生って、どういうことなんですか?」

 僕は、きいた。




 「宿命通で、君の過去に起こった出来事や、前世を覗き見させてもらったのだけれど、時間軸がごちゃごちゃになっているのよ。」

 ミミコさんは、不思議そうに、言った。




 「ごちゃごちゃに?」

 僕は、呟いた。




 「ええ、そうよ。あなたが、死んだのが、2041年なのだけれど、今日は、2031年、4月23日、水曜日。明らかに、過去に飛んでるわよ。」

 ミミコさんは、面白そうに、僕をみた。




 まさかとは、思っていたけれど、ほんとそうだ。




 まだ、僕は、僕の前世の家族を、恋人を救える。




 守れる。




 「今のあなたじゃ無理よ。」

 ミミコさんは、冷酷に言い放った。




 あれ?ていうより、僕の心が読まれてる?




 「他心通よ。心が読めるわ。」

 ミミコさんは、事も無げに言った。




 「へえ。」

 どうやら、ミミコさんは、本物の神通力者のようだ。




 「失礼ね。似非、インチキだと思ってたなんてねえ。」

 ミミコさんは、心外だと言った様子で、言った。




 「ごめんなさい。」

 僕は、頭を下げた。




 「あなたには、戦う理由がちゃんとあるのね。」

 ミミコさんは、笑った。




 「はい。」

 僕は、頷いた。




 ミミコさんは、感心した様子で、僕をみた。




 「27年生きてるんでしょ。実質、あたしより、20歳、年上じゃん。ははは。」

 ミミコさんは、笑った。




 「ですねえ。まさか、自分が異世界転生するだなんて、夢にも、思ってませんでした。」

 僕は、髪を掻き掻きした。




 ミミコさんは、僕の目をみた。




 「過去の、別の星に転生するだなんてね。」

 ミミコさんは、言った。




 「次は、僕が全部、守るんだ。」

 僕は、覚悟を口にした。




 「だったら、強くならないと、いけないね。」

 ミミコさんは、少し間を開けて口を開いた。




 「あたしが、能力の使い方を最低限、教えてあげるよ。」

 ミミコさんは、腰に手を当てて、言った。




 能力の使い方?




 「いいんですか?。」

 僕は、ミミコさんをみて言った。




 「これも何かの縁だ。」

 ミミコさんは、返した。




 「ありがとうございます。」

 僕は、言った。




 「ロールのやつも、認める団員になれるといいな、じゃなきゃ次は、本当に殺されちゃうかもね。」

 ミミコさんは、悪戯な笑みを浮かべた。


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