魔王に襲われ世界は破壊されました。18年前のミーロ星に転生すると魔法が使えるようになってました。滅死壊を倒すために、PSE能力者、剣士、勇者、魔術師、令嬢、師匠を仲間にし魔法でジュースにして飲みます。
25 キラ星病院にて、医療魔術師ももこさんに治癒されていた。
25 キラ星病院にて、医療魔術師ももこさんに治癒されていた。
「ロネ!大丈夫なの?。」
リリの心配そうな、声がきこえる。
どうにか、僕は助かったらしい。
「大丈夫だよ。あたしが、診たんだから、間違いないよ、なんで、あたしが、ガキの面倒みなきゃなんないんだか、困ったもんだよ、まったく。」
女の声がきこえる。
知らない声だ。
目を開き、起き上がろうとする。
「ん、はッ。」
身体を動かす。
「やっと、起きたか、ガキ。」
女は、僕の方に、声を投げかけた。
目を開ける。
壁の白い病室の中にいた。
僕はベッドで横たわっている。
周りには、救急箱や医薬品などの医療物資が入った三段の台と、レントゲンなどの医療設備、注射器や、聴診器、内視鏡、顕微鏡などの、検査器具とパソコンの置いてある机があった。
後ろで団子括りにした、ピンクの髪で、ナース服を着た女が、僕を覗き込んでいた。
卵型の顏で、少し釣り目な、アーモンド目、ギリシャ鼻で、小さな唇をしている。
「ガキどもが、余計な事をしてくれたものだね―、お前の飲まされた毒は、猛毒中の猛毒、リシンだよ。トウゴマの種子から抽出できる、物質でね、塩ひとつまみで、成人男性でも、即死さ。」
女は、ケラケラと笑った。
「ましろさんが、いなかったら、ロネ、死んでましたね。はは。」
リリも、女に、つられて、苦笑した。
「あのバカは殺す気だったんでしょうね。」
女は、呆れた様子で、言った。
「酷い男ですよね。」
リリは、返した。
「ミミコちゃんも、世話焼きだねえ。わざわざ、あたしの元にガキを持ってくるなんて、あんた、ミミコちゃんが来てなったら、死んでたよ。」
女は、僕の方をみて言った。
「ミミコ?誰ですか。」
僕はきいた。
「呆れた。狩衣を来ている神通力者の女の子だよ。」
女は、言った。
「ああ。」
僕は、声を出した。
あの人か。
僕に毒入りコーヒーを飲ませた男の傍にいた女だ。
「僕は、ロネです。よくわからないですが、助けてくれて、ありがとうございます。」
僕は、起き上がって、女の方を向いて、頭を下げた。
「まったくだよ。自分の命は自分で、守れるようにして貰わないと、困る。仕事が増えるからねえ。だるい、ったらありゃしない。」
女は、顔色ひとつ変えずに、迷惑だと言った声音で言った。
「ごめんなさい。」
僕は、謝った。
「仕事だからね。死なれちゃこっちも困るし、気分も悪くなる。」
女は、僕を睨みつけた。
コワい。
「あたしは、ましろももこ。エイレーネ団の中で、唯一、病や傷を癒し治せる白魔法が使える魔導士だ。だから、医療班を任されてる。あんたみたいに、怪我や病人が増えると仕事が増えて困るのは、あたしなんだ。」
ももこさんは、言った。
「次からは、気を付けます。」
僕は、反省した。
安易に、ココアを飲んだ僕にも、落ち度はあったと思った。
僕が、弱いのも問題だ。
エイレーネ団で、やっていくには、もっと、強くなる必要がある。
気を引き締めよう。
「リリ、お見舞いに来てくれてありがとう。」
僕は、リリの方をみて言った。
「びっくりしたのよ、ミミコ先輩から、連絡があって―、でも、よかったわ、無事で。」
リリは、返した。
ふと、思った、今は何時だろう。
病室の時計の針は、午後7時30分を過ぎていた。
「もう、7時半、過ぎてるじゃん。」
僕は言った。
「そりゃあ、ねえ。猛毒ですからねえ、2時間くらいは気を失っていたわよ。」
ももこさんは、返した。
「そろそろ、帰らなきゃマズいね。」
リリは、言った。
「よいしょ。」
ベッドから起き上がり、立ち上がった。
「安静にしとくんだよ。また、症状が悪化して、来られると困るのは、あたしなんだからね。」
ももこさんは、言った。
ももこさんは、多少、口は悪いが、きっと、根はいい人なのだろうと思う。
「はい。今日は、ありがとうございました。」
僕は、お辞儀をした。
病室を出て廊下を歩く。
「ここって、病院なんですか?」
僕は、きいた。
「みりゃわかるでしょ、そうだよ。」
ももこさんは、答えた。
「キラ星病院っていう小さな病院さ。アルブルの街の東の方にあるよ。」
ももこさんは続けた。
「アルブルの街ですって!?」
僕は、驚いた声を上げた。
家から、結構、遠いじゃないか。
一体、どうやって、倒れている僕を運んだのだろう―。
「へえ、帰りはどうしよう。電車に乗って帰るしかないな。」
僕は言った。
「あたしが、奢るよ。」
リリは、申し出た。
「ありがとう。」
なんだか、申し訳ない気持ちになった。
電車に乗って、帰る。
ポムの街に帰って来た頃には、もう夜8時ごろになっていた。
家に帰ると、母と父に、叱られた。
心配したらしい。
「ごめんなさい。」
僕は、言った。
「いいのよ。よかったわ、何もなくて。」
母は、笑った。
「遅くなる時は、家に連絡くらい入れてくれよな、ま、無事でよかったよ。」
父は、僕の頭を撫でた。
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