魔王に襲われ世界は破壊されました。18年前のミーロ星に転生すると魔法が使えるようになってました。滅死壊を倒すために、PSE能力者、剣士、勇者、魔術師、令嬢、師匠を仲間にし魔法でジュースにして飲みます。
22 エマ・シンバス契約の儀式をし、エイレーネ団に加入した。
22 エマ・シンバス契約の儀式をし、エイレーネ団に加入した。
「おーい。そこの君いい!!!。みない顏だねえええ。こっち、おいでえええ。」
階段に囲まれた集会場の真ん中から、僕を呼ぶ声がきこえる。
アルトさんだ。
右手を大きく上げて手を振っていた。
アルトさんとシルクさんのいる、階段に囲まれた集会場の真ん中へ、急ぎ足で、向かう。
「お、リリちゃんも、いるじゃん、なに、なんなの、二人は、どういう仲なの?」
アルトさんは、リリに詰め寄った。
「ああ、同じ学校の生徒なんです。」
リリは答えた。
「へえ。でどうして、彼が、ここに。」
アルトさんは、きいた。
「どうやら、彼も、滅死壊がみえるようでしてな。」
シルクさんは言った。
「だろうね。」
アルトさんは、頷いた。
「どうも、はじめまして、ロネです。」
僕は、挨拶した。
「どうも、アルトだ。一応、S級団員だよ。」
アルトさんは、返した。
「で、ロネくんは、エイレーネ団に入るの?」
アルトさんは、続けた。
「入ります。」
僕は即答した。
入団すると、決めていた。
転生前のネロー星で、家族と恋人をめちゃくちゃにされ、星を滅ぼされた。
滅死壊とは、何なのか?
前世では、父との約束を守れず、家族と恋人を見殺しにし、無念に終わった。
二度目の命、次は、大事な家族を、友達を、人たちを、自分の手で、守れるようになりたい。
「ロネや、エイレーネ団は命を伴う危険な団。本当に、入団するのじゃな?」
シルクさんは、きいた。
「はい。」
僕は、返事した。
「いい目だね。気に入ったよ。私は。」
アルトさんは、豪快に笑った。
「わかった。」
シルクさんは、目を丸くして、僕をみていた。
「おおおおい!!!!。契約書、持って来てくれええええ。」
アルトさんは、奥の扉に向かって、大きな声で、叫んだ。
どこから、あんな大きな声が出るのだろう。
ガチャ。
しばらくすると、扉が開いた。
「相変わらず、うっさいわねえ、アルトは。持ってきたわよ、契約書。」
身長150cmほどの小柄な、女が、扉から出て来た。
肩出しベアの、白色のワンピースを着ている。
逆三角で、キリっとした表情をしている、アーモンド目で、緑の目をしている、小さめのギリシャ鼻に、小さな唇だ、
青色のまとまったストレートのミディアムヘアだ。
「で、誰が、新しい団員になるのかしら?」
女は、シルクの方をみて、きいた。
「この子だよ。」
シルクは、僕の方をみた。
「え。まだ、子供じゃないの。」
女は、言った。
「どうも。ロネです。」
僕は、挨拶した。
「ええ、どうも、パールよ。」
パールさんは、返した。
「ねえ。大丈夫なの。親とか心配するんじゃないの。ねえ。」
パールさんは、シルクさんと、アルトさんと交互にみて言った。
「能力者ってのは、そんなものじゃろ。儂の時も、そうじゃったわ。」
シルクさんは、答えた。
「確かに、私の時も、そうだったわ。」
パールさんは、返した。
「本当に、エイレーネ団に、入る覚悟があるのよね。一度、入団すれば、最後、二度と、元の生活には、戻れなくなるわよ。」
パールさんは、少し腰を屈めて僕に目線を合わせて言った。
「はい。」
僕は、言った。
「いい返事ね。」
パールさんは、にこりと笑った。
「にしても、彼、いい男ね。あの目が好きだわ、覚悟を感じる。」
パールさんは、アルトさんをみて言った。
「ははは。」
アルトさんは、苦笑いしていた。
アルトさんは、ワンピースの袖から、A4サイズほどの、薄茶色の紙を取り出した。
「はい、契約書。エマ・シンバスよ。」
パールさんは、僕に契約書を手渡した。
「ありがとうございます。」
僕は契約書を受け取った。
「エマ・シンバスは、血の契約書だ。」
シルクは、言った。
「血の契約書?」
僕はききかえした。
「自らの血で、自らの名を刻む事で、ミーロ星にエイレーネ団だと認められる。」
シルクは、答えた。
「???」
僕は、首を傾げた。
「ま、やってみればわかるじゃろう。」
シルクは言った。
「はい。針よ。これで、親指に傷を付けて、血で名を刻むといいわ。」
パールさんは、針を僕に手渡した。
「少し、痛むが大丈夫じゃ。」
シルクさんは、ナイフで、自分の親指を少し切ってみせた。
グサ。
親指に針を刺した。
ダラ。
親指から血が流れる。
ハート・A・ロネ
エマ・シンバスに血で名を刻む。
ピロロロローン。
「な、なんだ。」
僕は、思わず声を上げた。
身体の周りが、輝きだした。
黄金色の光が、身体を包み込む。
「加護を受けたのじゃ。ミーロ星に認められた、という事じゃな。」
シルクさんは、頷き、言った。
「強い、輝き。素晴らしい素質だわ。」
アルトさんは、驚きの表情を浮かべた。
やがて、光は収束した。
「なんだったんだ。あの光は、どういう原理なんだ?」
僕は、呆然としていた。
「エマシンバス。3000年程前から、ミーロ星に伝わる特殊な紙でね。星の中でも、ある一族しか作る事が出来ない、貴重なものなんだ、ちなみに原理は不明だ。」
パールさんは、答えた。
「へえ。」
僕は、唖然として、答えた。
「エマシンバスに、血で名を刻むと、アルブルの樹に、名が刻まれる。」
シルクは、話した。
「不思議ですね。」
僕は、返した。
「首の後ろを家に帰ってみてみるといい。アルブルの樹の紋章が刻まれている事だろう。儂の首の後ろにもついとる、みてみな。」
シルクさんは、ボサボサの黒髪の首後ろを上げた。
「ほんとだ。」
僕は、言った。
シュウゥゥゥゥ。
エマシンバスの契約書が、急にどこかへ、飛んで行ってしまった。
「待て!!!どこへいくんだ。」
僕は、手を伸ばした。
「大丈夫だよ。元の場所に、かえっただけだよ。」
パールさんは、言った。
「元の場所?」
僕はたずねた。
「集会場の、奥の部屋さ。あそこに、エイレーネ団員全員の、エマシンバスがどういった原理かは、わからないが、集まるようになっている。」
パールさんは、答えた。
「エマシンバスは、契約者が死ねば、光の粒になって消えてなくなる。命の量に伴って、紙が光の粒に変換され、小さくなったり大きくなったりするんだ。」
パールさんは続けた。
つまり、死んだ団員のエマシンバスは消えるという事だ。
「エマシンバスは、団員の生存確認にも使えるのさ。」
パールさんは、言った。
「次に、ランクじゃな。」
シルクさんは、口を開いた。
「おおおおおいい!!!メトルううううう。新団員が出来たんだ、ランクを測ってやってくれないかなあああ?」
アルトさんは、階段で、ポツリと座って話をきいていた、お兄さんの方に向かって叫んだ。
誰だろう?
団員が帰ってからもずっと、座ってボーとしている。
会場をみると、数十人しかもう、いなくなっていた。
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