魔王に襲われ世界は破壊されました。18年前のミーロ星に転生すると魔法が使えるようになってました。滅死壊を倒すために、PSE能力者、剣士、勇者、魔術師、令嬢、師匠を仲間にし魔法でジュースにして飲みます。
21 白い空間のエイレーネ団基地にて、第4万2000回 集会。
21 白い空間のエイレーネ団基地にて、第4万2000回 集会。
「やあ、やあ、リリくん。エイレーネ団基地へようこそ。そちら男の子は?」
黒の菱形文様の着物に、赤い袴、下駄を履いた、妙な男が、玩具屋から顏を出した。
ボサボサの黒髪で、目元に深い隈がある。
面長の顔で、目は切れ長な釣り目で、目のあたりが窪んだローマ鼻をしている。
「こんにちはシルクさん。彼も、みえるらしくて連れて来たんです。」
リリは、答えた。
「なるほどねえ。」
シルクさんは、僕をじっと、みた。
「どうも、ロネです。」
僕は頭を下げた。
「ロネくんねえ。ま、いいや、集会がはじまるよ。来るんだろ?」
シルクさんは、歩き出した。
サン・ピエトロ大聖堂のような、建物に向かっている。
「あの荘厳な建物が、集会場だ。」
シルクさん、は指さして言った。
「へえ。」
僕は答えた。
「今日は、あいつらちゃんと出席できるかねえ。」
シルクさんは、声を漏らした。
「あいつら?」
僕は、きいた。
「何でもないよ。来なかったら来なかったでいつもの事だ。」
シルクさんは、言った。
集会場の中に入った。
中には、既に、100人ほどの人が入っていた。
エイレーネ団というのは、結構、巨大な組織なのかも知れなかった。
ギリシャ建築風の柱の入り口を抜けて、集会場の中へ入る。
「わあ、綺麗だ。」
僕は、上を見上げた。
天井は高く、アーチ状になっている。
壁や天井の装飾は、光り輝いていて、草花や貝殻、動物、幾何学的文様がモチーフになっている。
10段程度の階段が、四角く中央を囲っていて、階段に100人程度の人たちが腰を下ろしていた。
壁には、巨大なモニターが吊り下げられている。
「あ、あ、マイク、オッケぇ?ダイジョブそ?」
女の声が、きこえる。
階段に囲まれた中央で、マイクを持った、女が話始めた。
赤のシャツワンピースを着て、赤紫色のボブカットをしている。
小顔で、卵顔をしている、目は、アーモンド目、筋の通ったギリシャ鼻と、小さな唇の女だ。
身長は、170cm程度で、結構高い。
中央をよくみると、シルクさんも、いた。
「今日は、忙しい中、集会に集まってくれてありがとねえ。司会のアルトだよお。一応、S級ですよッっと。」
アルトさんは、話し始めた。
「5傑の方々とビデオ繋ぎますねえ。」
アルトさんは、中央のテーブルの上に置いてあるパソコンを弄った。
「映るかなあ―、あ、映った。音入ってるう?」
アルトさんはモニターをみて言った。
モニターは、四方の壁に四枚あって、画面が5分割されている。
「今日もあかりさんは、欠席みたいですねえ。本当に実在する方なんですかね、ははは。」
アルトさんは言った。
「クロードだ。どうもよろしく。」
モニターに映る、猫のベネチアマスクをつけた男は言った。
僕が、3頭身の化け物に食われそうになった時、助けてくれた人に似ている。
「アヤネよ。よろしくね。」
モニターに映る女は、にっこりと笑った。
水色の肩ほどの長さのボブカットで、胸に青色のリボンのついた水色のワンピースを着ている。
顏は小さな卵顔、アーモンド目で、鼻筋がはっきりとしたギリシャ鼻、小さな唇をしている。
「フレデリックだ。よろしく。」
モニターに映る大柄な男は言った。
服は、ややオーバーサイズな濃いめな紺色のハーフジップパーカを着ている。
ひし形な顔で、半開き目、彫りの深いギリシャ鼻をしている。
「はい、どーも。エイレーネ団、団長のアーノルドでーすっうッ。元気にしてた?」
場の空気を明るくさせるような声で、モニター越しの男は言った。
見たことのある人だった。
僕たちが、戦う羽目になりそうだったゴリライオンを一撃で、倒した人だ。
「彼よ。ゴリライオンを倒した人。本当に実在してたんだわ。」
リリは、呟いた。
「シルクだ。今日の集会は、特設サイトや、メールでも送った通り、近頃の滅死壊の妙な動きについてだ。」
シルクさんは、マイクを片手に語り始めた。
滅死壊だって?
やはり、あの化け物どもは、滅死壊だったのか?
どうして、ミーロ星にも、ネロー星を滅ぼした、滅死壊がいるんだ、もうわけがわからない。
「どうしたの、頭抱えて?」
リリは、僕の顔を覗き込んだ。
「なんでもないよ。」
僕は返した。
「ここ、3カ月で、滅死壊との闘いで、戦死した者は、13名、行方不明者5名。実質18人のエイレーネ団、団員が犠牲になっている。」
シルクは、苦苦しく言った。
18人も死んだのか。
危険な団じゃあないか。
そりゃ、あんな化け物と戦うとなると、仕方がなくない気もした。
「一般人にも甚大な被害が出ており、2万5000人が既に死んだ。知っての通り、滅死壊は一般人にはみえない。」
シルクは、無念そうに言った。
「さらに、突然人がいなくなったり、街が破壊されても、一般人は、気付けない。自然災害や、事故のせいにされる、気付けるのは、能力者、超能力者、魔術師、神通力者のいずれかの素質のあるものだけだ。」
シルクは続けた。
「近頃は、ランクAや、ランクSの滅死壊も、ちらほらみかけます。大変ですよ。」
アーノルドさんはモニター越しに言った。
「まさしく、その事だ。もしかすると、考えたくもないが、大侵攻がはじまろうとしているのやも知れぬ。」
シルクさんは暗い表情で、額に右手を当てて、言った。
「大侵攻。かつての5傑のうち4人が戦死し、エイレーネ団の8割が壊滅した、あの恐ろしい―。考えたくもないわ。」
アヤネさんは、悲鳴にも近い声を上げた。
「げんに、滅死壊は、年々強力さを増し、戦死者も増えてきている。もう、すでに始まろうとしているのかも知れない。」
クロードさんは、冷静に分析した。
「自分のランク以上の滅死壊との戦いは、なるべく控え、すぐに、上位ランクの団員へ、救援を呼ぶようにするのじゃ。」
シルクさんは言った。
「ランクってなんだ?」
僕は、リリの方をみてきいた。
「エイレーネ団と滅死壊には、強さに応じてランクがあるのよ。一番下がEランクで、一番上がSSランク、SSランクの上に5傑がいるわ。」
リリは、説明した。
「へえ。」
僕は頷いた。
パンパン!!!パン!!!
「というわけで、今日の集会は開きじゃ。」
シルクさんは、手を叩いて後、言った。
「これにて、エイレーネ団、第4万2000回、集会を終了致します。グッド・ラックうううう!!!。」
アルトさんは、元気よく、集会終了を告げた。
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