19 ゴリライオンに襲われていた所を、颯爽と現れたパーマの掛かった緑のボブヘアの男に助けられる。

「エイレーネ団ってのはね、化け物どもから、ミーロ星を守るためにできた、秘密組織の事よ。」

 リリは、声を潜めて言った。




 「へえ。」

 僕は、返した。




 ピロロロン




 スマホの着信音らしき、音が、リリの方からきこえた。




 「こ、この音は。来るわよ。」

 リリは、身構えた。




 「来るって?」

 僕は、リリをみた。




 「化け物どもよ。ランクは、Cランクね、少し私じゃ厳しいかも。」

 リリは、制服の内ポケットからスマホを取り出すと、画面を確認して言った。




 「化け物って、まさか―。」

 僕は、息を呑んだ。




 ギャオオオオォス!!!!




 鼓膜を突き破るほど程の叫び声がきこえた。




 体長5mほどのゴリラの身体に、ライオンの顔をした、化け物がいた。




 「ゴリライオンよ。やるしかないわね。」

 リリは、身構えた。




 ゴリライオンの胸に、穴が開いた。




 一体、何が起こったんだ。




 ゴリライオンは、光の粒となって、宙へ消えていく。




 「やあ、やあ、君たち、元気してるかい?」

 男は、言った。

 



 丈の長い、白色の下地に、黒色のハッシュタグの模様のついた、レギュラーカラーシャツに、セミワイドのデニム短パンを履いている。




 足が細くて綺麗だ。




三角顏で、アーモンドのような大きな目に、筋の通ったギリシャ鼻で、薄い唇をしている。




 パーマの掛かった緑のボブヘアだ。




 男の周辺では、ボールと、壁が宙を浮いていた。




 「す、すごい、Cランクを一撃で倒すだなんて。速すぎて見えなかった。」

 リリは、驚いた様子で、目を見開いた。




 「じゃ、僕は行くよ。」

 男は、去っていった。




 「間違いない。本当に実在していたんだわ。」

 リリは言った。




 「あれは、一体?」

 僕はリリと顏を見合わせて言った。




 「詳しい話は、エイレーネ団の集会でわかるわよ。4月12日、土曜日に開かれるわ。あなたも、勿論来るわよね。」

 リリは、きいた。




 「うん。行くよ。」

 僕は答えた。


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