魔王に襲われ世界は破壊されました。18年前のミーロ星に転生すると魔法が使えるようになってました。滅死壊を倒すために、PSE能力者、剣士、勇者、魔術師、令嬢、師匠を仲間にし魔法でジュースにして飲みます。
14 三頭身の化け物に襲われた僕たちを助けたのは、猫のベネチアマスクの男でした。
14 三頭身の化け物に襲われた僕たちを助けたのは、猫のベネチアマスクの男でした。
「雪か。」
僕は呟いた。
しんしんと、雪が降り積もっている。
2029年、12月28日。
もう、5歳になっていた。
金曜日の早朝、午前5時ごろ
眠っている母の目を盗んで、紺色の防寒着のジャケットを着て、こっそり、外の庭に出た。
「えい。」
手に力を込める。
ポろろろろーんっと、林檎が、宙に現れた。
林檎を出したり、消したりする、謎の能力は、だいぶ、使いこなせるようになっていた。
「硬くなれ。」
僕は林檎が硬くなるように念じた。
宙に浮く林檎を触ってみる。
「カチコチだな。」
僕は呟いた。
林檎の硬度を、変化させることもできるようになっていた。
不思議な力だなあ。
家の壁についている木材で作られた枠の屋外時計をみる。
時刻は、7時を回ろうとしていた。
そろそろ、母さんが起きる時間だな、家に戻ろう。
「ロネえ、どこにいるのお。」
母が、僕を探す声がきこえた。
「ちょっと、庭で、雪遊びしてたよ。」
僕は、母の近くへ寄っていった。
「ああ、びっくりした。ロネ、おはよう。朝から元気ねえ。」
母は、眠たそうに目を擦った。
「おはよう、母さん。」
僕は返した。
「今から、朝ごはんつくるわね。」
母は、一階のリビングダイニングキッチンへ向かった。
朝ごはんを食べる。
目玉焼き、食パン、鶏ガラスープ、ベーコン、レタスと、小松菜のサラダだ。
「父さんは?」
僕はきいた。
「最近は、新しい、果樹の実験で、研究室に、籠りっぱなしだからねえ。」
母は、返した。
家に、研究室があるのだ。
僕は、一度も中に入れてもらった事がない。
ご飯を食べ終わった。
テレビをみつつ、母と駄弁っていた。
「おはよう。」
父が、ダイニングリビングキッチンに、入って来た。
「おはよう。」
僕は返した。
「調子はどう?」
母は、きいた。
「そこそこだよ。」
父は、笑った。
父は、朝ごはんを食べ終わった。
「外の果樹の様子もみないとな。」
父は、洗面所で歯を磨くと、服を着替えて、玄関から、外に出た。
「大変だねえ。」
僕は、言った。
「あれが、仕事だからねえ。」
母は、返した。
「私も、やることしないとね。」
母は、言った。
母は、ファッションデザイナーで、デザイン画を描いたり、パターンを作ったり、ドレーピングして、試作品を作ったりしているのだ。
ガチャ。
「外で遊んでくるよ。」
服を着替え、歯を磨き、防寒着を来て、外に出た。
庭を抜けて、街に出た。
街の歩道を散歩する。
僕の住んでいる街は、ポムという名前だ。
近頃を、街を散歩する事が日課になっていた。
特に変わったことはない。
家がポムの街の中でも、都心ではないし、山に囲まれている。
歩いて十分程すると、買い物のできる店や、遊べる場所、住宅が目立つようになる。
辺りの風景は、ネロー星と、似通っていて、懐かしさを感じる。
綺麗な街だ。
ドッカーン!!!
大きな音がした。
厭な予感がする。
歩いている直ぐ、隣の建物が急に爆発した。
「ひええ。」
思わず、腰を抜かして、転がる。
ニュロロロロ。
頭の右側に、折れ曲がった角が生え、左側に、まっすぐに伸びた角の生えている、手が長く、足の短い、紫色の3頭身で、身長3mほどの化け物が、立っていた。
「まさか―。」
目を疑った。
壊滅死か?
どうして、ミーロ星にいるんだ。
「えええええんんんんんっ。」
小さな、女の子の泣き声がきこえる。
僕と、同じくらいの歳の子供だ。
三頭身の化け物は、女の子を右手で、持ち上げた。
「ぐへへ、美味しそうだねえ。ベロォ、チュゥう、ジュるゥ。」
三頭身の化け物は、女の子をベロベロ、長い舌を出して、舐めまわした。
涎が垂れている。
くっさそうだ。
可哀そうな女の子。
女の子の目は絶望で光を失い、死んでいた。
「や、やめてよ。」
女は涙を流した。
「やめろおおおおおお、バカ野郎おおおお!!!!ミヨを離せえええ!!!。」
叫ぶ、勇敢な男の子の声がきこえる。
声の方をみると、僕と同じくらいの歳かと思われる男の子が、化け物を睨みつけていた。
「なんだ、うるさいガキだなあ、殺すぞ。」
化け物は、男の子の方を向いた。
左手で、首を掴んだ。
「ん、んんっ。」
声にならない、苦しい悲鳴を上げる男の子。
「ふふ、いい顔だよおお。」
化け物は気味の悪い笑みを浮かべた。
どうすればいいんだ。
見過ごすのか?
僕は―
「やめろおおお、お下劣、ブス野郎の、おたんこなすうううう。」
僕は、叫んでいた。
「誰が、お下劣ブスおたんこなすだってえええ!!!」
化け物は、怒りの混じった声を上げた。
僕の方をみた。
あら、でもずいぶん、かわいい子ねえ、後で食べてあげるからねえ。」
化け物を僕をみると、気味の悪い笑みを浮かべた。
あ、終わったなこれ。
どう、戦えばいい。
今の僕に何ができる?
そうだ!
「えい。」
僕は林檎を出した。
林檎が宙に浮いている。
「林檎をどうするんだね。」
興味深そうに、宙に浮く林檎を化け物はみている。
よし、完全に油断しているぞ。
「硬くなれ。」
僕は、林檎を、できる限りの硬くした。
「貫き、吹き飛ばせ。」
今できる、全速力で、化け物目掛けて、林檎を飛ばした。
ビュウウウウウゥンっ。
ドバっ!!!
「うわああああああ、目があああ、ガは。」
化け物の顔面に命中した。
化け物は吹っ飛んだ。
化け物は顏を抑え、転がり散らした。
ドスっ。
男の子と女の子は、化け物の手から、離れ、地面に落ちた。
「よくも、やってくれたね。」
化け物は、怒り、立ち上がった。
全く効いてなかったようだ。
化け物め。
「お前ら、皆殺しじゃああ!!!。」
化け物は、目を大きく見開いた。
目が輝き出す。
厭な予感がする。
ピカっ。
ズドドドドド―ン!!!
目から、強烈な光線が出て、辺りが真っ白になった。
爆音が轟く。
あ、死んだな、こりゃ。
目を閉じた。
甘い林檎の果実の匂いがする。
あれ、生きてる?
柔らかい、果実に守られていた。
巨大な林檎の中にいた。
なんだ、こりゃ。
無意識の内に、巨大で弾力のある林檎をつくりだし、光線から、身を守っていたのだ。
男の子と女の子も林檎に守られ無事な様子だ。
「奇妙な力を使いやがってええ。」
化け物は僕たちをみて、地団駄を踏んだ。
シュ
化け物は高速で移動して、僕の目の前に現れた。
「まずは、お前からだ。」
化け物は、僕に襲いかかろうとした。
あ、終わったな。
シュパ、グサ、グサ、グサ、グサ、グサ、―。
「え?」
目を疑った。
化け物の身体に、無数のナイフが突き刺さっている。
猫のベネチアマスクに、黒いマント、赤いタキシードを着た、奇妙な男が、立っていた。
「さっさと、くたばれ、ゴミ屑がっ。」
吐き捨てるように、猫のベネチアマスクの男は言った。
化け物は光の粒になり、消えていった。
「大丈夫かい。」
猫のベネチアマスクの男は僕をみた。
「はい。ありがとうございます。」
僕は頭を下げた。
「いいんだよ、これが仕事だからね。」
猫のベネチアマスクの男は、笑った。
「じゃ、またね。」
猫のベネチアマスクの男は、颯爽と消えていった。
なんだったんだ。
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