魔王に襲われ世界は破壊されました。18年前のミーロ星に転生すると魔法が使えるようになってました。滅死壊を倒すために、PSE能力者、剣士、勇者、魔術師、令嬢、師匠を仲間にし魔法でジュースにして飲みます。
10 2023年???ミーロ星???知らない星に、産まれ変わったみたい。
10 2023年???ミーロ星???知らない星に、産まれ変わったみたい。
「退院おめでとうございます。」
医者の男は、言った。
「おめでとうございます。」
助産師の女は、花を贈った。
「ありがとうございます。」
母は、笑った。
僕は、母に抱っこされ、病院を出た。
ブウン。
車が、待っていた。
「さあ、乗って。」
父だ。
母は、僕を後部座席のチャイルドシートに乗せて、隣に座った。
車に揺られている。
外の景色がみたいが、首が据わっておらず、チャイルドシートに固定された状態では、みれない。
しばらくして、車が止まった。
「付いたぞお。」
父は、車から降りた。
「ここが、私たちの家だよお。」
母は、僕をチャイルドシートから降ろして、抱き上げた。
車の外から、甘い果実に香りがした。
いい匂いだ。
母に抱っこされて、外をみると、果樹園が広がっていた。
広い、広大な土地だ。
林檎、蜜柑、葡萄、梨、檸檬、さくらんぼ、すもも。
様々な果樹が、立ち並んでいた。
ビニールハウスで育てられている場所もある。
思っていたより、外は寒い、冬だろうか。
しかし、変だ。
旬の季節の異なる、果物がどうして、同じ時期に、実っているのか?
わからない。
青い林檎、黄色い林檎、紫の林檎???
奇妙な色の林檎が実っている。
もしかすると、この世界は、転生前の世界とは、違うのかも知れない。
家は、豪邸だった。
白い洋館で、貴族が住むような城であった。
左右対称で、バロック式建築のようであった。
シュヴェル二ー城や、シャンボール城に外観は似ていた、大きさは十分の一程度で、三階建てだ。
庭は、フランス庭園になっていて、外に果樹園が広がっている。
金持ちなのか、僕の親は―。
家の中に入ると、豪華で絢爛な装飾は殆どなかった。
機能性に富んだ家だった。
広い玄関があって、明りは、LEDの蛍光灯であった。
壁の色はお洒落で、ライトグリーンや、ネオン、ブラウンであった。
部屋の数は、どれくらいあるだろうか。
行く、所どころに、服や、布が飾られていた。
母に抱きかかえられた状態で、通路を通っていた。
階段を上り、三階の通路に出た。
母と父と僕は、お洒落な、水色の扉を開けると、広い寝室に入った。
大きなベッド一台と、普通のサイズのベッドが二台ある。
テレビとソファが置かれている。
白い壁に、天井の部屋だ。
パッ、シャァアア。
「いい日差しね。」
母は、窓のカーテンを開けて、日を浴びた。
窓からは外の景色がみえて、ベランダにつながっている。
「だね。そろそろ、僕は仕事に戻るよ。」
父は、部屋を出て行った。
「一緒に寝ましょうか。」
母は、僕をベッドに寝かせた。
「父さんは、この家の果樹園の経営者なのよ。」
母は、言った。
ききたい事が山ほどあるが、生憎、今の僕は、発音する事が出来なかった。
赤ちゃんってのは、不便だなあ。
しばらく、母と一緒にベッドで寝ていた。
途中で、腹が痛くなった。
トイレだ。
赤ちゃんというのは、不便だ、オムツにするしかないのだ。
ブチュ、ブリ。
あ、出ちまったな。
悪い母ちゃん。
「くさ。やったな。」
母は、顔を少し歪ませた後、笑った。
「オムツ替えまちゅよお。」
母は、僕のオムツを取って、新しいオムツに付け替えた。
僕は、オムツを替えてもらうのに、抵抗もせず、じっと、していた。
「ロネは、賢いわねえ。赤ちゃんにしては、物分かりが良すぎな気がするわ。」
母は、僕の様子をみて感心した様子だ。
ごめんね、かあさん。
「できまちたよお。じっとできて偉いでちゅねえ。よちよちい。」
母は、僕の頭を、撫で撫でしてくれました。
オムツを替えてもらっただけで、撫でられる自分って―。
でも、いいか、赤ちゃんなんだし、褒めてくれる母親でよかった。
昼になると、母のおっぱいを吸った。
おっぱいの味は美味しく感じられた。
甘くて、まろやかだ。
「よちよちい。」
母は、僕が、おっぱいを吸うのを、じっとみて、身体を支えてくれた。
ごめん、母さん、おっぱい、いただいてます。
赤ちゃんになって気づいた事だが、やはり、母親というのは、偉大だ。
夕方になると、父の声がきこえた。
「ご飯できたぞお。」
どうやら、夕飯を作っていたらしい。
母は、僕を抱っこして、下の階に降りた。
リビングとキッチンのある、部屋に入った。
いい匂いがするが、もちろん、赤ちゃんの僕は食べられない。
「さあ、座ってポーラ、もう出来てるよ。」
父は言った。
「いつもありがとう。」
母は、父に感謝の言葉を述べると、椅子に座った。
仕事を終えて、僕のお守りをする、母の為にご飯を作っていたのだろうか。
なかなかに、できた男だと思った。
両親がご飯を食べている間、僕は、母さんの服の中にいた。
「しかし、全然泣かない子だな。」
父は、不思議そうに言った。
「ええ、でもとても元気よ。赤ちゃんの落ち着きだとは思えないけれど、不思議な子ねえ。」
母は、僕を撫でで言った。
「まあ、でも、こんなにかわいいんだ。かわいいし、利口だなんて、いい事だ。」
父は、嬉しそうに誇らしそうに言った。
「そうね。」
母は、返した。
あまり泣かないとは言っても、さすがに、身体が赤ん坊になっているだけはあって、ちょっとした事で、感情が制御できず、声を上げてしまうことはある。
身体が小さく、脆い赤ちゃんの身体では、ちょっとした事でもコワいし、両親の助けなしには、生きていけないのだ。
両親は食事を終えた。
「ねえ、風呂、沸けてる?」
母は、風呂場をみていった。
「沸けてるよ。」
父は言った。
「あたし、先、入るわよ。ロネの面倒みててね。」
母は、僕を父に手渡した。
「ああ、勿論さ。」
父は、僕を受け取った。
「ロネえ、いい子だぞお。父さんが抱っこしてやるからなあ。」
父は、僕を優しく抱っこして、揺らした。
父さんは、僕を抱っこして、優しく撫でた。
しばらくすると、母が風呂から上がり交代した。
父さんも風呂を上がった。
「ロネもお風呂入るか。」
父は言った。
「沐浴ってやつね。」
母は、返した。
ポチャン。
赤ちゃん用のバスタブの中に、入れられた。
気持ちい。
優しく、身体を洗ってもらった。
「大人しい子ねえ。」
母は、言った。
「いい子だ。」
父は、にっこり笑った。
風呂を上がると、パジャマに着替えた。
寝室に入った。
母は僕を大きなベッドの真ん中に降ろした。
母と父もベッドに寝転んだ。
母が右横で、父が左横で、僕が真ん中になっている。
母と父に挟まれて、僕は、布団にくるまれた。
「おやすみ、ロネちゃん。」
母は、僕に優しく触れた。
僕は、眠りについていた。
次の日の朝。
「いい天気ね。」
母は、僕を抱いて、外に出た。
外では、父が、仕事をしていた。
果樹園をみていた。
白く丸い球体の顔に、水やり如雨露と、草刈鎌、肥料遣り、土耕し、実を採れる形態に変化できる手が、ついた、車輪の足で動く、ロボットが、果樹園の仕事をしていた。
凄い、ロボットだ。
ネロ―星にいた時には、なかった―。
愈々、生まれ変わった時代と、場所が、わけわからなく、なってきた。
「いつ、みても凄いロボットねえ。父さんが開発したのよ。」
母は、微笑んだ。
どうやら、父さんはエンジニアらしい。
「父さんは、いろいろ作るのが得意でねえ。バイオテクノロジーが専門らしいわ、まだ赤ちゃんの、あなたに言ってもわからないか―。ふふふ。」
母は、言った。
未だに僕は、寝返りを打つことはおろか、首が据わってないため、首を持ち上げる事さえできなかった。
テレビで、放送されているコマーシャルも、街もニュースも、ききおぼえのないものばかりだった。
「ミーロ星から打ち上げられた人工衛星 星夢 は、無事、大気圏を抜け、軌道に乗りました。」
ニュース番組で、ミーロ星と、いう言葉が出て来た。
ミーロ星?
きいた事のない星だぞ。
僕の住んでいた星と違う。
愈々、違う星に転生した事に気が付いた。
「2023年12月3日、日曜日のニュースをお届けします。」
テレビから、声がきこえる。
産まれた日から逆算すると、11月29日が僕の誕生日ならしい。
2023年???
僕が、生まれ変わる前は、2041年だったぞ?
時代が巻き戻っているのか―。
わからない、同じ暦を使っているとも、限らない。
同じ言語を使っている事だけは確かだ。
僕は生まれた瞬間、助産師さんや、両親が話す事を、理解できた。
謎は、深まるばかりだ。
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