魔王に襲われ世界は破壊されました。18年前のミーロ星に転生すると魔法が使えるようになってました。滅死壊を倒すために、PSE能力者、剣士、勇者、魔術師、令嬢、師匠を仲間にし魔法でジュースにして飲みます。
9 おぎゃああ! 転生!? 僕の名前はハート・A・ロネ
ミーロ星に転生!? ロネ誕生から6歳まで
9 おぎゃああ! 転生!? 僕の名前はハート・A・ロネ
あたたかい。
死んだんじゃなかったのか?
優しい声がきこえる。
ロネ?
誰の事だろう―。
どれくらいの時が経ったのか、わからない。
あたたかく、心地よい、水の中で、守られていた。
「痛い、痛い、うう。」
女の、苦しそうな声がきこえた。
「もうすぐですよお。」
女を励ます、別の女の声がきこえる。
「おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ。」
ん?おぎゃあ???僕、何言ってんだ。
前がみえない、目が開かない。
不思議な感覚を覚えた。
優しい手が僕を撫でた。
頑張って目を開ける。
僕を抱きかかえる女と、僕と女の姿を見守る男がみえた。
「産まれたのか。」
男の幸せそうな、歓喜の声がきこえる。
誰だ、この人たちは???
僕は、生まれ変わったのか。
「元気な男の子ですよお。」
女の声がきこえる。
助産師か。
僕は、母親の胸の上で、おぎゃあ、おぎゃあ、と泣きながら呆然としていた。
何が起こっているんだ。
しばらくすると、助産師の女は、僕を抱きかかえ、機械装置のついたベッドの上に乗せた。
知っている、本でみたことがある。
インファントウォーマーだ。
生まれたばかりの赤ちゃんの体温を温める為の装置のついた、ベッドだ。
あったまるなあ。
助産師の女は僕を隈なく、チェックした。
聴診器を取り出すと、僕の胸に当て、心音と心拍を確認した。
「大丈夫だね。」
助産師は、うなづいていった。
体温計を取り出すと、僕を仰向けにした。
ブスッ。
あんっ。
尻穴に、体温計を刺された。
僕は犬か!?
心の中で突っ込んでしまった。
そういえば、本で読んだ事があるが、赤ちゃんの体温は、肛門から測るんだったっけな。
「37度1分、うん、平熱ね。」
助産師の女は、体温をみて、うなづき、笑った。
助産師の女は、メジャーで、僕の頭周りと、胸周りを測り、目薬を差した。
確か、目薬は感染症対策だったっけ。
急に眠たくなって寝た。
インファントウォーマーのベッドで、一日を過ごした。
次の日、男の医者が来て、診察された。
「元気な子だ。」
男の医者は、にっこり、笑った。
みかん、のような味のする、シロップを飲まされた。
ビタミンKの不足による、出血症の予防で、ビタミンKシロップとかいう、のを生後一日目の赤ちゃんに飲ませる事があるというのを、思い出した。
医者からの診断を終えると、母のいる、入院室に移動した。
母は、僕をみると、にっこり、笑った。
母の手は優しかった。
抱っこをされ、母の寝転んでいる、横にきた。
まだ、首も据わってないし、もちろん、歩くことも、話すこともできない。
「かわいいねえ。」
母は、僕の手を優しく指で摘まんだ。
頬を摺り寄せた。
「君の名前は、ロネだよ。ロネ、まだ、わかんないか―。」
母は、僕の方をみつめた。
「私は、ポーラ。ハート・A・ポーラ。君のお母さんだよ。よろしくねえ。」
母は、微笑んだ。
ポーラというのか。
素敵な人だ。
母は、出産後で、疲れている様子だった。
「ポーラ!!!」
父が、入院室にやって来た。
「あなた。」
母は、父をみた。
「ロネの様子は、どうだ。」
父は、心配そうに、僕を覗き込んだ。
「ええ、元気よ。かわいいわ、かわいすぎてコワいくらいよ。アイドルや俳優になってもおかしくないくらいよ。」
母は、冗談半分で、笑った。
「ははは。にしても、可愛すぎるな、よしよし。パパだぞぉ。」
父は、僕を抱っこすると、優しく、揺らした。
「父さんは、ルルっていうんだぞお。ハート・A・ルルだぞお。よろしくなあ。生まれてきてくれてありがとうなあ。」
父は、僕を抱っこしながら、涙を流していた。
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