8 死にました。

 ドッカーン



 

 バコーン、バン、バン、ドゥシュゥゥゥゥゥ




 凄まじい、爆音と、あたり一面が見えなくなるほどの明るさで、覆われ、身体中が爛れるように、熱い。




 死ぬのか。




 ブレイク大統領の、水爆攻撃は、想像以上の威力だった。




 「僕たちの、結界があと、どれくらい持つか。」

 超能力者の男は、苦しそうに言った。




 普通だったら死んでいるのだ。



 

 超能力者の男と神通力者の女の結界で、僕たちは、生きていた




 「地下施設の一体すべてを、結界で守りながら戦うのには、無理があるかも。」

 神通力者の女は言った。




 「厄介なのは、放射能だ。」

 魔術師の男は、頭を悩ませた。




 「くっ。小癪な、わしの水爆を、結界ごときで、弾くとは、やるのお。」

 10分程度の爆撃を終えると、ブレイク大統領は、攻撃の手をやめた。




 流石の、ブレイク大統領といえど、体力があるらしい。




 「攻撃の手は止んだが、どうやって、結界の外に出ればいい、放射能で汚染されてるよ。」

 神通力者の女は、言った。




 悩んでいた。




 ズドーン!!!




 「とりゃああ。愛の魔法少女の見参よ!!!」

 魔法少女のお姉さんが、ブレイク大統領の頭、目掛けて、蹴りを入れた。




 援軍に駆けつけたのだ。




 「どうして、放射能に、毒されない。」

 ブレイク大統領は、驚愕の目で、魔法少女をみた。




 「愛の魔法で、浄化したのよ。」

 魔法少女のお姉さんはウィンクした。




 「魔法少女め。」

 ブレイク大統領は、嫌悪の眼差しを魔法少女のお姉さんに向けた。




 ピカーン




 眩しい光が、ブレイク大統領の身体を突き抜けた。




 ゴロロロロロ、シュパーン




 雷鳴が鳴り響いた。




 「な、なんの音だ。」

 ブレイク大統領の方をみる。




 ブレイク大統領は真っ二つに斬れていた。




 「どうも、ちょっと斬っておきました。えへへ。」

 謙虚に、髪の毛を触りつつ、頭を下げる、勇者の男の姿が、みえた。




 凄まじい威力の斬撃だ。




 ニュロロロロ。




 「喰らわないね。なんだ、今の斬撃は。にひひ。」

 ブレイク大統領は、頭から真っ二つに割れた、身体の顔で、ニヤニヤ、笑った。




 「ふ、不死身か、こいつは。」

 僕は、ブレイク大統領の不気味な様子に、恐怖の心を抱いた。




 ニュロロロロ、バチ。




 ブレイク大統領の真っ二つの斬られていた、左右がくっついた。




 「相変わらず、気色の悪い化け物だぜ。」

 魔術師の男は、気味が悪そうに、言った。




 「開け、風穴。」

 魔術師の男は、杖を振るった。




 音もなく、ブレイク大統領の、胸に風穴が開いた。




 「え。」

 ブレイク大統領は驚愕の表情を浮かべた。




 胸の風穴に、身体が吸い込まれて、なくなっていく。




 「ひええ。」 

 ブレイク大統領は、情けない声を上げる。




 ビュイン、ビュイン、ビュイン、ビュイン。




 「えい。」

 魔法少女のお姉さんは、両手でハートの形をつくると、ハートのビームが出てきて、ブレイク大統領目掛けて、ハートのビームが飛んで行った。

 

 

 

 ボっ。

 



 「燃えろ。」

 超能力者の男が、指パッチンすると、ブレイク大統領の身体に、火がついて、燃え続けた。




 「どりゃあ。」

 勇者の男が、拳を握り、力を込めると、宙に巨大な剣が現れた。




 「飛んでけえ。」

 勇者の男が、思いっきり、ブレイク大統領にむけて、腕を伸ばした。




 ドシュゥゥゥゥンンン




 巨大な剣が、ブレイク大統領に向かって、閃光となり、駆け抜ける。




 「あたしは、何もしないわよ。攻撃は得意じゃないの。」

 神通力者の女は、4人の攻撃を眺めて、言った。




 「凄い、これなら、勝てる。」

 僕は、勝負の行く末を見守っていた。




 「すっごい威力ねえ。」

 神通力者の女は、他人事のように呟いた。




 「ふう、やったか。」

 魔術師の男は、額の汗を手で拭って言った。




 静かだ。




 静まり返っている。




 ブレイク大統領の姿はなかった。




 バラバラの木端みじんになったのであろうか。




 「な、なんだ、あの黒い霧は。」

 ブレイク大統領の、いた場所に、黒く悍ましい霧が立ち込めていた。




 「厭な予感がするよ。背筋が凍り付くような悍ましさを感じる。」

 魔法少女のお姉さんは、身を振るわせていた。




 霧は濃くなり、密度が高く黒く、暗くなっていく。




 黒い穴が開いた。



 

 穴から、凄まじい気を持った、身体中が恐怖で寒くなる程、悍ましい、何者かが、ニョロりと出て来た。




 「ギいいいいいいいい。#$%’W&あLDお39hfs。」

 うめき声がきこえる。




 心臓をつんざくような、痛ましい悲鳴だ。




 「殺す、コロス、滅、殺、死、灰、終、しいぎゃく、キル、ちゅう、呪、りゅうえい、スコトノ、スパオ、タナトス、ウチィデレ、魔。」

 悍ましい化け物は、破滅と破壊の言葉を口にした。




 音もなく、あたりで凄まじい破壊と破滅がはじまった。




 「だめだ。結界が、持たない。強すぎる。」

 神通力者の女は、苦しそうに顔を歪めた。




 「ああ!!!」

 神通力者の女は吹き飛ばされた。




 「うわあ。」

 超能力者の男も、転げた。




 結界が破られた衝撃で、超能力者の男と神通力者の女は、ダメージを受けた。




 辺りを見渡すと、地獄だった。




 人々は、次から次に、破壊され、滅された。




 「家族は、杏桜衣は、大丈夫か?」

 僕は、走った。




 「母さん、姉さん、亜衣梨、朱一、杏桜衣。」

 名前を呼ぶ。




 「あ、え。ああああああ、どうしてなんだよおおおお。」

 家族と恋人の死体が転がっていた。




 死体は、やがて、灰になり、破壊されて、滅した。




 叫ぶ事さえ、できない。




 ただ、抜け殻のように、呆然としていた。




 魔術師のお兄さんは、どうなった。




 あの人たちだったら、勝てる、大丈夫なはず―。




 僕は、戦いの様子をみに、戻った。




 「え。」

 気付くと、僕の身体は、灰になり、ボロボロになっていた。




 「龍一くん。」

 魔術師の男の僕を心配する声がきこえる。




 龍一くん、龍一くん―、君だったら―、




 あ、死んだな、これ。




 死ぬことくらいわかる。




 さようなら、僕の人生、まだまだ、やりたい事があったな、父さんとの約束も、果たせなかったな。




 くそっ。


______________________________________

最後まで、読んでくださり、ありふぁとうございます。


龍一が死んでしまいましたね…


次話から、愈々いよいよ、異世界転生です。


よければ、★とか、つけてくださると、助かります。


ドラゴンノベルス小説コンテストにも参加しているので、みんなで、魔王に襲われ世界は破壊されました。を盛り上げましょう!!!


どうか、よろしく、お願いいたします。




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