魔王に襲われ世界は破壊されました。18年前のミーロ星に転生すると魔法が使えるようになってました。滅死壊を倒すために、PSE能力者、剣士、勇者、魔術師、令嬢、師匠を仲間にし魔法でジュースにして飲みます。
2 魔術師は、僕をケンタウロスの化け物から、助けた。
2 魔術師は、僕をケンタウロスの化け物から、助けた。
食われちゃうのかな。
いい人生だったと言えるのか、いいや、言えない、まだまだ、これからの人生だ。
終わりたくない。
気色の悪い、音で、くちゃくちゃ、人肉を咀嚼する音がきこえる。
ケンタウロスの化け物は、次の獲物を僕に定めて、じっと、黒い目でみながら、口の中にある、誰かの腕を、右手に持ってムシャムシャと咀嚼していた。
「じゃあ、食べちゃおーっと。ニヒっ。グヘへええ。」
ケンタウロスの化け物は涎を垂らしつつ、僕の方へ、ヌメヌメと近づいてくる。
ケンタウロスの化け物は、腕を伸ばし、僕を捕まえようとした。
「あああああああああああああ。」
僕は叫んだ。
死んでたまるもんか。
僕は、地面に落ちていた、木の枝を咄嗟に手に取って、ケンタウロスの化け物の右目に向かって、突き刺した。
「・・・、ざんねーん。僕たちに、この世界の攻撃は通用しませーんん。ブヒヒヒヒヒ。」
背筋が凍りつくような悪寒のする、けしょくの悪い笑みだった。
助けて、誰か僕を助けて。
縋るような気持ちで祈ることしかできない。
ついに、ケンタウロスの化け物に身体を捕まれて、終わったと思った、瞬間だった。
パチン。
指パッチンの音がきこえた。
すると、ケンタウロスの化け物は爆発して、色とりどりの美しい花々が咲いた。
「雑魚の癖に、人を喰らいやがって、人槍馬が。大丈夫かい、君。」
男は、奇妙な杖を持っていた。
杖の先には赤く輝く宝石が、埋め込まれている。
服装も、現代社会では稀にしかみない魔法使いのコスプレのような黒いローブを身に纏っていた。
「大丈夫です、助けてくださってありがとうございます。あなたはいったい―、」
僕は、深々と頭を下げ、礼を言って、たずねた。
「ちょっとした魔術師さ。化け物ども相手には、魔法か超能力か、神通力でしか攻撃できない。俺はこの星を、守りたいんだ。」
男は、答えた。
「魔術師がいるだなんて、驚きです。ネロ―星は大丈夫なのでしょうか。」
僕は、言った。
ネロ―星、僕たちの住んでいる星の事だ。
「大丈夫にしなくてはならない。その為に、魔術師や超能力者、神通力者がいるのだから。」
男は、コワいくらい、真剣な眼差しで、言った。
「へえ―。じゃ、どうか、ネロ―星を救ってください。」
僕は、お願いした。
「おうよ。君も様子をみるに、化け物どもの姿がみえるらしいじゃないか。魔術師か超能力者か、神通力者の才能があるのかも知れないね。ま、使わないに越したことはないのだがね。」
男は、僕の瞳をじっくり、観察して言った。
「うん、いい目だ。澄んだ瞳をしている、君だったら、きっと―、。」
「きっと、なんですか。」
僕は、きき返した。
「いいや、なんでもない。カッコつけたかっただけだ。」
男は照れ臭そうに、頭を掻いて、言った。
よく、わからないことをいう男だと思った。
「僕、家族と恋人に会いたいんです。心配で、15㎞ほど離れた都市部から郊外まで森を歩いて来たんです。」
僕は、言った。
「ああ、なるほど。郊外は大丈夫だよ、殆どの人は、俺たちの用意した地下に、避難させてある。念のため、君の家まで送るよ。」
男は、親切に申し出た。
家に行く途中、化け物どもに襲われたが、男は奇妙な魔術で、撃退した。
「ちなみに、化け物どもだが、あいつらは、滅死壊という生き物の成れの果てだ。詳しい事は言えないが、《滅死壊》という名前だけでも、覚えておくといいかもな。」
男は、道中で、化け物の呼び名について、話した。
「へえ、滅死壊ですか、そりゃ物騒な名前ですねえ。」
僕は、返した。
「あぁ、物騒な奴らだ。」
男は額に手を付けて、憂鬱な雰囲気を出した。
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