第6話 天上天下唯我独尊
舞台は整った。
1Kの部屋には100万人ものブッダがひしめき合った。
涅槃ブッダは尋ねた、
「釈迦如来様、始めてもよろしいですか?」
「いや、まて……」
「しかし……時間が……」
「役者が揃ってないではないか!」
「え?」
「ほら、おいでなすった。もう二人とも遅刻ですよ!」
「ごめん、ごめん」
「え?! 大日如来様と薬師如来様??」
「涅槃ブッダ君、ブッダの皆様ごめんなさい!」
「釈迦如来様・大日如来様・薬師如来様が揃われた!!!」
小さくなったブッダ達は響めいた後、ウェ―ブで歓迎の意を示した。
「よし、いいだろ。始めてくれ」
3如来、100万人のブッダに出向いていただいたにも関わらず涅槃ブッダに臆するところはみられなかった。
「天上天下唯我独尊とは釈迦如来のお言葉である。この言葉、今日から我がものとす。
今、私達が守りたもう、すべてのものが壊滅される事態に瀕している。今こうして話している時間も惜しい。なぜなら最も近い惑星は24時間後には消滅してしまうからだ。
敵は西方にあり。陣形は鶴翼を取り、これより攻め込む。
倒すべきは……
阿弥陀仏だ」
「まて、最初の衝突までに間に合うのか?」釈迦
「ぎりぎりだね」薬師
「そんなリスクは負えない」大日
「たどり着かなくてもみんなのパワーで光を跳ね返せます。行かせてください」涅槃
「どうする?」釈迦
「あれを使うしかなかろう」薬師
「ワープだね」大日
「ワープ???漫画のやつ?」涅槃
「そうだ。漫画のやつだ!」釈迦
「釈迦如来様、そんなのあるなら始めに言ってください?!」涅槃
「そんなことしたら私達の存在価値がなくなる」釈迦
「ビックバンが起こればすべての存在価値もなくなるぞ」大日
「涅槃ブッダ君の考えは間違ってないからね!」薬師
「これから3人で時空に歪みを作る。その歪みを目指してみんな飛んでくれ。そうすれば第1惑星にたどり着く。しかし我々3人がたどり着くのはワープの力の消耗により24時間後だ。第1波を凌ぐのはみんなの力だけがたよりだ。宜しく頼む」釈迦
「わかりました。ブッダの皆様もご同意いただけますか?」
「お~お~い」
「ありがとうございます!」
「薬師如来、大日如来やりますか!」
「なんか懐かしいね。うまくできるかな?」薬師
「本当だね」大日
3人、手を繫ぎ輪になり力を集め始めた。
そしたら空にぽっかりと穴が空いた。
「いざ、参らん」釈迦・薬師・大日
「うおおぉぉ~」
ブッダ達は武功を挙げまいと先んじて穴に飛び込んで言った。
「モグ、いくぞ!僕の傍から離れるな!」
「はい」
涅槃ブッダとモグも100万ものブッダの後に続いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます