第5話 メンテナンス終了
「涅槃ブッダ様。おはようございます!」
「おはよう。あれ?どうしたの?」
そこには頭を丸め、髭をきれいに剃った閻魔大王がいた。
「いや、なんとなくです」
「地獄絵図とイメージが代わってくるな」
「すいません」
「ぜんぜん大丈夫!」
「早退させてもらいましたのでかなり疲れが取れました」
「そうか、それは良かった。それじゃ仕事引き継ぐよ。書類の3/1は燃やした。それからペンディングになっていた10万の案件は全て決裁した。デスクワーク機器を送るから今後はペーパーレスでデ-タ管理してくれる」
「燃やさらたですか……」
「だってお前、10年見てない書類を見返すことあるか?」
「……いや、ないですね。わかりました。
データ管理やってみます」
「うん。久しぶり徹夜したぞ!」
「すみません」
「それじゃ、昨日お願いした件たのむ」
「涅槃ブッダ様、やはり危険です。間違って畜生界に輪廻されたら地球はおろか宇宙全体を危険にさらします。だからです。お願いですから、代替案を聞いてください」
「聞こう」
「はい。1.ソフト面とハ-ド面の分離
2.ソフト面(特に脳)の洗浄
3.ハ-ド面、IPAで細胞洗浄
4.マイクロ波で乾燥
5.検査
6.ハ-ド面にソフト面入魂
7.シンクロ確認
8 .パワー全注入
これで涅槃ブッダ様のご希望に添えることができます」
「……時間は?」
「24時間です」
「すぐ取り掛かってくれ。時間がない」
死んで24時間たっていた。ブッダがあつまるのが明日。光が第1惑星到達まで残り2日。
釈迦如来がいることだけが唯一の安心だった。なんとかしてくれよう。
「それでは涅槃ブッダ様、オペ始めます」
「お願いします」
──────────────────☆
「終わりました。キッチリ24時間です」
「ありがとう。力がみなぎってる」
「地球という星のパワーを全てあなた様に注入しております」
「うむ。飛べるか?」
「もちろんです」
「では行く。あとを頼む」
「宇宙をお守りください」
「うん。それと大王10名制とす。それを閻魔、束ねよ。軌道に乗ればいつでも休むがよい。あ、有給申請書はだしてね!では」
行きは10時間かかった路を1秒で戻り涅槃を出た。
───────────────────☆
「モグ、帰ったぞ」
「あ、お帰り……ちよっとブッダ様を踏まないでよ」
「釈迦如来様、戻りました」
「ふむ。48時間ぴったりだな。あのお主に相談がある……」
「相談?何ですか?」
「う~ん、あのモグをわしにくれぬか?」
「え~~それは出来ません。それにモグは物ではないので、やるやらないの話ではありません」
「そうか。ほしいな……モグ」
(この人、こんな大変な時に何言ってるんだ?それとも大変だとは思っていない?!)
「モグ、ブッダ様達はどのくらいお集まりか?」
「99.8%」
「時間だ。始めるぞ!」
涅槃ブッダは釈迦如来と99万人近くのブッダの前で何を語るのが………
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