第3話 気まずい空間

「誰っ!?」

扉の方を見てみると加藤かとうさんがこっちを見ていた。

その瞬間、昔の事を思い出してしまった。

加藤さんは元、好きな人だった。でもある日喧嘩してしまい、そのまま2年間私はずっと後悔してきた。でも最近は違う好きな人が出来て忘れてしまっていた。相手も気まずそうだ。


沈黙が続く。その時、

「あの…」

加藤さんが口を開いた。

「やっぱり今の状況おかしいですよね…?」

「はい、なんか時止まってますよね。」

加藤さんは、私と喧嘩したこと。いや、私の事自体忘れてしまったのかな。

喧嘩してた人と久しぶりにあって、その一回目の会話がこんなことなんて、思いもしなかった。

「これから…どうする?」

とりあえず敬語を無くしてみた。

「うーん…」

また気まずい沈黙が訪れてしまった。今思ったけど時が止まった以上どうするかなんてなくない?と思った。

「と、言ってもなにも出来ないよね」

笑うつもりが気まず過ぎて苦笑いになってしまった。

その時、

「あの、久野くのさんは、全クラス確認しましたか?」

私の苗字を久しぶりに言ってくれた。

「いや…、先輩方のクラスはまだ行ってないです…。」

「じゃあ一応確認しとくか。僕達みたいに動いている人いるかもしれないし。」

「…そうだね。」

何故か私は誰も動いてないことを願っていた。

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