18. 負ければ、コレか。

「じゃあ、外任せたぞ」

「はい…」

 たまに訪れる暇な日々。

休憩室ココ志井しいさんが片付けてくださいよ…」

「はぁい」

 片付ける気ない志井さんは、物置化しているソファーに寝転がる。

「片付けろって言いましたよね…?」

 イラッとして、ついついボディーブロー的なものをガツッとやってしまった。

「す、須貝すかい…」

 痛がる志井さんが、

「俺、何か悪いことした…?」

 また気に障ることを言うので、

「はい」

 何かは言わずに、ロッカーを開ける。

「志井さん、コレ捨てますよ…」

 着替えようとしたら、服が。

 下着か服かわかんないくらいの布キレのような服が。

「ん…?」

 持ち主である筈の志井さんに向かって軽く投げる。

「コレ、俺のじゃないな…」

 明らかに女性モノである。

「誰の、ですか…?」

 したがって、

 志井さんが着れる筈もなく、ボクも着れる代物ではない。

「さぁ…?」

 ボクに向かって、

「だから、ボクのじゃないですってばっ!」

 ソレを投げて、

「雑巾にはなると思う」

 確かに、そうだけど。

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