14. 軽食屋、再び。

「いらっしゃいませ」

 志井しいさんがいない時を見計らってやって来たのは、

「あ…」

「ただいま」

 日方ひがたさん。

 お得意の笑顔で、

「様子見に来たよ」

 隣の空き店舗を指差して、

「またヨロシク、ね」

 更に笑顔になると、以前からある佇まいの軽食屋になる。

雪之丞ゆきのじょう…?」

 ちょっとだけぼんやりしたら、日方さんが近くにいた。

 いや、近過ぎる。

「近い…」

 嫌がるように距離を置くボクに、再び近付く日方さんを制止する。

「これ以上近付かないでください」

 ボクからの警告。

「そういうことしていいの…?」

 よくない。

 でも、日方さんだし。

地上ココで当たれば、血が出ます仕様ですよ…?」

 でも、銃(バケモノ用)を向けないと近寄られるのも嫌なので、

「だから…?」

 銃口は日方さんに向けたままでいると、

「帰ります」

 隣ですけど。と言って、意外とあっさり帰った。

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