4. いつもの寝言

「ん…」

 目覚めると、目の前には志井さんがいて、

志井しいさん…」

 いつもと変わらない日常に戻ったのかな…。

「おはよう…」

 寝惚けながらハグするのは、相変わらずだな。

「おはようございます…」

 嫌いじゃないよ。

 むしろ嬉しくて笑顔が抑え切れない。

夏音かのん…」

 志井さん、今、何て言いました…?

「夏音ちゃん…」

 ハッキリ言いましたね。

「ボクは…」

 抱きしめられたその腕から離れて、

「俺は、須貝すかいですっ!」

 一応、思いの丈を拳に込めた。

「うぅ…」

 苦しそうな声でうずくまる志井さんに、

「何で、夏音なんですか…」

 思わず、呟いてしまった。

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