第29話 僕が魔法を教えます!?

 僕の秘密について明かした後、僕とアレク、ミゲルとマリアと共に庭にやってきた。


 父上と母上は、『行って来い!』って言ってくれた。気を使ってくれてるのかもしれない


「カイル様! お庭広いですね!」


「そうだろ? マリア。僕も初めはそう思ったんだ」


「子供ですね。カイル様は」


「ミゲル! お前の性格は治らないのか!」


「治らないと思うよ!」


「カイル様まで!!?」


「多分、それ半分はミゲルの持ってるスキルの所為だと思う」


「え? なんですかそれ?」


「ミゲルは【参謀】ってスキルを持ってて、そのデメリットとして性格が捻じ曲がる可能性があるって書いてたんだ。多分元々の性格もあるっぽいけど」


「ほう? そんなスキルがあるのですか? じゃあそのスキルのせいです」


「「「絶対それだけじゃねぇ!(ない!)(ありません!)」」」


「3人揃ってなんですか? バカですか?」


「「「バカじゃない!!!!」」」


「ハハハッ」


 ハハハッ。ミゲルと話してると笑いしか生まれてこない。まぁ、ミゲルのおかげでどんな雰囲気になっても明るく和めるんだけどね。


「カイル様!」


「なに? アレク」


「俺のスキルってどんな感じですか?」


「アレクのスキルは【剣豪】と【気分屋】だね」


「【剣豪】ってなんかすごそうですね!!」


「実際凄いよ。このスキルのおかげでお前は父上を超えれるようになったと言っても過言じゃないんだからね。」


「ほんとすか!? やったぜ」


「でも、もう一つが【気分屋】って。クククッ」


「おい! ミゲル! 笑うな」


「そうだよ、ミゲル。このスキルを侮ったらだめだ。アレクの気持ちが昂れば昂るほど、強くなるっていうスキルなんだから!」


「おおー! すげーっす!」


「私は他になんかないんですか?」


「ミゲルは、【参謀】と【槍の使い手】ってスキルだね」


「【槍の使い手】? 槍の扱いが上手くなるスキルですか?」


「そう。でも、才能はアレクほどじゃないよ」


「ほら見たことか! 俺の方が強いんだぞ!」


 これがそうでもないんだよ。アレク。すまない。


「そうでもないよ。ミゲルには魔法の適性がある!」


「「「え、えーーーーーーーーー?」」」


「あ、ミゲルがびっくりした~?」


 ミゲルの大声初めて聞いたかもしれない。ツボにはまりそう。


「それはびっくりしますよ! 魔法は限られた人にしか使えないのですから」


「あと、マリアにも適性がある」


「えーーーーーー! 私にもですか?」


「お、俺にもあるんですか!!!?」


 そんなキラキラした目で見つめないでくれたまえアレク君。伝えるのが酷になるじゃないか。


「残念だけど…… ない!」


「ぐはっっっっっ!」


「アハハハッ! アレクざまぁ」


「なっ!!! こいつっ。」


 ミゲルは人を怒らせる天才かっ!! 最悪のタイミングで神経を逆なでするなよ。そして、アレク。もうちょっと学習してほしい。


「2人ともそこまでだよ。ミゲル。アレクは、属性魔法は使えないが無属性魔法なら使える可能性がまだある。」


「ほんとですか!?」


 ホントにアレクは子犬みたいだな。面白いからいいけど。


「僕がたまに『身体強化』って唱えてるのを聞いたことがない?」


「あ! あります! 唱えられたときはなんか動きが変わりますよね!?」


「そう。アレクにもそれが使える可能性がある。」


「やったぞぉぉぉぉ!!!」


 まるで、何かの大会で優勝したかのようなポーズを取って固まるアレク。ププッ。


「だから、今日は魔法の講義をしようと思う!」


「「「おお!」」」


「まずは魔力を感じるところからだね」


「「「はい!」」」


 元気があって良いことだと思う!

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