第3話 両親が・・・

 次の日、目を覚ますと、お母さんとメイドさんに加えて、お父さんらしき人が見えた。茶髪茶眼をした長身痩躯のお兄さんって感じだ。


「カイルーー。パパだぞー?」


「オギャー」


「おうおう。元気だな。立派な子に育ちそうだ。なあ、クラリス」


「そうね。アレス。私たちがしっかりとしないとね」


「おう。カイル、お父さん立派なお父さんになるからな」


「キャキャキャッ」


 やっぱりお父さんみたいだ。おとなしすぎると心配させてしまうから相槌は打っておかないとな。お母さんがお父さんに似ているって言ってたから将来はお父さんみたいなカッコイイ人になれるのかもしれない。


 それは置いといて、俺は子爵家の長男として転生したようだ。俺のステータスから分かった事だ。前世ではそんなに裕福な家に生まれなかったから感激して、うおぉーと雄叫びを上げていると、大泣きと認識させてしまい困らせてしまった。申し訳ない...


 しかし、生活レベルが中世のヨーロッパレベルのように見えるから、前世よりはいい生活はできないかもしれない。しかし、魔法などもありそうだから、楽しめそうだ。


 身の回りの世話をしてくれるメイドさんの名前も判明した。イリアさんだ。なんでわかったか? って?


 【鑑定】が人に対しても使えたからだ。ここで【鑑定】の詳細についてもう一度整理しておこう。


【鑑定】

この世にある大体のものは鑑定できる。


 初めてこの表示を見た時は「何でこんなにざっくりなんだ!!!」と叫びそうになったが、意外にも優秀だった。


 ざっくりとしているから、身の回りのものから、人のステータスまで何でも分かるのだ。見たいと念じた情報は詳細に見ることが可能だ。


 このスキルでイリアを鑑定したというわけだ。そこで、俺の両親を鑑定してみた。



名前:アレス・フォン・エルドルド

性別:男

年齢:25

身分:子爵家当主

忠誠度:0

スキル:【一騎当千】【カリスマ】


武術

 剣 術  A

 格闘術  B

 弓 術  B

 槍 術   B

 馬 術   A 


魔法

  火    B

  水   E

  土   E

  風   E

  光   E

  闇   E


能力

 統 率  A

 武 勇  A

 知 略  B

 政 治  B



名前:クラリス・フォン・エルドルド

性別:女

年齢:25

身分:子爵家正妻

忠誠度:0

スキル:【全魔法適性】【魔力回復】


武術

 剣 術   E

 格闘術  E

 弓 術   E

 槍 術   E 

 馬 術   E


魔法

  火   B

  水   A

  土   B

  風   A

  光   A

  闇   B


能力

 統 率  A

 武 勇  D

 知 略  B

 政 治  A



 これが両親のステータスだ。


 ちなみにAとかBとか書いてあるのは才能を表しているらしい。鑑定さんに聞いてみると



S 国に数人しかいない


A 大将軍レベル


B 将軍レベル


C 一般兵レベル


D 一般人レベル


E 苦手



といった感じで表示された。


 どうやら俺の両親はどちらも超人のようだ。ステータスを見た感じだと、お父さんが武術特化、お母さんが魔法特化って感じか。


 しかも、両親共にAクラスの才能を複数所持しているから、国でもトップの方だと思う。てか、そうじゃなかったらやばい。


とんでもない家系に生まれたものだ。笑えない。


 俺も、すべてBだから、なかなかに強いんじゃないかと思っている。だが、器用貧乏って感じだ。将軍レベルというのがどれくらいのレベルなのかは分からないが、Aでは大将軍レベルと書かれていることから考えると、将軍は一般兵よりは強いくらいのレベルなのだろう。


 そして、スキルも詳細まで見れた。


 これは化けもんだと思ったスキルが【吸収】だ。


【吸収】

相手のステータスを吸収することが出来る。ただ、吸収された相手が弱体化するわけではなく、コピーするようなものであり、忠誠度に依存。


 相手のステータスを吸収できるが、その相手の忠誠度によって吸収率が決まり、その相手自体には悪影響がないということか? 俺が良き為政者となり、皆の忠誠を集めることができれば、俺自身の力が高まるということだと解釈出来る。


 次期当主である俺にとって生命線と言っても過言ではないスキルだ。貴族に生まれたことは奇跡だと言って良いだろう。


次は、【カリスマ】のスキルだ。


【カリスマ】

自分に対する心証が良くなる。


 単純で抽象的なスキルだが、忠誠度に影響する点で【吸収】と関連が深いスキルだ。なかなかに大切なスキルだと思う。お父さんも同じスキルを持ってたから、スキルを受け継いだのだろうか。そうだったらお父さんに感謝しないとな。


 ここまで俺のスキルを見てきたが、俺も父上の様になれる素質はあると思う。


 【鑑定】で人のことを鑑定してその人の才能や忠誠度を見ることで、その人が信用に足る人かを見極めることができるし、自分の配下を増やせば増やすほど、自分の力の補強にも役立つ。あくまで才能だから頑張らなければならないが、他の人と異なり、理論上は俺の才能に限界はなくなる。それだけでも大きなアドバンテージだろう。


 しかし、才能だけで人を判断すると足元を掬われる。しっかりと見極められる力も必要となってくるだろうな。


あれ、なんか眠くなってきた。


あぉ、またか......


◆◆◆◆◆◆◆◆

スキル紹介(紹介できなかった物)


【一騎当千】

武術関連の才能上昇。統率、武勇が無条件でA以上に固定。


【全魔法適性】

全ての魔法の才能が上昇。


【魔力回復】

魔力の回復速度が早くなる。

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