第2話 転生しました。赤ん坊として

「オギャー。オギャー。オギャー。オギャー。」


 目を開けると天井が広がっていた。


 周りを見てみると二人の女性がこちらを見ながら微笑んでいる。


 一人は金髪碧眼の見眼麗しい女性で、慈愛の笑みを浮かべこちらも見ており、もう一人は清潔感があり、メイドのような服装をして金髪碧眼の女性の側に控えている。


「あらあら、カイルったら元気に泣いているわね」


「奥様。カイル様を抱いてあげてはいかがですか? きっと喜びますよ!」


「そうね。そうしようかしら。でも、カイルは本当にお父さんに似ているわよね!」


「奥様にも似ていらっしゃいますよ! 将来が楽しみです!」


「あら、そう? ありがとうね。イリア」


 金髪碧眼の女性が俺のお母さんのようだ。こんな美人なお母さんのもとに生まれることが出来たなんて自分は既に恵まれているのかもしれない。神様は良いところに転生させてくれたようだ。


 転生先の名前はどうやらカイルであるようだ。これからはカイルとして生きていかないといけないのだと実感した。二度目の人生だ、今世は努力しよう。そう決意を固めた。


 話している言語は日本語のようだ。神様が生きやすいよう調整してくれたのかもしれない。神様には感謝だ。


 もう一人の女性は、服装と口調からして、この家の従者ということだろうか。そうなると、この家は従者を雇えるほどの財力を持っている家ということになる。商家か貴族家という事になるのだろうか?


 そういえば神様が、転生する直前にステータスと念じれば、自分の能力が分かるとか言っていたな。


「(ステータス)」


 と念じると目の前に自分のステータスが表示された板が浮かんだ。



名前:カイル・フォン・エルドルド

性別:男

年齢:0

身分:子爵家長男

スキル:【鑑定】【吸収】【異世界言語翻訳】【カリスマ】


武術

 剣 術   B

 格闘術   B

 弓 術   B

 槍 術   B

 馬 術   B


魔法

  火    B

  水    B

  土    B

  風    B

  光    B

  闇    B


能力

 統 率   B

 武 勇   B

 知 略   B

 政 治   B



 ん? ステータスを開けたはいいものの俺のステータス全部Bのようだ。Bがどのくらいかが分からないから、その辺も追々検証する必要がありそうだ。


 【異世界言語翻訳】が、おそらくこちらの言葉を日本語にしてくれるためのスキルなのだろう。たしか【鑑定】のみを神様に頼んだはずだが、【吸収】というスキルが付いている。


 神様が付けてくれたものなのだろうか。なんであれ受け取って損はない。


 そんな思考をぐるぐると回していると、お母さんが近寄ってきて、俺を抱いてミルクを飲ませようとしてきた。


 おおう!!綺麗な人だけど、なんだか卑猥な気持ちは湧いてこない...? まあ、これからも慣れないといけないのだから卑猥な気持ちが湧かないのは助かるが......


 あれ、なんか眠くなってきた?


 あ、これダメな奴だ......


 カイルは深い眠りについた.......

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