第2話 原稿

 カラオケボックスに自ら誘い、かなり深い事を話した。確か、日本の電柱が全て埋め込み型になり、某テーマパークのパレードの様に、レールが無くても電車が動く。そして、田舎は水素爆発で電気を作る発電所と、農作物を作る農家だけになり、ほぼ全員都市部に移動。リモートワークだけで、都市部の人も非接触になる。という誰にも喋るのが恥ずかしい未来の日本の想像だ。

 彼は、大爆笑してその話を聞いていた。

「電気自動車が一気に無くなってるとは、わははは」

コーヒーカップの中身までケタケタ笑っていた。

「いや、話せと言ったから話したんです。これで私の中身がわかりましたか?下らんアホな人間なんです」

 私が、しょぼんと躍起になっていると

「いや、面白いから、今後原稿が仕上がったら僕に見せてくれ。ボツか否か会社内のことは関係ない」

と言われた。

 そして、私達は同じ会社でも無いのに原稿用紙を見せるのと見るという奇妙な関係で繋がった。月に一回新宿のファミレスであい、原宿の神社で世界平和だかを祈るために神社に通うのが主になっていた。

 そして、いつの間にか総一朗さんは、私の家にジャージで居る仲になった。

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