はじまりの季節


何かが始まることは、ワクワクするし不安もある。

この時期は、満開の桜が背中を応援してくれてるみたいだ。


知らないことだから、知りたくなり、憧れる。

だからこそ、怖がり不安になる。


知ってしまった喜びと哀(かなし)みとを、

ともないながら。


誰にも言えないことがある。

言ってしまえば、傷つくことがわかるから。


どうすることもできないまま、

もがき続けている。


焼印(やきいん)のように刻まれた烙印(らくいん)。

自分の中に留(とど)めるのは、もう限界だ、

限界だ。

だから考えることをやめようとした。

忘れようとしたけれど、消せないあとは

ずっと残るんだ。

これが生きてる証拠なのかな。


いつからだろう、出口も入口もない迷路を歩いている。


心が凍(しば)れてしまえばいいのに。


わかってほしいというわけじゃなく、

きいてほしいわけじゃなくて、

このおもいは、しんしんと雪のように降り、つもり続ける。


寒いところで花は咲くのかな?


心がずっと寒いんだ。

寒くて寒くて痛いんだ。

ずっと心は冬なんだ。


雪が降るのは、当たり前で。

霜柱(しもばしら)ができたことに気づかず。

氷柱(つらら)ができても見ぬふりをした。


気づけば、吹雪(ふぶき)でまっしろなセカイ。

自分はどこにいるんだろう。


動かないでただ待った方がいいのだろうか。

そうすれば少しでも生き残れるかもしれない。

生き延びてもいいことはあるのかな。

冬に咲く花はあるのかな。


春はいつ来るのかな。

窓越しに見る桜を見ていつも思うんだ。

桜は咲いても散っても美しいな。


何もかも、あたたかいところに行きたい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る