第4話 四箇屋のじさまの人生
とうとう戦だ。昨日重臣たちと最終会議をしてからどうも眠れない。
そうだ帰蝶に何か意見をもらうか。
「帰蝶。」
「どうしました殿?明日は大事な戦なのですからしっかりお休みください。」
「あぁ、中々眠れなくてな・・・」
「安心してください!十兵衛は必ず戦で役に立ちます!」
「そうか。帰蝶が言うのなら間違いないな。」
「はいっ!!!」
何故か俺はこの帰蝶の言葉で安心して眠ることができた。
~永禄3年4月19日~
史実の桶狭間の戦いより丁度一ヵ月早い中、桶狭間の戦いが開戦する。
「四箇屋のじさま!準備はできておりますか?」
「もちろんじゃ!信長!足軽隊はわしが率いてやるから安心して戦にかかれ!」
「ありがとうございます。でもどうか死なないでください。」
「あぁ。もちろんじゃ!もっと生きているうちに色んな事をしたいからな!」
「ふふ、はい」
「十兵衛!準備はいいか?」
「もちろんですぞ!半分の柴田殿たちの軍はもう今川軍の後ろに回ってもらっております。」
「そうか。あとは我らがおとりになるだけだ。」
勝家さんの軍は精鋭で出来ているあとは俺たちがおとりになれば勝てるはずだ。
「では皆の者!出陣するぞ!!」
「「おーーー!!!!!」」
「いけー!!!」
今川軍もこちらが出陣したのをみて遅れて出陣したか。でも確実に先に出陣した我らの方が士気は上がっている。
「なっ!十兵衛前をみてみろ。」
人が多すぎる。
「は!?殿!なぜ今川方はあんなに兵がおるのですか?」
「ざっと見積もって1万はいるだろ。」
「こちらは柴田殿側除いて2000しかおりませぬ。なぜあんなに兵がおるのだ?」
なんでだ?なんで光秀の策が失敗した?光秀が裏切ったか?どうしてだ?
「急報!!!」
「なんじゃなにがあった」
「今川方の後ろにいる柴田軍で急遽合戦が始まったとの事!!!!」
「はっ!?」
「なぜだ。なぜ味方同士で戦っておる。しかも精鋭同士で。」
「十兵衛どういうことだ?」
「恐らく柴田軍の中に謀反をした人物がでたのだと。そして我らの策を今川に教えたのでしょう・・・だから今前に今川の兵1万がいるのでしょう・・・」
どうしてだ・・・なぜだ。誰が裏切った。俺らは今何をすればいいんだ・・・
「殿!ここはまず目の前の今川軍1万と戦うしかありませぬ。」
「そうだな。まず我らだけで戦うか・・・」
ただでさえ強い今川軍をこの2000の兵だけでどうやって戦えば・・・
「まず軍を二手に分けましょう。それだと時が稼げます。仮に謀反人を柴田軍の誰かが殺せばこちらに援軍として来てくれるはずです。」
「そうだな。じゃあ戦うか。まずこの信長と明智十兵衛で兵を二つに割ろう。」
「四箇屋のじさまの歩兵隊はわしに。ついてきてくだされ。」
「承知した。」
「我らは今川義元の首しか狙わん。憎き義元を殺して見せよう。」
「「はっ」」
「ゆけー!この信長に続け!!!」
「やぁー!!」
シャキーン
バシャ バシャ
「信長みろ!早速1人殺してやったぞ。」
「四箇屋のじさま・・・その調子で頑張ってください!!!」
「あぁ!!」
俺もそろそろ殺しまくるか。
FPSゲームやりまくってたから戦闘はなんか少し分かる・・・気がする
「シャキーン」
「なんだ!?こいつの威力すごすぎだろ。え?こいつ信長!?何としても殺さなくては!」
「無駄だ。俺はFPSゲームやってたから。」
「いや?なんだよそれ?うわぁやられる・・・」
「よしこれで1キル!」
「殿何を言っておられるのですかぁぁ!?」
「あっなんでもないっす・・・」
言葉には気をつけなくては・・・俺は今川義元を殺さなくてはならないんだ・・・
「よし2人目殺した!」
「3人目!!」
続々と俺らは敵を殺して前へ進軍していった。
今のところみんなの表情は元気そうだ。
シューン
「ん?なんだ?」
「こんにちは。信長さん。私は今川義元と申します。」
一瞬で俺の近くにきた。俺は最初こいつが何を言っているのかよくわからなかった。
「今川義元だと!?」
「はっ!!!四箇屋のじさま逃げて!!!」
「どうした信長?」
「んっ!!!」
この瞬間、四箇屋のじさまの後ろに今川義元と名乗る人物がいた。
四箇屋のじさまは首を剣で少し切られていて人質とされている。
「信長さん、このおじいさまを殺してほしくなかったら剣を下ろして私に降伏しなさい」
「なっ!?」
「信長っっ!降伏するな。わしを殺せ。そして今川をそのまま殺せ・・・」
俺は最悪の二択を選ぶことになった。
四箇屋のじさまを殺さない代わりに降伏するか、四箇屋のじさまを殺し今川を殺すか。
「どうすればいいんだ・・・」
「信長!!わしを殺せ!!」
「できない。今川義元さん、わが織田家は今川家に降伏いたします。」
「そうですか。いい答えをしてくれて感謝します。」
バーン!!!
「なっ!四箇屋のじさま!!!」
この瞬間四箇屋のじさまは何者かに鉄砲で撃たれた。
「うっ!信長。最期に一緒に戦ってくれてありがとうな・・・楽しかったわい・・・」
「じさま!!!誰がじさまを殺した!?」
「誰だ!?」
「わしだぞ。憎き信長よ。」
「なっ!?柴田勝家!?」
裏切り者は柴田勝家だったか・・・
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