3 【ら】~【らいにち】

 納豆の藁を少しずつ火に入れる。流木はそれほど量が多くない。草もあまりはえておらず、取りすぎればなくなってしまいそうだ。燃えるものの確保は重要である。

 さて、今日はしっかりと作戦を考えてある。確実に食料のあるページ、それは「ら行」の最初だ。これは外から見てもわかりやすい。ラ行の端に手をかけて、辞書を開く。

「やった!」

 狙い通りのページが開けた。

「ラーメン!」

 目の前に、どんぶりに入った湯気の立ちラーメンが現れた。ネギとメンマも入っている。

「いいねいいね。あとは……ラーユ、ライス! ライスカレー! ライチもだ。うわあ」

 なんと、ラーメンに加えてカレーも食べられることになった。なんという贅沢。

 せっかくなので温かいうちにと思い、両方とも急いで食べた。無人島とは思えないほどに満腹になった。


本日の辞書めし

・ラーメン

・ライスカレー


 そして、今日は丼と皿も手に入れることができた。納豆の時から何となく気が付いていたけれど、食べ物以外はだめでも、食べ物に付随するものは呼び出せるようである。

 これ、ひょっとしてすごく使えるのでは?

 目下困っているものと言えば、衣服である。あと、寒くなってくると防寒のためのものも必要になってくるだろう。そういうものに仕える何かを持ってきてくれる食べ物はないだろうか? 

 考えてみたけれど、ちょっと思いつかない。ただ、いろいろ呼び寄せるうちに役に立つものも見つかるかもしれない。

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