たそがれ。

「いつも思ってた!!、、」

「そうそう、俺もこいつは、、」


「じゃあ、あんたも、、、、」


罵詈雑言が飛び交う視界。


僕は口論の当事者だった。


嫌気がさしてその職場を抜け出す。


4つ隣の部屋に入ると、既にみんなが席に着いていた。


空いた机が3つ程あったので、何となく緑が眩しい窓際の席に座った。


「ちょっと、私の席だよ」と嫌いだったクソビッチに少し笑いながら言われた。


そっか、と思い、

席を立つ。


その拍子に机の下に物を落としてしまった。


その女が拾おうとする。


「あぁ、うん。大丈夫だよ。ありがとう。」と

まるで歳下に話すように落ちている黒い缶ペンを拾って2列後ろの真ん中の席に向かって座った。


何故かいつも空いていたような隣の席には榎本が座っていて

「今日は遅刻しなかったんだね。」と声を掛けた。

前の席の上野は何を言ってるか分からないけど笑ってこちらを向いていた。


僕は何故か泣きながら俯いた。


「うん。大丈夫だよ。ありがとう。」


榎本は心配そうに笑って声を掛けてくれる。


「大丈夫。ありがとう。」


生温い風が吹く教室だった気がする。


ひたすらに静かで、

ひたすらに退屈な毎日。


そんな毎日の、

1番後ろの席。


目が覚めたら都内の家。

あの場所にふと戻りたいと思った。

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