ひとりじゃないのさ

なんとか、っていう街の外れにある、わたしたちの孤児院。

子供たちが百人近くいるような大所帯でもなく、ただ十数人が暮らしている小さなところ。


孤児院でわたしが一番年下だから、わたしにとってみんながお兄ちゃん。本当の、血が繋がったきょうだいではないけれど。



「ミア?今日の夕飯ふわふわの雲パンらしいで!」

『ほんと?やった!

えへへ、お兄ちゃんたちから分けてもらおーっと』


大好物の話を聞いて心が躍る。

子供たちで女の子はわたしだけ。お兄ちゃんたちはわたしを甘やかしてくれるから、わたしはお兄ちゃんみんながだーいすき。


中でも一番上のお兄ちゃんは、おやつくれるし、遊んでくれるし、ご本読んでくれるし、せんせいのお手伝いもしてるから、みんなから尊敬されてリーダーって呼ばれてる。月の終わりにみんなと街に遊びに行ったとき、リーダーの後ろを着いてっていろんなお店を見て回るのが、わたしの楽しみだ。




「ミア、今夜俺の部屋に来てほしい」

『うん、いいよ!』


ある日、その一番上のお兄ちゃんがわたしを呼んだ。

…なぜか、他のみんな、せんせいにも教えるなと言われたけど。



小さなノックを三回して、返事が聞こえてから部屋に入る。


「言った通り、誰にも秘密で来たか?」

『そうだけど…どうかしたの?お兄ちゃ』


その時、強いキスをせがまれた。頬に鼻息がかかる。

自分で動くこともままならなくて、入ってきた舌を享受してしまう。


「なぁ、いい加減我慢を解いてもいい時間だろう?」

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