作戦会議

智子は体をのけぞって大声で笑った。

「だって、大橋君も木村君も7.3に分けていないじゃない」

「ええ、だから変な奴らだと思っていましたよ」

「うふふ、面白い人」

智子は一見賢そうに見えてボケた事

を言う亮が好きになった。


「これからこのヘアスタイルで来てよ」

「は、はい」

亮は自分の中で納得いかなかったが

仕方なしに返事をした。

「ま、待って」

智子は亮が会社の中で他の女子社員に

騒がれるのが嫌だった。


「まだ、ダサい方がいいわ、あまり

目立つと課の中で浮きそうだから」

「そうですね。あはは。それからペンダントを

差し上げます。僕の手作りです」

智子はペンダントを首に下げた。

「えっ?これ高いでしょう」

「いいえ、自分で作ったものだからあまり

高いものだと引いちゃうでしょう」


「あなたの手作り?すごいわね」

智子はネックレスの石を眺めた。

「ぴったり。すごくきれい、

男性にこんなプレゼントを

もらうのが初てだったのありがとう」

「飛んでもありません」

亮はあまりにも智子が喜ぶのでバツが悪かった。


「ねえ、この後どこへ連れて行ってくれるの?」

智子は亮を誘っていた。

「ええと・・・どこと言われても普通に」

亮は智子を抱くムードをどうやって

作っていいかわからなかった。

「ホテルですけど」


「いいよ。どこ?ビール買っていこう」

智子は亮の不思議な部分をもっと知りたかった。

「はい」

亮と智子はビールを買い込んで歩いた。

「あら、シティホテル?」

智子はてっきりラブホテルだと思っていた。

「予約してくれた?ありがとう」

「予約していませんよ」

日比谷のPホテルのフロントでキーを受け取って

14階に上がった。


「うちの会社の年間契約です」

「年間契約なんだ」

「はい、父の会社が年間半分以上

お客様が使うので借りています」

「どれくらいの値段かしら?」

「半額くらいじゃないですか?」

「半額凄い!」

智子は半額と聞いて感激していた。


「朝食は何が良いですか?」

亮はメニューを出した。

「洋食美味しそう」

「了解です」

「ねえ、半額でホテル損をしないの?」

「ホテルはツアー会社に宿泊を卸値で出すんですよ。

その代わりツアー会社は何部屋か年間契約するんです」

「その分、ホテルは売り上げが確保

できて利益を予想できるわけです」


「ああ、そうか」

「航空会社も同じです」

「さすが松平君頭いい」

智子は早速冷蔵庫からビールを取り出した。

「じゃあ乾杯しよう」

「つまみ頼みましょう」

亮は電話でつまみをオーダーした。


智子自分の子供の頃からの話を始めた。

練馬区に住む普通の家庭、

元気な妹が居て高校時代はリア充、

大学時代に二人の男性と付き合って

就職活動の時に内村と知り合って

言いなりになってしまった事を話した。


「松平君は?」

亮は高校三年時に女性に声を

かけられその女性が白血病で倒れ

たが元気になり京都の大学に行った事、

大学時代付き合った女性の浮気で

別れ、アメリカに留学して帰国して

DUN製薬に入社した事を話した。


「アメリカで付き合った女性は?」

「ええと、日本とアメリカで

付き合った感覚が違うので何とも」

「どう違うの?」

「説明は難しいけど、ずっと友達である日

異性とキスをすると日本では?」


「付き合い始めた。アメリカでは?」

「その程度では付き合っている

うちにはならないですね」

「じゃあ、セッ〇ス?」

「それでも将来の約束までは・・・

だってものすごくセックスが下手だったら

嫌じゃないですか。あそこのサイズが

大きすぎるとか小さすぎると

かデブとか胸が小さいとか体臭が強すぎるとか」


「我慢できないの?」

「アメリカ人は我慢も妥協もしません」

「そうなんだ・・・それで松平君は?」

「僕の場合はどうでしょう」

「じゃあ、確かめてみる」

智子はミニスカートを少しめくり

スラリと伸びた足を出して亮を挑発し

亮の肩に頭をもたげ亮を誘うと

亮は智子とキスをして椅子に倒した、


スカートをめくると白い太ももが現れ、

亮はその太ももにキスをして

股を触るとパンティの上からで

もわかるほどそこはしっとりとしていた。


「松平君シャワーしてから」

そう言って智子は立ち上がった。

シャワーを浴びた後は、二人は明かりを

消して裸で銀座の明かりを眺めた。

「どうしてなんだろう。今まで会社の

人とはこうならなかったのに

不思議とあなたに惹かれる」


「ありがとうございます」

亮は立ったままキスをして智子を窓に押し付けた。

「いいわ」

亮と智子はネットリとキスをし

合って智子がフラフラになると

亮は智子を抱き上げベッドに運び込んだ。


絵里子教え込まれ通り相手の表情と

反応と角度を観察しながら行為を続け

智子は大きな声を出し身体の力が

抜け何秒かおきに痙攣を起こした。


「セッ〇スってこんなに凄いの、こんなに良いの。

まだ、ぴくぴくしているわ、止まらない。

どうしよう、もうあなたと離れられない」

亮が目を覚ますと智子は涙を流して亮に抱きついた。

「でも、何なのこれって、まだ体がピクピクしている」

「智子さんこそ凄かった、不倫の相手

こそ良いおもいしたでしょうね、

こんな素敵な体を自由にしていたなんて」


「うん、もう嫌!あんな男」

智子は亮の胸に顔をうずめた。

「お願い助けて」

「了解です」

智子は嬉しくなって亮に抱きつき

また二人は再び求め合った。


休日の土曜の朝、2階のレストラン

「レセゾン」朝食をとった

「ええと不倫男のプロフィールは

内村和行、五島商事の人事部部長、45歳」

智子は亮がどんな字を書くか覗き込んで言った。

「人事部長ですか、職権乱用ですね。自宅は?」

亮は内村和行と五島商事を丸く囲んで矢印を書いた。


「ああ、綺麗な字・・・成城の駅近くの住宅で一戸建よ」

智子は亮の形の綺麗な字を見て息を漏らした。

「いい生活していますね、あの辺りは

坪200万円以上します。家族構成は?」

「三人家族で娘は女子大生」

「うんうん」

「内村のやつ私以外にもこんな関係を

毎年持っている女がいるみたいなのに、

私だけもう2年、以前別れ話をしたら

インターネットで写真をバラ撒くって」


「わかります、智子さんの体なら

手放したくないでしょう」

「それで、どうするの?」

「まず、女子大生の娘に接触して・・・」

「だめよ。娘に手を出すのは可愛そうよ、

内村の悪行を会社にばらすのはどうかしら」


「ええ、とにかく自主的に辞めて貰う様にしないと、

ところで奥さん幾つですか?」

「44歳よ。だめよ、だめよ。手を出すのは」

亮の魅力なら内村の妻を落として自由に

出来るだろうと慌てて手を振った。


「分かりました」

「奥さんなかなかの美人よ、

1度写真を見たことがあるの」

「智子さん、内村さんはかなり

遊んでいるようですけど金を渡

した事ありますか?」

「無いわ。でもあの男羽振りが良かったわ」

「相当収入がいいんですか?」


「そうね、五島商事の人事部長

だから年収1500万円以上だし

経費はかなり使えそうじゃない」

「でも人事部長じゃあまり経費が

使えないように気がする。

家庭があるのにずいぶん楽しんできますね」

亮は内村和行の素行が異常事に何か

裏があるのではないかと疑っていた。


「言い難いけど性癖は見ての通りよ。

いつもミニスカートにティバックパンティ、

露○出プレイよ」

「僕も好きですよ。ミニスカは。ははは」

智子は亮が喜んでいるのを見て笑った。

「そう、うれしいわ」

「そうなると他の餌食なった女性は別な事に使っている

可能性がありますね。例えば他の男に紹介するとか」


亮は内村の行動を想像すると智子が納得をした。

「そうか・・・」

「きっと智子さんは好みなので他の

男に抱かせたくなかったのでしょうね」

亮は内村が智子に対して本気で思いを

寄せていたと思っていた。


「ええ、離婚するから結婚してくれと

言われたことがあったわ。でも信じていなかったし

私は内村を好きじゃなかった」

「大事な青春の時をもったいないですね、

素敵な彼が見つかったかもしれないのに」

亮は智子の戻らない4年間を気の毒に思った。


「そうね、素敵な恋をしたい」

「きっとそうなります。大原さんなら

きっと素敵な男性が見つかります」

「ううん、あなたのような男性は無理かも」

すっかり亮に惚れてしまった。智子は亮の手を握った。


「あの、今度僕にも見せてください・・・・ミニ」

重々しい雰囲気になったので亮は話しを切り替えた。

「うふふ。良いわよ、亮の為に会社の

中でも制服のスカート短くしてあげる」

「それは伝説のドラマ ショムニか・・・・」

亮はAVのようなシーンを想像して赤面した。


「今日今から会ってほしい人がいます」

「だれ?」

「力になってくれる女性です」

亮は内村の秘密を暴くために

絵里子の力が必要だと確信した。

「えっ、私を女性に会わせるの?」


「これを解決するのに彼女の力がどうしても

必要なのが分かりました。出かけましょう」

「分かった。急いで支度をするわ」

支度を終えた亮と智子が銀座に向かった。

銀座4丁目の裏通りにある場所にあるケーキ店

ル・フルールの奥の席にセレブ風の女性が座っていた。

ル・フルールは行列のできる店でTV取材を多く受ける

人気の店だった。


「おはようございます。絵里子さん」

亮は絢香と手を繋いだ絵里子に声をかけた。

「はじめまして、黒崎絵里子と絢香です」

体中から色気を発している美女を見て息をのんだ。


「はじめまして、松平君の会社の同僚の大原智子です」

二人が挨拶を終えると亮は智子に

絵里子が銀座のクラブ蝶のママ

である話をした。

幼くてかわいい絢香は亮になついて

時々亮の膝の上に乗ってケーキを食べていた。


「亮、その頭素敵よ。若々しくてカッコイイ」

絵里子が頭をなでていた。

「ありがとうございます。昨日

美容専門学校に行ったらカットされました」

「メガネも外しなさいよ。

どうせ度がついていないんだから」

絵里子に言われ亮はメガネを

外すと周りにいた女性が亮を

チラ見し始めた。


「外に行列が出来ているようですが

よく入れましたね」

智子は絵里子が一番奥の特等席に

座っていたのが不思議だった。

「うふふ、そうね」

絵里子は亮の方を見て笑った。


「実は絵里子さんにお願いがあって・・・」

「何でも言って、あなたの頼みは何でも聞くわ」」

亮は智子と内村の話を説明した。

「それは許せないわね。女を馬鹿にしている」

男性にサービスをしてお金を稼いでる絵里子にとって

女の体をタダで弄んでいる内村が許せなかった。


「で、私は何をしたらいいの?」

「内村と言う男は無類の女好きで、

気に入った女が片端から

声をかけるらしいんです」

「そうなの?今どき珍しい肉食系ね」

絵里子は智子の顔を見つめた。


「はい、家でかなりのストレスが

あると聞いています」

「だからと言ってはけ口を他の

女にぶつけるのは見当違いね」

「はい、その通りです」

「それで私はどうすればいいの?」

亮は絵里子に聞かれて粗方の説明をし

作戦の説明が一段落すると絵里子が智子に言った。

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