第7話 勉強しているとレベルが上がる
- 経験値1を獲得しました。 -
- レベルが4に上昇しました。 -
俺の召喚獣達の頑張りで、ほぼ一週間何もせずとも、生活費が稼げた上に、レベルがなんと4にもなった。
妹は、『世界の冒険者入門書』という本を全て読んだらしく、色々アドバイスをくれ始める。
元々気が弱く、何とかなるといっていたホロくんのために、読んでいたと思われる。本当に出来た妹で自慢の妹だ。
パシーン!
「お兄ちゃん! 居眠りしないで!」
「は、はいっ! エリー先生!」
妹が言うには、加護を貰ってから初めてレベルが付与され、レベルを上げる事で新たなスキルを得たり、ステータスが上がるそうだ。
スキルはレベル1で基本的なスキルを得て、あとは10ごとに得られるらしい。
召喚士だけは弱すぎてレベル1の部分しか書かれていなくて、10で何を獲得出来るのかは不明だ。
- 経験値10を獲得しました。 -
「お兄ちゃん」
「はい!」
「接近職と支援職、魔法職くらいは覚えたね!?」
- 経験値20を獲得しました。 -
「えっと、剣士のように接近で戦う職が接近職で…………」
- 経験値50を獲得しました。 -
「弓使いが確か~遠距離職で……」
- 経験値100を獲得しました。 -
- レベルが5に上昇しました。 -
「魔法職は魔法を使う職全般を指す言葉で…………」
- 経験値200を獲得しました。 -
- 経験値300を獲得しました。 -
- レベルが6に上昇しました。 -
「待て待て!」
「? どうしたの?」
「何やらログがうるさいぞ!?」
「ろ……ぐ? なにそれ?」
- 経験値1000を獲得しました。 -
- レベルが7に上昇しました。 -
「召喚獣達! 待て待て! なんでいきなりこんなに経験値が入るんだよ! 経験値1が4桁とかになってますけど!?」
『マスター、森を抜けて山に入りました』
「山……? そこのモンスターを倒しているの?」
『はい……』
怒られていると思っているのか、ゴーレムくんの声が少し震えている。
「あ~、怒ってるとかじゃないから、急に経験値が増えたから驚いただけだから! みんな無理はしないでね?」
『はい! 頑張ります! マスター』
「お、おう……」
ゴーレムくん達の意気揚々とした気持ちが伝わって来る。
ついでにサラくんとシルくんも向こうに行きたいと申し出たので了承した。
現在はグーくんが僕を、ウンちゃんが妹を守ってくれている。
「どうしたの? お兄ちゃん」
「召喚獣達が初心者の森を抜けて山に入ったらしくて、経験値が爆増しちゃって」
「…………」
「取り敢えず、経験値獲得連絡は切っておくよ」
「はい。ではお勉強の続きをするよ?」
「は~い」
エリー先生の勉強が数時間続いた。
◇
やっと勉強時間が終わり、妹が夕飯の準備をしてくれている間に、俺は【ステータスウィンドウ】を覗き込んだ。
――――――――――――――――
【レベル】 19/100
――――――――――――――――
………………ん?
あれ? さっきまでレベル7だったけど、19って見えるんだが?
きのせいか?
もう一回。
――――――――――――――――
【レベル】 20/100
――――――――――――――――
「もっと上がってんじゃねぇかよぉおおおおおお!」
思わず叫んでしまった。
「お兄ちゃん、今度はどうしたのよ」
「えっと、レベルがまた上がってさ」
「そっか。おめでとう?」
「う、うむ。ありがとう」
「召喚獣達も褒めてあげてよね?」
「分かった」
取り敢えず、ゴーレムくん達を褒めてあげると、喜んでいる声で返事してくれる。
貯まったログを覗くとするか。経験値獲得は見ても意味がないからフィルタを掛けて…………。
- レベルが10に上昇しました。 -
- スキル【中級獣召喚】を獲得しました。 -
- スキル【召喚持続時間上昇】を獲得しました。 -
- レベルが20に上昇しました。 -
- スキル【中級軍団召喚】を獲得しました。 -
- スキル【召喚数+1】を獲得しました。 -
勉強している間に、急激にレベルが上がり、新しいスキルを四つも手に入れた。
ただ、【召喚持続時間上昇】と【召喚数+1】はスキルが灰色の文字で書いてある。
どうやらエキストラスキル【召喚獣の心】が強いせいで、上記二つは上書きになるみたい。
さてさて、【中級獣召喚】はゴーレムくん達の上位の存在を召喚出来るんだね?
今から使ってみたかったけど、流石に家の中で使うと怒られそうなので、明日朝に試そうかなと思う。
妹が夕飯が出来たという事で、夕飯と取りながら新しいスキルを説明。
二つも増えたと話すと「へぇー、お兄ちゃんもうレベル10になったの」と言われ、「いや20になったよ」と返すとジト目で見つめてきた。
何もしてないのに、こんなにレベル上がって大丈夫だろうか?
『マスターの喜びは、僕達には最高の喜び!』
心配している僕をよそにゴーレムくん達とサラくん達は山のモンスターをますます狩り続けてくれた。
◇
その頃。
ギレイラ山でモンスターを乱獲していた恐怖は、遠目に町を発見。
ゆっくりと降りては、町を襲う。
町では屈強な兵士達もいたが、恐怖の前では全く歯が立たず、数刻で町が崩壊した。
恐怖はまた新たな獲物を狙い、道沿いを歩き出す。
その道の先にあるかも知れない獲物を目指して歩き続けた。
クインズ町に続いている道を。
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