第2話 ご案内

「会議室の説明はこれぐらいにして、他の部屋をご案内致します。」

「ありがとうございます。」


 ドアを出ると、

「こちらがゲートになります。」

イリアが指し示すところにいくつかの魔方陣がありました。

「こちらの魔方陣が各フロアにつながっています。魔方陣を出た先は各フロアの隠し部屋になっています。お時間のある時に各フロアを見て回るのもいいでしょう。次に行きます。」


 先を歩くイリアについていく。会議室を出るとそこは食堂だった。

「広いですね。」

「20人ぐらいは入れます。昨日の残りがございますので、今日はそちらをお召し上がりください。今は料理人もいませんので、明日以降、料理はご自分で用意してください。」

「食材はどこに?」

「食材はそこらへんにモンスターがおりますので、ご自身で調達してください。調味料は色々と残っていますのでご自由にお使いください。」


 そのまま歩いて行くイリア。

「次はダンジョンマスターの私部屋になります。まずは一通り説明して回りますので、説明の後、こちらでおくつろぎください。」そのまま歩き続けるイリア。


「こちらはダンジョンのコアルームです。ダンジョンマスターとサブマスターしか入室権限がないので私も入ったことはございません。最も大事な部屋ですので、後で確認してください。」

「わかりました。」

「次にいきましょう。」


たくさんのドアが並ぶスペースに到着。20戸ほどありそう。

「こちらが事務官の部屋になります。私は6号室を使用しています。」

「こんなに事務官がいるんですか?」

「ピーク時は満室になりましたよ。今は私1人だけですが。」

「えっ!1人なんですか!」

「勇者がダンジョン攻略を終えたので、私以外はみんな異動しました。」

「え?えっ~と、今一つ状況がわからないんだけど。」

「もしかして、状況説明を受けずに赴任されたのですか?」

「そうなんです。時間がないからって、何も説明ないまま転移させられたんですよ。」

「はぁ~。そうですか。どこから説明しましょうか。」

「ここがどこか、から教えて頂けますか。」

「そこからですか!本当に何も説明を受けていないんですね。」

「すいません。」

 イリアは呆れた様子ながら、咳払いをしてダンジョンの説明を始めるのでした。

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