角色編④ 謝玄幽・老不殤・陳芹

幽明系列の死霊術師たちです。今後の展開があるためあんまり詳しく書けないので、まとめて紹介します。



※『訪い人』のネタバレがあります! 未読の方は注意!



***



謝玄幽シエシュエンヨウ

昨年八月の第四回こむら川小説大賞にて、「死んでも生き返る男と死者を操る男のコンビものなんてどうだろう⁉」というアイデアのもと生まれた幽明系列の中核キャラクターです。その時にぱっと浮かんだチャイナ服と三つ編みの細身の青年術師という、ザ・中華ファンタジーという見た目をそのまま採用しています。一番最初は丸メガネもかけていたんですが書いてる間に消えました。


死霊術師イコール食えない連中、というイメージはこの時からずっとあったんですが、『訪い人』で描いた陰霊城の様子や陳芹の言動から見るとかなり気を張りっぱなしな環境だという……ごめん謝玄幽。もちろんこの辺は後付けなので、おいおい活かすと思います。



老不殤ラオブーシャン

陰霊城の長老、老不殤大人です。『英雄譚』長編化計画の中で、謝玄幽の師匠として後付けで生まれたキャラクターです。


名前を分解すると「老=老ける」「不=〜でない」「殤=早死にする」となり、死霊術を百年修行しているということと合わせて「早く死なずにめっちゃ長生きしてる」というような意味を持たせています。要は偽名です。ちなみに「殤」の字と意味を知ったのは虚淵玄とサンダーボルトファンタジーのおかげだったりします。繰り返しますが小辰は布袋劇のオタクです。布袋劇はいいぞ。


実は彼女も王仙羽同様、金光布袋劇にモデルがいます。ということでオタクトーク二巡目。

金光布袋劇は息は長いけど52年間ずっと話が続いているわけではなくて、最新作に繋がるシリーズが始まったのが2000年に入ってからなんですが、この超初期の作品に登場した悪役組織に西劍流という東瀛とうえい(中華ファンタジーで東瀛というと日本のことです。テストに出たらサービス問題!)の忍者軍団があって(※まじです)その西劍流ナンバーツーの祭司こと桐山薫きりやまかおる(別名まもる 金光布袋劇には東瀛人がいっぱい出てきます)が老不殤のモデルです。権力のある年齢不詳・性別不詳の方術の達人で黒いマントをすっぽりかぶっていて、実は女性で……というあたりがそうですね。



ちょっと何の話してるのか分からなくなってきたのでこの辺で切り上げます。気になる方は金光布袋劇を見てください! 薫が出てくるのは黑白龍狼傳と決戰時刻と九龍變のめっちゃ最初の方です! 仙羽のときに紹介した史豔文も出てくるよ!



ということで次!



陳芹チェンチン

『訪い人』の黒幕、毒と暗器と死霊術の三刀流のおっちゃんです。


連載始めたての頃に陳芹の関西弁に反応された方がけっこうおられたんですが、これはTwitterでも答えたとおり、金庸の『射鵰英雄伝』に登場する周伯通という、主人公の郭靖と義兄弟になるおっちゃんが関西弁をベラベラ喋ってるのが面白かったからというだけの理由で採用したもので、実際のどの方言・どの発音で喋ってるというのはあんまり考えてないです。『射鵰英雄伝』以外の金庸作品でも方言とか訛りの話題は出てくるし、現在広く使われている標準語だって決められたのは何千年という歴史の中のつい最近の出来事だというのもあるので、まあ訛りが強烈でも別におかしくはないやろ、というかんじです。あと普通語も南方とか台湾の人は一部の発音ができないって言いますし。


あと関西弁というと京阪神で言い回しが微妙に違うというのがありますが、普段自分が喋る関西弁をベースに書いたのでちょっと京都寄りになってるかと思います。「~できひん」とか「~してはる」みたいな言い回しがちらほら出てくるのはそのせいです。


そして余談。書いてる途中で邪教組織にいた過去がありそうだなあというのを思いついたんですが、上限ギリギリの字数なので当然盛り込む余裕もなく、今後使うときが来るのかも分からないのでここで出しておきます。設定の供養。

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メイキング・オブ・幽明系列 故水小辰 @kotako

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