世界設定その5 ガルーナ王国
主人公であるソルジェの故郷、それがガルーナ王国です。
大陸北東部に位置する、それほど大きくはない国になりますが、一体どんな国家だったのでしょうか?
・概要
王家の交代を経ながら500年の歴史を持つ武勇に優れた北方の小国です。
竜騎士を持ち、周辺諸国との戦乱の歴史を歩んだ王国。
乱暴さと粗雑を帯びた発展の度合いが低め、亜人種と人間族が奇跡的な共存を果たす北方蛮族国家、それがガルーナです。
・環境
ガルーナ王国はその緯度の高さと、標高のある高い山々に囲まれて海との接続が基本的にない内陸国家です。
土地の標高も平均して高いため、気温も低めの土地になります。
農作物を作るよりも、狩猟による毛皮の獲得、放牧による牛などの畜産業が盛んです。
また鉄や銅など、鉱石の採掘も盛んです。
乳製品、肉料理が好まれています。主要な穀物は自給他足、周辺国家からの輸入により賄われていました。
穀物の主要な輸入相手は、同盟国でもあったファリスになります。ファリスには北方の獣たちの毛皮、鉄製品などを輸出することにより、外貨の獲得、穀物類の購入などにあてていました。
北の海から吹いて来る湿った風が高い山脈に当たることにより、それなりの降雨量があります。また、雲が山肌にあたるため、そこからじっくりと水が浸透、国内のあちこちに湧水があり、それらを使った酒類の生産も行われています。
大きな川は少ないですが、いくつかの湖があります。これも豊富な地下水が湧き出した結果、たまったものです。
・政治
王制であり、代々、ガルーナ王家もしくはその縁戚になるガルーナ貴族のあいだから王が誕生して来ました。基本的には親子代々で王位は継承されていきます。
多種族国家です。
人間族が多いのはその他の地域とも同じことですが、亜人種への差別を政治的に行っていませんでした。
そのため、他の土地からも亜人種が多く流れ着くこともあり、結果として多人種の国家となりました。
亜人種の貴族もほんのわずかな数がいましたが、基本的には主流は人間族であり、貴族同士の婚姻は人間族同士がメインとなっています。
ソルジェのストラウス家もガルーナ王国の貴族の一種であるため、その血筋は人間族で形成されています。
亜人種への差別はありませんでしたが、異種族間の婚姻に対して全面的に肯定的だったわけでもありません。
亜人種を差別しなかった理由は、一般的に未開の土地に属する北方諸国全般では、亜人種の持つ能力と、人間族の数が協力し合うことで暮らしを成り立たせることが一般的だったためです。
エルフは薬草医、ドワーフは鍛冶屋など、種族の特性や文化に応じて、『得意な仕事』があるため、未開の土地であるほど亜人種たちの技能は尊ばれます。
また、内陸国家であるガルーナ王国にとって、国外との貿易を担ってくれる外部の存在は歓迎したい側面があり、ガルーナ王国の亜人種に対する政治的スタンスに引かれてやってくる亜人種系の商人たちはガルーナ王国にとって有益な人々だったのです。
そのため、ときには国の外の亜人種国家、あるいは集団とも同盟を結んだりすることもありました。
結果としてガルーナ王国は亜人種勢力の守護者ともなっていき、外交を盛んに行ったベリウス王は『亜人種びいきの魔王』と呼ばれるようになったのです。
ベリウス王の政治的な計画としては、亜人種とのネットワークを用いることで貿易を発展させたいと考えていましたが、亜人種に対する差別は大陸各地で強まり続けていたため、政治的な孤立を招いてもいきました。
国是とは異なりますが『亜人種びいき』でなければ、差別意識の連帯がその他の人間族主体の国家とのあいだに協力関係を維持したかもしれません。
亜人種保護の代償として、ファリスの不満を買ったりもしたことが裏切られる原因の一つになっています。
・軍事力
1.ガルーナ王国竜騎士団
古竜アーレスの子供や孫である十数匹の竜と、それを乗りこなす竜騎士たちにより形成されたガルーナ王国最強の部隊です。
竜騎士はストラウス家や、その傍流の一族(主人公ソルジェからすれば親戚たち)や、ときにはストラウス家と全く無関係な出自の者が、長い訓練と選抜試験の結果に選ばれていきます。
竜の強さ……アーレスやゼファーは『耐久卵の仔/グレートドラゴン』であり、他の竜に比べて数倍の強さを誇ります。
アーレスは老いているため、その全力はとっくの昔に失って引退していますが、無理をすれば現役の竜(子および孫たち)以上の力を短期間だけ発揮することが可能です。
物語が始まる前に、全ての竜と竜騎士はバルモア連邦と戦い敗北して戦死しています。
2.ガルーナ王国軍
騎士や歩兵から成る通常軍隊です。竜騎士と異なり特殊性はありますが、ガルーナ王国人そのものが野蛮な性格をしているため、戦力は通常の兵士よりも高いものがあります。
3.ガルーナの城や砦
高い崖の上などに作られた城塞は頑強であり、攻め込む敵に対して頑強な守りとなります。
硬い岩盤の土地でもあるため、石材を確保することには困りません。
4.武装の質
鉄が採れることと、武術が盛んであるため、武器や防具の開発も盛んに行われていました。
とくに竜騎士の装備は異常な発達をしていますが、一般的に防具よりも武器を好む文化であったため、防具の発展はイマイチです。
剣、太刀(東方諸島/バルモア連邦含むからの伝来した技術)、槍、弓は水準以上、防具全般は頑強さに欠き、攻撃性を重んじるガルーナ王国軍は攻撃こそ強いものの防御は弱さがありました。
城塞の頑強さに防御を頼ることと、移動力を意識したことで攻撃に対してアンバランスな装備が開発されていきました。盾に対してはとくに否定的なのも文化的な特徴です。
少なからず鉄が採れたことも、武装への探究に対する欲求を低くしていました。多くあるため、執着が湧きませんでした。鉄は基本的に外貨獲得用の交易品でもあります。
5. 戦術
人間族と亜人種が入り混じった軍勢であり、その特性を理解すれば器用に戦える構成となっていました。
反面、使いこなすには熟練の指揮官や指揮系統の存在が不可欠であり、バルモア連邦との戦いでは有能な将が戦の初期に討ち取られたこともあって、機能不全が起きています。
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