世界設定その3 人種



この物語の世界においては、さまざまな人種が登場します。

なお全ての人種が同じ動物の亜種に過ぎないため、普通に交配することが可能です。

寿命も基本的に同じですが、外見や能力に差があります。


1人間族


最も人口が多い人種が『人間族』です。主人公ソルジェも人間族であり、作中で『亜人種』と呼ばれないのは人間族のみです。


特徴がないのが特徴な種族で、いわゆる人間とそのものになります。


なお『狼男』、『吸血鬼』、『熊神の落胤※熊に化ける人々、熊版の狼男』などは、呪いで変化する人間族が多く登場しますが、人間族以外でもそれらになる可能性はあります。種族ではなく、呪いで変化した者たちなのです。




2エルフ族


耳が長いことと強い魔力を有する者が多いこと、それがエルフ族の特徴です。

猟兵リエルなどがエルフ族です。


最高の魔術師はおよそエルフ族かその血を引く者から誕生しています。

また弓の使い手も多くいて、戦闘的な種族でもあります。


種族の文化的な特徴として、自然を崇拝気味なところと古い伝統を評価する傾向で一致しています。


エルフ族は多くの集団に分かれていますが、全ての集団に共通して権威を有する古い文化の一つが『宝石眼』です。


全てのエルフたちの始祖らが持っていた、『宝石のように美しく輝く瞳』です。発光したりはしていませんが、独特の美しさを持った瞳を『宝石眼』と呼び、これを持つエルフは古い王家の血筋にあたる者として、ほとんど無条件にエルフから尊敬されます。


リエルはそれを持っているため、各地のエルフ族から排他的な扱いを受けるどころか、歓迎されたり重んじられたりするわけです。



3ケットシー族/妖精族


ソルジェの妹である猟兵ミアの種族がケットシー族です。

別名では妖精族であり、小柄なことと人間の耳とは異なり猫耳を有していることが種族の特徴になります。


軍事的な強さを発揮したことが少ない種族であるため、ケットシー族の国家は多くはありませんが、盗賊、行商、暗殺者、芸人などに優れた才能を多く輩出しています。


『風』の魔力を多く有した者が多く、『風』の魔術師や、ケットシー族の特徴である運動能力を更に魔術で強化することにより、有能な戦士にもなれます。


小さく華奢なことから妖精などとも呼ばれることもある種族ですが、したたかな強さを持った人物が多いのも特徴で、歴史上最強の暗殺者はケットシー族でした。



3巨人族


2メートル以上の体格を有した巨大な人々、それが巨人族です。

基本的には高身長で筋骨隆々な外見を持ち、その一方で物静かでやさしい性格を持った人物が多い種族です。


名字を持たない文化を持っており、それは部族集団同士で争うことを禁じるために決められた文化です。

巨人族は皆兄弟であり家族、といった哲学を目指して生まれた文化になります。


巨人族の集団同士による大規模な紛争は起きたことがないともされるほどには平和的な種族である一方、他者に従属することも多く、長い物には巻かれろの精神を持ってもいます。


平和的で賢い性格ゆえ、自分たちが支配されることに耐えて多くの者が平和に暮らせるのであれば、それは選択として正しいとい考える利他的な人々です。


そういった利他的で、大多数種族である人間族の支配を受け入れた巨人族を『秩序派』と呼び、巨人族のなかでも嫌っている者は少なくありません。


猟兵ガンダラは『秩序派』を嫌っていますが、兄であるガンジスは『秩序派』の信奉者でもあります。



4ディアロス族


左右の側頭部から後方に生える『水晶の角』を持ち、『ユニコーン』という『水晶の角』を移植した愛馬を駆る北極圏に住む種族、それがディアロス族になります。


北の大地で狩猟と交易をして暮らしている種族であり、猟兵ロロカはディアロス族です。


おもに北極圏に住んでいて、滅多と南下することはないためあまり有名な種族ではありません。知っているとすれば、それなりに博学な人物であることの証にもなります。あるいは、北極圏に旅したことがあるかです。


文化的に他者との交流は少ないものの、錬金術の研究者でもあります。

単独で北極圏で生活するために、金属や薬剤の製造技術が特化しています。


『水晶の角』も『ユニコーン』も、ディアロス族特有の錬金術の産物であるため、北極圏に住む閉鎖的な蛮族とは呼びにくい文化を持っています。


『ユニコーン』はディアロス族と一心同体であり、ディアロス族の意のままに動いてくれる最強の馬です。通常の馬とは異なり、その最高速度は300キロに達します。


戦場においては最強の騎兵となるのが、ディアロス族と『ユニコーン』です。




5サージャー族


いわゆる『三つ目族』であり、額に三番目の瞳を有している種族です。

元々は高山に隠れ住んでいた少数種族でしたが、帝国の領土拡大に伴い一族は離散。

額の瞳を閉じてさえいれば、人間族としか見られることはありません。

そのためサージャーたちは、人間族に溶け込んで暮らすことを選択しました。


三つの目を使うことで、驚異的な空間把握能力を発揮します。

同時に放たれた複数の矢の位置や速度、軌道の角度などを全て読み解いてしまい、運動能力の高い人物がサージャーの三つ目を持っている場合は、あらゆる攻撃を回避するような武術の達人になれるかもしれません。


また三つ目は『三大属性』の魔力の流れを完璧に把握するため、優れた視野と空間把握に加えて、魔力でも対象物を観察することが可能です。


とにかく『見る能力に異常なまでに長けた種族』、それがサージャーになります。



6ドワーフ族


無骨で野太く低身長、短めな手足を持つものの極めて頑強な種族、それがドワーフ族です。


さまざまな民族が大陸のあちこちで暮らしていますが、戦士や鍛冶師であることが多いことが特徴です。

金属や鉱石と『対話』することが可能な種族であり、それが鍛冶師としての才能を強化しつつ、鍛冶や金属加工への情熱の由来となっていることが多くあります。


軍事的に成功したドワーフ族も多く、戦士も多い傾向ゆえに、ドワーフ族だけの王国は古くから各地に作られていて、その多くが独立独歩を志し、極端なドワーフ王国であれば鎖国政策を実施していることも多いのです。



7フーレン族


ハイランド王国に多く住む、長いしっぽが特徴の戦闘民族です。

驚異的な身体能力と、ハイランド特有の荒々しく暴力的な価値観を持つため、生粋の戦闘民族といった人々が多くいます。


猟兵シアンはフーレン族であり、フーレン族の理想的な戦士そのものです。左右の腕が操る刀に、加速と減速を自在に行える強靭な脚の持ち主。


唯一の弱点は、フーレン族には魔術師が少ないことですが、フーレン族のなかには少ない魔力を使い『呪術』を己に刻み付け、より強靭な身体能力が発揮できる姿に化ける者がいます。



8人魚族


普段はヒトの脚ですが、水中にいるときには下半身を魚の形に自在に変化させることが可能な種族、それが人魚です。


極めて数が少なく、水中や海中に王国を築くことがあるため、他の種族と関わることそのものが困難であり稀有です。


身体能力が異常なまでに高く、見た目に反して強靭な身体能力を発揮します。



9『狭間』


異種族間に生まれた人々を『狭間』と呼んでいます。

人間族との混血が多く、彼らは亜人種としての特徴が薄くなっていることが多い。

ハーフ・エルフは耳の長さが短くなり、ハーフ・ケットシーは『垂れ耳』になります。


なお『狭間』の多くは能力的に先祖返りを起こしていて、種族の特徴をより強く発揮する傾向があります。

ハーフ・エルフは魔力がエルフよりも高くなる、などです。


そのため亜人種からは『血を盗んだ』と呼ばれ嫌われてしまうことも多く、人間族も異質な者への排他的な性質は亜人種よりも高いため、『狭間』はどちらからも迫害される傾向にあります。


なお亜人種同士の混血では、どちらかの親の種族と同じ姿となるため、そちらの種族に紛れることがありますが、その子供の世代に親のもう片方の種族の特徴を持った子が生まれることがあります。


こちらの場合も嫌われることが多く、相続でもめることも増えてしまいます。



10灰色の血


あらゆる種族の混血となるように、デザインされて生まれた人々。

『全ての種族の特徴が燃え尽きて灰色』になった、という考え方からつけられた名前。


有能で器用な人々が多い反面、偶然このような血を持つ者が生まれることは少なく、ほとんどの場合で周囲に管理された結果、生まれています。



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