世界設定その1 『魔力』




この物語の世界には『魔力』が存在しています。

簡単に言えば『魔術』や『呪術』を使うためのエネルギーですが、細かな設定も用意しておりますのでご紹介していきます。



1『魔力』のある場所


自然界の全て、あらゆる物質に『魔力』は宿っています。原子や分子や電子と同じく、この世界の物質の構成に深く関わる普遍的なものです。


なお『魔力』を多く含有する物質も存在します。

人体であれば『血液』に多く『魔力』が含まれています。赤血球に『魔力』は多く含まれていて、体からの出血によっても『魔力』は消耗していきます。

血液に多くの魔力が含有される傾向は人体以外にも、多くの動物に共通しているため、『魔力』を効率的に回復させる方法として、『動物の肉を食べる』という方法があります。お肉の赤身は毛細血管が豊富で、多くの血液を含有するから赤い色をしているわけですから、赤身を食べるほどに効率的な『魔力』の摂取が行えます。


さらに言えば『血液そのもの』を飲むことでも、効率的な『魔力』の摂取にはなりますが、通常の生物の細胞が『魔力』を取り込むためには胃袋での消化と腸での吸収が行われる必要があり、過剰な速度で『魔力』を吸収することも困難です。


『吸血鬼』以外は、『血液そのもの』から大量の魔力を瞬時に吸い取ることは不可能になります。




2『魔力』の質/『属性』


この世界の魔力は複数の『質/属性』を持っています。

ソルジェたちヒト(『吸血鬼』以外の人間族および亜人種全て)が使える魔力の『属性』は三つだけです。


『炎』、『風』、『雷』とカテゴライズされた魔力だけを、ヒトの感覚は察知することが可能であり、またヒトに使うことが許されています。


作中で使われる魔術の大半が、これら三つの属性のいずれかに属していて、『三大属性』と呼ばれています。



3『三大属性』の法則


作中で多用される三大属性の魔術には、相性があります。

・『炎』の属性は、『風』の属性に対して弱く。

・『風』の属性は、『雷』の属性に対して弱く。

・『雷』の属性は、『炎』の属性に対して弱い。


『炎』を『風』で操って避けたり、『風』を『雷』で裂いて無効化したり、『雷』を『炎』で歪めたりすることで防げます。


この相性は同格の魔術師同士においてはほとんど絶対の序列として機能します。当然、力量差が明確である場合は、この不利な相性を克服してしまうこともありえます。


例えば、竜ゼファーの吐く『炎』などを並みの魔術師が『風』で防ぐことは不可能なことです。



4それ以外の属性


とてもややこしいことですが、実はこの物語の世界には『三大属性』が以外にも『属性』が存在しています。でも二つだけなのでご安心を!


四番目の属性は『氷』、五番目の属性は『闇』となります。


・第四属性『氷』

本来は『氷』も『三大属性』と同じく、ヒトが使うことが可能でした。

しかし、1200年前にこの物語世界へと介入した異世界の神(『侵略神/ゼルアガ』と呼ばれるこの世界に脅威をもたらす悪い神々です)の一体によって、世界の法則は歪められてしまいました。


『侵略神/ゼルアガ』の介入の結果、第四属性『氷』をヒトは使うことはおろか、認識することさえ出来なくなりました。

『三大属性』の魔力を、ヒトは感じとることが可能ですが、『氷』を感じとることは基本的に不可能になります。

感覚の一つが失われたようなもので、『侵略神/ゼルアガ』という悪い神は、こういった世界の法則、世界のあり方そのものさえも変えてしまう危険な存在です。


・第五属性『闇』

それ以外四つの属性の頂点に立つ支配的な属性、それが第五属性『闇』になります。

『闇』の特徴は、それ以外の属性で作られた魔術を全て『無効化・吸収』してしまうことになります。


どんな強大な魔術師であっても、『闇』を使う存在には無効化されてしまうわけです。


とても強くて便利な属性と言えますが、第五属性『闇』もヒトには使うことは許されていません。


『吸血鬼』と呼ばれる特殊な呪いの支配下にある者たちだけが、この『闇』を使いこなすことが叶います。




5『三大属性』と『氷』



『侵略神/ゼルアガ』に介入されるより以前は、ヒトも『氷』を自在に認識、使役することが可能でしたが、介入以後は変わってしまいました。


『三大属性』の法則の力関係は、それ以前の魔術の体系と大きく異なっていますが、1200年以上前のことなので、あまり問題視されることはありません。


『氷』を使う方法は、『氷』を使うことを可能としている特定の生物から、『氷』属性の魔力の結晶体/魔石を回収し、それを道具として使用することになります。


ソルジェの竜太刀は初期の状態において、アーレスの角が持つ魔力を抑制する手段として『氷』の魔石を使用していました。※『氷』の魔石が刀身の構成に使われています。


『風』の魔石でない理由は、ヒトの魔力の形質と異なり、『氷』でなければ竜の『炎』を抑制することが出来なかったからになります。

ヒトとは異なり、竜の魔力は『三大属性の法則』よりも古い属性の法則に従っているからです。『侵略神/ゼルアガ』は『ヒトから『氷』を認識し、操る力』を奪いましたが、他の生物においては不完全な法則の変化しか及ぼしてはいません。



6『魔力』と臓器


『魔力』は血に多く含まれて、人体を駆け巡っています。

そして、それぞれの臓器に対して蓄積している『魔力』の属性の量が異なってもいます。

心臓と筋肉と肝臓は『炎』、肺と腎臓と胃腸などは『風』、神経系や感覚器は『雷』が多く含まれています(各臓器にそれぞれの属性しか含まれないわけではなく、より多く支配的に含まれている、という意味です)。


猟兵たちは解剖学を修得済みであるため、それらの臓器に有効な毒や戦術を用いることもあります。



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