【お知らせ】とにかく佐野君にお願いしてみた

 暑い。

 夏真っ盛りである。

 それでも山の上は比較的涼しいから、扇風機をつけていれば夜もそれなりに眠れている。


「オキロー!」

「ぐええっ!?」


 今日は何もないからと何も言わないで寝たというのに、何故かタマがノシッと俺の足の上に乗った。それだけでなく丸っこいメイが俺の腹に飛んできたことで、最悪の目覚めとなった。飛び乗るんじゃないよ、全く。

 どういうことなのか説明してほしい、と思ったら、まだひよこに毛が生えたようなメイが嘴に手紙のようなものを咥えていた。


「ええっ? もしかしてまたなのか!?」


 さすがに驚いた。

 そんなに続くとかないだろ? と思ってしまったが、タマに早く受け取れとばかりにつつかれたので、メイから手紙を受け取った。

 タマとメイにじーっと見られながら上半身を起こし、メイを抱えたまま読むことにした。


「えっと、なになに……おめでとうございます! 『前略、山暮らしを始めました。』はとうとう10巻を迎えることになりました。つらい思いをして山に逃げてきた佐野君の、ニワトリたちとの微笑ましい生活がなんと10巻です!」


 ……ってなんかこの書き方悪意を感じるな。事実ではあるんだが、ひどくね?


「発売日は2025年11月10日(月)です。今回もイラストレーターはしのさんです! 表紙も口絵も全て最高なので楽しみにしていてくださいね。今回もかわいいが溢れております! ってそれは見たいな。メイも成長してるんだよな? いてっ」


 メイにつつかれた。離せと言いたいらしい。つんつんと俺の腕をつついている。

 こんなに小さくてかわいい頃は一瞬だったじゃないかー。

 つつかれてもかわいくてついデレデレしてしまう。


「もっと堪能させてくれよ、メイ~。えっと、続き続き……」


 タマさんの視線が怖いので続きを読みます、ハイ。


「10巻は梅雨の後半から8月半ばまでとなります。メイがひよこからだんだんと成長していく様子をお楽しみください。山唐さんご夫妻が営んでいるレストランに向かい、ニワトリたちについての話を聞いたり、俺の土地のことでごたごたがあったり、リエちゃんの誕生日があったり、俺の土地のごたごたが片付いたり、また夏祭りに行ったり、ごみ拾いウォークを開催したりとイベント盛りだくさんな内容となっています。夏か……確かになんかいろいろあった気がするな……」


 ちょっと遠い目をしたくなったが、タマの目が怖い。


「えーっと、webの連載分は、554話から618話までです。本文中に加筆が多めで、冒頭にニワトリたちの戯れエピソードが入り、一話分は丸々書下ろしました。そんなわけで書下ろしは一本です。書下ろしの内容はポチ視点の物です。楽しんでいただけると幸いです。ポチ視点の書下ろしか。それは是非読みたいな。普段ポチって何考えてんだろ?」


 首を傾げ、まだ小さいメイを抱えて立ち上がる。布団を畳むのは後だ。

 ピイッ、ココッ! とメイは不思議な鳴き声を上げた。そっか、そんな時期の話かと和んだ。


「今回もページ数ギリギリまで収録していますので、どうぞお楽しみに!」


 作者も随分がんばっているのだなぁと思いながら、メイを抱いて居間へ移動する。

 今朝もタマとユマが卵を産んでくれていた。ありがたいことである。

 メイをそっと下ろして卵を回収させてもらった。


「いつもありがとうなー」


 卵をそっと布で拭いて籠に入れた。

 居間の本棚には、『前略、山暮らしを始めました。』が1~9巻まで収まっている。思えば遠くへ来たもんだ、とか言いたくなった。


「とうとう10巻かー。なんか早いよなぁ……」


 呟いて、俺はニワトリたちの朝ごはんを用意することにした。

 今日、ポチとタマはメイを連れてこの山を少し散策させる予定のようである。


「気を付けていってくるんだぞー」


 ユマはいつも通り俺と一緒にいてくれるらしい。みんなかわいいよなーと今日も俺は幸せだと思ったのだった。



 一方その頃、ニシ山では。


「とうとう10巻ですか。感慨深いですね」


 相川氏が本棚に収まった本を眺めながら呟きました。


「618話まで収録というと、アルファポリスで書いていた以上の部分が書籍に入ることになるんですね。書籍化してここに至るまでに約三年ですか、すごいことだと思いますよ」


 相川氏に褒められました。ありがとうございます。


「今回はwebと書籍の内容で一部変更した部分があります。リエさんと僕の従弟に関する内容ですが、二人のことは温かく見守っていただけると幸いです。ハッピーエンドだけは変わりませんので、これからも安心してお読みください」

「カツミ、シイタケ」


 リンさんが家の戸を開けて、籠いっぱいのシイタケを採ってきたのを相川氏に見せました。


「ああ、夏のさなかでも生えるところはあるんですね……ありがとう、リン」


 相川氏はため息をつきつつ、シイタケを受け取りました。まだまだシイタケ祭りは終わりそうもありません。


 というわけで、待ちに待った「山暮らし」10巻は11月10日(月)発売予定です!

 表紙の公開はまだですが、ちょっと変わった雰囲気で楽しさ満載になっております。

 どうぞお楽しみに!


 書店にて予約開始しております。

 どうぞご確認くださいませー

https://kadokawabooks.jp/product/yamagurashi/322507000812.html カドカワBOOKS HP

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