四月

プロローグ

 山を買った。

 もう人間関係はうんざりだ。

 結婚が白紙になって、何もかもが嫌になった。

 女ももういらない。

 俺は世捨て人になるのだと、母方の親戚の伝手で二山買った。深い意味はない。二山セットじゃないと売ってくれなかっただけだ。

 山の中腹に、元庄屋さんの家があったのでそこに住むことにした。

 暮らして三日で寂しくなって、ふもとの村に行ったらお祭りをしていた。

 縁日の屋台でカラーひよこを三羽買った。頭に色が塗ってあるやつだ。

 これで少しは寂しくないだろう。

 育て方を聞いたらいろいろ準備が必要とのことで、ひよこ用の餌とかを買って帰った。

 でもなんかこのひよこ、爬虫類っぽい尾っぽがあるように見える。



 一月後、ひよこは一般的なニワトリよりも一回り大きく育っていた。

 なんだろう、これ?

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