第8話 紗奈先輩と海に行く日

紗奈先輩と、海に約束をしていた行く日になった。

朝ご飯を食べ終わると、あらかじめ水着を中に着てから紗奈先輩との待合場所に行った。

集合時間よりも二時間早く行ったはずが、もうすでに紗奈先輩もいた。

「僕、早く来ちゃった。」

「私たちって気がめっちゃ合わない?」

「うん」

「どうする、今から行く?」

「そうしよう。そのほうがいっぱい遊べるから」

僕が答えると、紗奈先輩が切符を買ってきてくれた。

そして、改札を抜けると、紗奈先輩と肩を組んで電車まで乗った。

電車の席は空いていたので、紗奈先輩と肩を組みながら席に座った。

紗奈先輩が耳元で質問項目していた。

「そういえば、今日着替えるところどうする。

私は中に着てきているから大丈夫なんだけど」

近くにあまり人がいないとはいえ、少し恥ずかしかった。

「僕も大丈夫だよ。本当に僕たちは気が合っているね」

「ほんとだね」

それ以降電車を降りるまで、会話はなかった。

正直、紗奈先輩が近くにいても、紗奈先輩と話さないと少し寂しい。

電車から降りると、僕は、紗奈先輩に「ハグしたい」と行ってみた。

しかし、紗奈先輩は「今はダメ」と答えた。

それでも改札を抜けて、人があまりいないところに行くと、紗奈先輩は僕とハグをしてくれた。

4分ほどすると、紗奈先輩が「もうそろそろ行かない」と僕に聞いてきたので、「うん」と答えて、紗奈先輩と離れた。それでも、この暑い中紗奈先輩は僕と肩を組んでいた。

しかし、またここからバスに乗るので、紗奈先輩とは会話できない。

しかし、運がいいことに二人掛けに席が空いていた。

僕たちはその席に座り、なるべく小さな声で話していることもあった。

バスが海の前に到着すると、私たちは降りて、コインロッカーを探した。

そして、二人で上着を脱いで水着に着替えた。

一回300円で利用できるコインロッカーを発見したので、そのコインロッカーを利用した。

 紗奈先輩が日焼け止めを用意していたので、僕にもそれを塗ってもらった。

紗奈先輩が荷物を入れ終わると、

「あやちゃんは入れ忘れているものない?」

と聞かれたので、もう一度ロッカーに入れ忘れているものがないか確認した。

「紗奈ちゃん大丈夫だよ」

「それじゃあロッカー鍵かけるね」

どうやらここのロッカーは、一回扉を開けてしまうと、また利用料金が発生するらしいので、鍵の開け閉めは慎重にする必要があるらしい。

紗奈先輩はスクール水着だった。

ちなみに僕も、紺色の水着に同じ色のラッシュガードを着用している。

「紗奈ちゃんの水着姿かわいいね」

紗奈先輩は「ありがとう」と言っていたが、少し恥ずかしいようにも感じていたらしい。

しかし、その状態でも紗奈先輩は肩を組んでくれた。

その勢いで、紗奈先輩と海に入り、水をかけあった。海は、意外にも少しすいていた。

そして、二人でしばらく泳いだ。

少し疲れてきたころに、紗奈先輩と少し休憩をとることにした。近くにある屋台の店は混んでいるので、少し離れたところに行くことにした。

 少しすいていた屋台を見つけた。

「紗奈ちゃん、あの屋台とかはどうだと思う?」

「確かにいいかもね。そういえば、あやちゃんはお金持ってる?」

「そういえば、ロッカーの中に入れちゃった」

「それなら私が払ってあげるよ」

「ありがとう。あとで返すね」

「そういえば、あやちゃんは何食べたい?」

「紗奈先輩と同じものがいいな~とは思うけど」

「私はホットドッグにしようと思うけど、あやちゃんはそれにする?」

僕はうなずいた。

そして、早々にホットドックを購入することができた。ついでに飲み物も購入した。

ちなみに、ホットドックは200円で、飲み物は100円だった。

そして、近くにあるテーブルを使った。

「あやちゃんこのホットドックめっちゃおいしいね」

「うん。今まで食べたホットドックの中で一番美味しい。でも、こんなにおいしいのに、客があまりいないよね」

僕が紗奈先輩に疑問をかけると、

「私はわからないけど、たぶんここの見栄えが悪いからじゃない」

確かに言われている通りあまりこの座席からはあまり海がきれいに見えない。

 しかし、僕は紗奈先輩とこうやって過ごせているのがうれしい。

ホットドックを食べ終わると、僕は紗奈先輩と話したいことがあるので、場所を変えて話すことにした。

「紗奈ちゃん、砂浜に座って話さない?」

「うん。まずはホットドックとかのごみを片付けるから、私に渡してもらってもいい?」

紗奈先輩が言うとおりに、僕は紗奈先輩にごみを渡した。

紗奈先輩が近くのごみ箱にごみを捨て終わると、比較的すいている砂浜に座った。

「あやちゃんはどんなことを話したいの?」

「紗奈ちゃんがいやな気持になっちゃうかもしれないけど、それでもいい?」

「私は全然いいよ」

紗奈先輩は、笑顔で話した。

「ありがとう」

「早速だけど、紗奈ちゃんと付き合ってからも、部活の中で、仲のいい女友達がいるけど、それで紗奈ちゃんが嫌がらないか心配になっちゃって」

僕は、少し泣いてしまった。

少しの沈黙の後、紗奈先輩が僕を引き寄せて、僕の耳元で囁くように話した。

「正直なところ、私もあやちゃんと付き合ってからも男友達はいるよ。でも、彼氏ができたからって私は、男友達とも今まで通り接しているよ。だから、あやちゃんもこのままでもいいと思うよ。私もあやちゃんのこと大好きだから、このままでいたい」

「だから、このまま付き合ってくれない」

「僕も紗奈ちゃんのことが大好きだよ。このままずっと死ぬまで一緒にいたい」

しばらくの間、沈黙が続く。

また、ほかの人たちは、海水浴を楽しんでいる。

ふと視線を向けると、ビーチバレーをしている人がいた。紗奈先輩もそちらを向いているので、おそらく気付いているのだろう。

「あやちゃん、ビーチバレーやらない?」

「でも、道具がないと思うけど、どうする?」

「どこかで借りられないかな?」

紗奈先輩とビーチバレーをやっているところに行ってみると、そこで、ビーチバレーのコートを貸し出しているらしい。

利用料金は1時間600円だった。

「あやちゃん、この料金だったら、やってみよう」

「でも、僕、あまりビーチバレーのルールわからないし」

「私もあまりわからないけど、基本はバレーボールと似たようなルールみたいだし」

「あやちゃんはバレーボールのルールはわかるの?」

「うん、わかるよ」

「それなら、ビーチバレーもできると思うよ。最悪細かいルールとかは無視すればいいし」

「ありがとう」

「手続きしに行こう」

僕はうなずいて、紗奈先輩とともに、受付に行った。

 受付は、けっこう親切で、用具も一式貸してくれた。しかも、カップル割が適用して、一時間400円になった。

 店員さんに、奥のほうのコートに案内された。

そこのコートからは、海がきれいに見えた。それより、ビーチバレーを紗奈先輩はやりたいらしい。

真剣勝負というよりかは、なるべくラリーを続けるられるように頑張った。

初めのほうは、あまりうまくできなかったが、10分くらいすると、お互い慣れてきて、ラリーが続きやすくなった。

そして、30回ラリーが続いた。

僕たちは二人でハイタッチをした。

 しかし、残り時間のタイマーを見てみると、残り10分となっていた。

「あやちゃん、最後に一回勝負してみない?あやちゃんが一点取ったら、あやちゃんの勝ちで、私が五点を取ったらわたしの勝ちでいい?」

「うん」

僕の返事の後、コート上にネット越しになるように移動して、紗奈先輩が僕にボールを打った。最初はうまく返せたが、二回目は、ラインを超えてしまって、紗奈先輩に1点入った。

そして、紗奈先輩が再度サーブを打つ。

今度は、サーブを返せなくて紗奈先輩に一点入ってしまった。

その次も、ある程度ラリーが続いたが、最終的に僕が返せなくて、紗奈先輩に一点入った。

これで、紗奈先輩の得点は三点になってしまった。

 しかし、紗奈先輩がサーブをして、僕が打ち返すと、紗奈先輩がうまく僕のほうにボールを打ち返すことができなかった。

つまり、僕が勝ったことになる。

僕は、とても嬉しかった。

「あやちゃん、ビーチバレー楽しかったね」

「うん。楽しかったね」

僕も、紗奈先輩も砂だらけになってしまったが、このビーチバレーコート利用者は無料で利用できるシャワーがあったので、そのシャワーを利用させてしまった。

シャワーを使い終わると、受付に行って、借りた道具などを返却した。

「あやちゃん、ビーチバレー楽しかったね」

「うん。またこれたら来ようね」

紗奈先輩のを組んでビーチバレー場を去る。

そして、時計を見ると、時刻は4時半になっていた。

「あやちゃんはもう少し海に入る?」

「もう少し入ろうかな~」

この時間になっても、まだ海の中に入っている人もそこそこいたので、もう一度入ることにした。

そして、海の中に入って、海の景色をひたすら見ていた。

たまに泳いでいたが、景色はきれいだった。

海から出るころには、空はだいぶ暗くなっていた。

 荷物を預けていたロッカーに帰って荷物を取り出した。ついでにシャワールームを利用した。

着替え終わると、紗奈先輩から帰りにイルミネーションを見に行くか聞かれた。

「あやちゃん、帰りにイルミネーションとか寄ってく?」

「うん。」

こうして、帰りにイルミネーションによって行くことにした。

そこに移動する間のバスと電車の中で、紗奈先輩と、今日の海でのことについて語った。

「あやちゃん、今日は楽しかったね」

「うん。本当に楽しかった。紗奈ちゃんありがとう」

「こちらこそありがとう。あやちゃんのおかげで、今までで一番楽しかったよ」

 しばらくすると、紗奈先輩が提案していたイルミネーションが点灯している場所から一番近い駅に着いた。

「あやちゃん、この駅だよ」

紗奈先輩の声で、紗奈先輩と肩を組んで、駅から降りた。

15分くらい歩くと、とても綺麗なイルミネーションが見えてきた。

この場所のいいところは、とても綺麗なイルミネーションが見えるのに、料金は無料のところだ。もちろん僕たちも無料で入ることができた。

ほかのカップルも、手をつないでいたりする人もいるが、僕たちは、肩を組んでいる。

肩を組んでいる人はあまり見かけない。

奥に進んでいくと、この施設で最大のイルミネーションを見ることができた。

「あやちゃん、めっちゃきれいだね」

「うん。もうちょっとここにいたい」

 僕たちは、進むのを止めて、ここでしばらく景色を見ていた。すると、一匹のホタルを見つけた。

「紗奈ちゃん。この蛍きれいだね」

紗奈先輩が僕が指をさしている先を見る。

「おお~あやちゃん写真撮ろう」

二人で、急いでスマホを出して蛍が、飛んでいるイルミネーションの写真を撮影した。

「あやちゃん、もうそろそろ行こう」

僕は、うなずいて、紗奈先輩とともに進み始めた。

 しばらく進んでいくと、綺麗なイルミネーションの撮影スポットを見つけた。

「あやちゃん、ここで写真撮ろう」

「うん」

近くのカップルに紗奈先輩のスマホを渡し、撮影スポットで撮影をしてもらった。

「はいチーズでお願いします」

「それじゃあ行くね」

カメラを渡したカップルの男の子が合図を出す準備をした。

「はい チーズ」

彼の掛け声を聞いた瞬間紗奈先輩が、僕にバックハグをした。

正直恥ずかしかったが、写真はうまくとることができた。

「俺たちの写真ももしよかったら撮ってくれない?」

スマホを渡したカップルも、写真を撮りたいらしいので、紗奈先輩が撮ることになった。

「はいチーズ」

紗奈先輩の合図で男の子のほうが、女の子にバックハグをしていた。

「やだ、恥ずかしいじゃん」

「俺も一回やってみたかった」

紗奈先輩が写真を撮ってもらった男の子にカメラを返し、僕たちは、次のコーナーに行った。

次のコーナーは僕が泣いてしまうくらいきれいだった。

「あやちゃん、どうしたの?」

紗奈先輩も僕のことを心配した。

「ただきれいなだけ」

「それならよかったけど」

紗奈先輩は少し安心していた。

「僕とここでハグしてくれない?」

紗奈先輩は、「いいよ」と答え、少し強めに僕を抱いてくれた。

少し苦しかったが、それよりも紗奈先輩とこうしてハグをしているほうが安心した。

体感時間的に10分くらいハグをすると、紗奈先輩のおなかが鳴る。

「やだ、私こんなところでおなかが鳴るなんて」

それに対して僕は、笑った。すると、紗奈先輩も大笑いした。

「紗奈ちゃん、夜ご飯食べに行かない?」

そう僕が聞くと、「食べに行こう」と言って、歩き出した。


 幸い近くに、牛丼屋があったので、そこで夕食をとることにした。

親にメールで伝えると、少し驚いていたが、「食べてこや」と言われて、僕たちは夜ご飯を食べることにした。

その牛丼屋で僕は牛丼を食べ、紗奈先輩は豚丼を食べた。

 夜ご飯を食べ終わると、もう遅いので、帰ることにした。

時刻は午後8時になっていた。

電車に乗って、家から一番近い駅について、改札を抜けると、お別れの時間がやってきた。

 しかし、僕は寂しかったので、紗奈先輩に抱きついてしまった。

「あやちゃん、どうしたの?」

「紗奈ちゃんと離れるのが寂しい。しばらくこのままでいさせて」

僕は泣きながら紗奈先輩に言った。

「寂しいのは私も同じだよ。もう少しハグしよう」

しばらくの間紗奈先輩とハグをした。

「そういえば、三日後空いてる?」

「僕は空いてるよ」

「それじゃあカラオケ行かない?歌わなくてもいいからさ」

「でも、今月お小遣いがあまり残っていなくて」

「この辺で、一部屋半日2000円のところがあるの。そこに私の友達二人誘えば、一人当たり500円ということになるよ」

「500円くらいなら出せそうだけど」

「それじゃあ決定でいい」

「うん」

「でも、もうちょっとこのままでいさせて」

「私は構わないよ」

「ありがとう」

僕はこの時間が好きになっていた。

「もうそろそろ帰らなくちゃ。紗奈ちゃん今日はありがとう」

「こちらこそ今日はありがとう今日一日楽しかったよ」

僕たちは離れていった、しかし、僕が今日のお金を返していないことに気づいた。

歩いて反対方面に帰っていく紗奈先輩を追いけて呼び止めた。

「紗奈ちゃん、そういえば今日のお金返し忘れていた」

「今日のお金おごってあげるつもりで言っていたけど」

紗奈先輩は微笑んでいた。

今日のお金500円を返すと、紗奈先輩は「ありがとう」と言って、家の方面に帰った。

そして、僕も家のほうまで帰った。

家に帰ると、久しぶりに日記を書いてみようと思った。

そして、その辺に転がっていた真っ白な大学ノートに今日の思い出を書いた。

ノートは2ページ近く埋まった。

そして、寝る準備をして、ベットにもぐりこんだ。ものの数分で、眠りに落ちることができた。

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