第7話 会えない一週間
朝起きると、現実的な感じになっていた。それもそうだ、今日から一週間の間は部活などが理由で、紗奈先輩と会えないからだ。
今日も部活に行く準備をして、いつも通りの時間に家を出て、自転車に乗って出発した。
道は少しすいていたので、少し早く着くことができた。
学校の中はいつもより人がいなかったので、少し寂しかった。そして、いつも通りのところに自転車を置き、本日の活動場所である体育館に行く。今日は体育館の舞台と、前半面をチアリーディング部が使うことになっている。
僕のチームは最初に舞台で練習をすることになっている。
活動場所の体育館につくと、陽子さんがいた。
「あやちゃんおはよう」
「陽子さんおはよう」
挨拶をすると、このチアリーディング部の顧問の先生である
その鏡はとても大きな鏡だった。
鏡の準備が終わると、熊谷先生が「今いる人たちは練習着に着替えて」とみんなに言ったので、僕はいつも通りの練習着に着替えた。
その練習着は、Tシャツにショートパンツのことだ。大会時の服装とは全然違う服装だ。
また、女の子たちと衣装はそっくりなので、よく女の子と間違えられる。
着替え終わると、すぐに舞台で練習を開始した。
舞台で練習を終えると、校舎周りを50分間走り続けた。
50分間走るのは大変だったが、僕は、最後まで走りきることができた。走ったら体育館に戻るように言われていたので、指示通り戻ると、休憩時間になった。体育館に入る前に、近くにあるプールのほうから誰かが飛び込んでいる音が聞こえた。
休憩時間が終わると、今度は、体育館の前半分で練習をすることになった。
いつもとほんの少しだけ感覚が違かったが、いつも通り練習をすることができた。
練習が終わって解散すると、制服に着替えて今日はそのまま自転車置き場まで行った。
自転車置き場で自転車を出していると、紗奈先輩が自転車を置いているところだった。
僕は自転車を押して紗奈先輩のところまで行った。
「あやちゃん。今日も会えたね。部活終わったの?」
ここは学校の中なので、僕は敬語を使うことにした。
「今終わったところです」
「そうなんだ。私は今からだよ」
紗奈先輩もこのことについて理解していそうだった。
「部活頑張ってください」
「ありがとう。あやちゃんは夏休みの宿題終わったの?」
「まだですが、今日もやろうと思います」
「頑張ってね」
紗奈先輩の一言でやる気が出てきた。
そして、その勢いで家に帰って、昼食を食べてからその日は夜まで宿題に取り組んだ。
翌日の部活は、また同じようなことをしたが、昨日よりも頑張れた。
そして、明日の部活は休みとなっている。部活がない分夏休みの宿題を終わらせた。
そして明日は、練習の後にレクがあるらしい。みんなが1学期に赤点を一人も取らなかったご褒美らしい。また、昨年は、赤点を一つでも取った人が二人いたためこのレクはなかったらしい。そのレクではプールで水遊びらしいので、水着の準備をした。そして、今日は早めに寝ることにした。
朝起きると、いつも通りご飯を食べて、家を出て自転車に乗ると、いつもよりリュックサックが重く感じた。なぜならいつもと違い、荷物の中に水着が入ったいるからだ。
学校に着き、チア部の集合場所である体育館の舞台に行くと、ほかのみんなのやる気もいつも以上にあるように感じた。そして、部活動の練習が終わると、部室においてある荷物から水着を持って行ってプールの前に集合した。そして、男女別の更衣室で、汗をかいた服から水着に着替えた。
水着に着替え終わると、シャワーを浴びて、みんなで準備体操をした。そこに水泳部の先生も万が一のことがあるといけないから来ていた。
準備体操を終わると、ゆっくりプールに入って、少しクロールで泳いでみた。そして、いきなり化尾里君に水をかけられた。
「びっくりした」
「いきなり泳いでいるから水かけてやったぜ」化尾里君が挑発させるかのように言ってきたので、僕も化尾里君に水をかけた。
「やっぱりあやちゃんかわいいね」
化尾里君に言われたが、ふざけ半分で言ってそうなので、僕は無視した。
「あやちゃん、俺と勝負しない。俺バタフライで行くけど、あやちゃんはクロールでいいから」
正直負けると思うが、やってみることにした。
「化尾里君、勝負しよう」
2コースみんなに開けてもらって、水泳部の顧問の先生に合図をお願いした。
「Take your markの後に笛の合図でスタートだから気をつけてね。あと今回危ないから、飛び込み無しね」
「あと、25mにする?」
ぼくたちはうなずいた。
どうやら飛び込みは危ないから、水泳部以外の人は禁止されているらしい。
水泳部の先生からスタートの説明を受け、実際に合図をしてもらった。
「Take your mark」
ピー
笛の合図が鳴って、すぐに泳ぎ始めた。
始めのほうは、化尾里君と同じくらいのスピードだったが、最初のラインを超えたくらいに、化尾里君に追い越されてしまった。
僕は必死に泳いだが、化尾里君に追いつくことはなかった。
そして、25メートル完泳すると、水泳部の先生が、順位を言った。
「勝者 大阪 亜矢理 坂口 化尾里 失格」
「どうして失格なのですか?」
化尾里君が不満そうに水泳部の先生に聞くと、
「ゴールの際に片手ずつタッチしていたからだけど?」
どうやら両手で同時にタッチしなければいけないらしい。
しかし、僕も片手ずつタッチしたので、そこは気になっていた。
「すみません、僕も最後片手ずつタッチしてはずですが、失格ではないですか?」
「言い忘れていたけど、平泳ぎとバタフライの時は両手同時にタッチしないといけないけど、クロールと背泳ぎの時は、片手でも大丈夫だから、君は失格にならないよ」
「説明ありがとうございます」
そして、僕は陽子さんたちのグループに入れてもらった。
いきなり陽子さんにも水をかけられた。
「あ~やったな」
僕も陽子さんたちに水をかける。
「キャー」陽子さんたちの悲鳴が聞こえてきたので、僕は水をかけるのをやめた。
陽子さんたちと、もう少し遊ぶと、熊谷先生が、終了の合図を告げた。
「もうそろそろ終了」
その合図で、みんなプールサイドに上がった。
プールサイドで、整理運動をして、シャワーを浴び終わると、陽子さんに話しかけられた。
「今日楽しかったね。」
「うん。そういえば、いきなり水かけてごめんね」
「ううん。全然楽しかったよ」
「陽子さんにあとで相談したいことがあるんだけど、部室の前に来てくれない?」
陽子さんはうなずき、それぞれ更衣室に行って、制服に着替えた。そして、チア部の部室に荷物を取りに行って、陽子さんが部室の前に車で、しばらく待った。
「あやちゃんお待たせ。相談したいことって何だった?」
「ぼく、彼女もいるのに、こんなにほかの女の子たちと、関わってもいいのかな?」
「う~ん、私は彼女がいても、友達とだったら関わってもいいのかな~と思うけど」
「いやな気持にしたごめんね」
「全然大丈夫だよ。あと、もし心配だったら彼女さんに相談してみたら。でも、私はあやちゃんと友達でいたい」
「ありがとう」
陽子さんが笑顔になった。
僕は、陽子さんと別れて、帰ることにした。
帰ってから勉強をやろうとしたが、さっきのことが気になって、全然集中できなかった。
また明日からは三日間も練習があるので、その練習を頑張れるように、今日は早めに寝ることにした。
翌日からの三日間は、いつもよりも頑張れた。なぜなら、その次の日に、紗奈先輩と海に行くからだ。
前日は、風呂から出ると、翌日のために早く寝ることにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます