第2話

 「もったいなぁい。もったぁいないぞぉ~。」

 真夜中、ふと声が聞こえた気がして、真っ暗な中、すすむくんは目を覚ましました。

 両隣にはパパとママがすやすやと寝ています。


 「もったいなぁい。もったぁいないぞぉ~。たべものをダメにする悪い子はどこにいるぅ。」

 !

 やっぱり声が聞こえます。

 

 (どうしよう。ぼくをさらいにもったいないおばけがやってきた。)


 すすむくんは、怖くて心細くって、パパとママを揺すります。

 でも二人ともいくら揺すっても起きません。

 「パパ!ママ!」

 見つからないように小さな声で、でも耳元でしっかり呼んでも起きません。


 そうこうするうちに、寝室の扉がギーッと開けられました。


 「もったいなぁい。もったぁいないぞぉ~。ご飯で遊ぶ悪い子はどこだぁ。」


 もっぷのお化けみたいな、パパよりもずっと大きな、黒っぽい何かが入ってきて、ピカーンと目らしきものが光りました。


 「うわぁぁぁぁ。」

 すすむくんは、思いっきり叫びました。

 でも、恐怖のためか、おばけの魔法か、次の瞬間にはすすむくんは気を失ってしまったのです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る