A田B郎

シカンタザ(AIのべりすと使用)

A田B郎

ある土曜日。パートに出る妻に9時頃にA田B郎さんが町内会費の回収に来るので対応してほしいと言われたので、休日だが早起きして待っていた。しかし正午ごろになっても彼は来ない。近所に電話したらどこもA田さんが来ていないと言っていた。これはおかしいということでみんなで集まってA田さんを探すことにした。A田さんと親しいB山E吉さんの家を訪ねてみたら留守だった。そこで隣のY田さんちに行ってみると、そこにもいないという。近所の人が集まってきたので警察に連絡した。警察の捜査の結果、A田さんは三日前に自宅で首を吊って自殺していたことがわかった。遺書にはこう書かれていたそうだ。

「C子さんのことは本当に申し訳なく思っている。僕が殺したようなものだ。僕のせいでC子さんの人生は狂ってしまった。僕はこれからC子さんを弔うためにも死ななければならないと思う。」

C子さんとは、自殺したA田さんの彼女のことだ。彼女はA田さんが自殺した二週間ほど前に失踪している。

その後の事件の展開に、私を含め住民は背筋が凍った。A田さんは彼女にDVを繰り返していて、それを苦にした彼女から別れを切り出されたらしいのだが、それに逆上し彼女を監禁したうえで殺害してしまったのだという。そしてそのあと自分も死んでしまったのだ。C子さんの遺体はA田さんの遺書に描かれていた場所にあった。

東京から大手マスコミの記者が押し寄せ、町中の人が取材攻勢にあった。平穏な日常はなくなってしまった。私は毎日のように記者たちの質問責めに遭った。どうやら彼らは私に何かA田さんが自殺の原因になるようなことをしたか疑っていたようだ。私は事実無根だと主張したが、マスコミは聞く耳を持たなかった。

A田さんの一周忌が終わると、今度はB山さん宅で火災が起き、焼け跡からはB山さん一家の遺体が発見された。焼け跡からB山E吉さんが書いたと思われるメモが見つかった。それによると、B山さんとC子さんの間には子供がいたらしい。そしてB山さんはその子供を里子に出そうと考えていたそうだ。ところがA田さんはそれに反対して、自分の娘として育てようと計画していたという。その子も遺体となって発見された。火災と関係があるかもしれないと警察は考えた。

その後、B山さん殺しの犯人であると思われる人物が出頭してきた。それはA田さんの妹のX美だった。彼女はB山さんの家に放火したことについては認めた。なぜそんなことになってしまったのかと言うと、妹は以前から兄のA田B郎さんに対して不満があったらしく、兄の家に行くたびに暴言を浴びせられていたそうだ。実は、彼はバツイチで、前妻とのあいだに子供が一人いた。しかしその子供は前妻の連れ子だったらしい。A田さんはその子を心理的に自分の子供だと認めることができなかった。だから妹の口からその話をされるたびに激昂してまうのだという。それがなぜB山さんの家に放火するまでに行くのかというと、B山さんは昔からやけにB郎さんの肩を持つので、X美がB山さんと二人きりになって問いただすと、こんなことを言われた。

「お兄ちゃんはね、あなたがお父さんの子供じゃないんじゃないかって疑っているんだよ。あなたの本当の父親はわたしの父なんだそうだ」

それを聞いたX美は「やっぱりそうだったんだ!」と思ったらしい。それで衝動的に火をつけてしまったという。

X美の話は荒唐無稽で、当事者は全員死亡しているので確かめようもない。警察は信用できないとしている。

この展開に町へのマスコミの取材はさらに過熱した。連日連夜報道陣が押しかけてきて、我々町民の生活を掻き乱していった。そしてついに事件は起きた。ある日、男が自宅で刃物を振り回して暴れたのだ。男はその場で取り押さえられたが、男は精神錯乱状態で意味不明なことを喚き散らしていた。男は自分が誰なのか、どこから来たのか、どうやってここに来たのか思い出せないと言った。また、自分は死んだはずなのにどうして生きているのか理解できなかったとも言った。

精神科の医師によると、男は精神障害ではないらしい。脳波にも異常はない。しかし、彼の言動は明らかに常軌を逸しており、彼が正気を取り戻すことはなかった。

それからしばらく経ち、X美は責任能力があるとみなされ地裁で懲役10年の判決を受けた。X美は控訴せず刑が確定した。

これで事件はひと段落したが、町への風評被害は甚大なものであった。ネットでは事件のことをあることないこと書いた記事が転載されまとめサイトの記事では事件の概要と口コミとしてこのようなことが書かれていた。

A田B郎にはDV癖があり、C子さんはそれを苦にして失踪。A田さんがC子さんを殺害した後自分も自殺した。そしてA田さんの妹がB山さん宅に放火しB山さん一家を殺害して自分も自殺した。その後、A田さんはB郎さんに恨みを持っていたと思われる人物に殺されてしまい、B郎さんはA田さんを殺した犯人として逮捕されたものの、証拠不十分で釈放となった。そしてA田さんとC子さんの娘であるE子がB山さんとB郎さんの娘として育てられていたが、B山さんとB郎さんはB山さんがB郎さんに殺されたと勘違いしてB山さんを殺してしまった。その後E子を監禁して殺害。B郎さんは逮捕され、裁判の結果、死刑になった。B郎さんは刑務所で自殺してしまった。B郎さんはA田さんとB郎さんの息子であり、A田さんとB郎さんは義理の親子関係だった。B郎さんはA田さんとB郎さんが実の父親と知ってショックを受けて自殺してしまい、A田さんもB郎さんの遺書を見てショックで自殺してしまうことになった……。

「A田B郎は幼女趣味だったらしいぞ!これはやばい!!」

「C子はA田さんと付き合っていたんじゃない?DVを受けていたとか……」

「Eちゃんって誰だろうね」

「FくんはDQNだから気をつけよう」

「Gはストーカーしてたみたいだよ。Hならわかるけど」

「Kくんのお父さんはヤクザだって聞いたよ」

「Lくんは妹に手を出したことがあるんだっけ」

「Mくんは痴漢常習犯なんだってさ」

「Nは人殺しをしたっていう噂がある」

「Oは元カノを監禁していたらしい」

「Pは変態プレイをしていたようだ」

「Qちゃんは男好きという噂があった」

「RはJKをナンパしたり盗撮したりする性犯罪者」

「Sは小学生を誘拐しようとしたり女子高生を強姦しようと企んでいたそうだ」

「Tは女子中学生をレイプしようとして捕まった」

「Uは痴漢行為を働いていたという」

「Yは女性を拉致して暴行を加えたりしたらしい」

「AとRはJKをナンパしたり盗撮したりしていたという」

町は弁護士に依頼してこのような記事や書き込みの削除をさせた。その後この一連の事件を題材にした『A田B郎』という小説が出版された。

事件となった町とは違う場所で、別の事件が起きていた。その事件の被害者もまた、自殺していたのだ。

「K村さんちの息子さんのTさんが行方不明になった」

K村の駐在所に勤務する警官が同僚に話している。

「昨日の朝から帰ってこないらしい」

「学校に行ったんじゃないのか?」

「いや、今日は土曜日だぞ。学校は休みだ」

「じゃあどこにいるっていうんだ」

「わからない」

「警察に通報しよう」

「ああ、そうだな」

町の人たちがざわつく。

私は声の主に向かって言う。

「お前は知っているはずだろ?」

すると、目の前にいたはずの男の姿が消えていた。代わりにそこに立っていたのは大きな鏡だった。そこには疲れ切った顔をして、目の下の隈が濃い中年のおっさんが映っている。

「さあ、教えてくれよ。あいつは一体何者だ」

しかし、いくら待っても返事はなかった。私はため息をついて、部屋を後にする。

――もうすぐ夏が来る。私は今、田舎にある実家にいる。私の実家は農家であり、父はそこで農業を営んでいる。

今日は父の手伝いをするためにここに来たのだが……。なぜか、目の前には、美少女が座っている。しかも、着物姿で髪はポニーテールで、肌も白くて綺麗な女の子だ…………いや、おかしいだろ!なんでここにいる!?さっきまで誰もいなかったはずだぞ?それに、ここはどこだ?確か、私は仕事から帰って自宅の居間でテレビを見ていたはずだったよな……。まさか夢でも見ているのか? とりあえず話を聞いてみるか。

「おい、お前、名前はなんて言うんだ?」

「えっ……名前ですか? 私は、名前がありません。私が生まれた時にはすでに両親は亡くなっていましたので」

「はぁ〜、じゃあ、なんて呼べばいいかな?」

「私には親がいないですから、なんでも構いませんよ?」

「そっかー、うぅん……」

なんか、変な感じの子だな

「あの、もしよければ、私のことは『クロ』と呼んでください」

「え?あぁ、わかったよ、『クロさん』」

「はい、なんでしょうか?」

「いや、なんでもないよ。ところで、君は一体何者だい?」

「えっと、私は……あ、いや、私はクロです!よろしくお願いします。」

「あぁうん……。えーと、クロさん、君は何者か教えてほしいんだけど……」

「はい!私はクロです!よろしくお願いします! 」

「いやいや、そういうんじゃなくてさ……えぇっと……なんだろうな……うぅん……なんていうか……その……君って、幽霊とかじゃ……ないよね?」

「……?はい!私はクロです!よろしくお願いします! 」

クロと名乗る少女は、私の言葉の意味がよくわからないようで首を傾げた。私は頭を抱えた。まさかとは思うが、彼女は本当に幽霊なのではないか。幽霊が人間のような受け答えをするなんて聞いたことがないが、目の前の少女は幽霊にしか見えない。

しかし、幽霊なら触ることができるはずだ。試しに彼女の腕を掴んでみた。すると、しっかりと感触があった。彼女は驚いた顔をしていた。もしかすると、彼女はまだ死んでいないのかもしれない。彼女は死んでいないのならば、警察に通報すればいいのだが、なぜかそれを躊躇してしまった。理由は自分でもよくわからなかった。とりあえず、彼女の身元を確認しなければならない。

そこで、彼女に名前を聞いてみることにした。彼女は少し考えてからこう名乗った。

「私はC子と申します」

C子と言えば、隣町の事件でA田B郎に殺された女じゃないか。どういうことだ?彼女の話によれば、A田B郎は自殺する直前にC子の遺体を自宅まで運び、首を吊ったのだという。

じゃあこのC子と名乗る少女はなんだ?これはまずいことになったぞ。私はC子と名乗る女性を連れて、急いで警察署に向かった。署に着くと、C子は私の腕を離し、一人で受付に行ってしまった。しばらくしてC子が戻ってきた。

警察から事情を聞くと、どうも彼女はA田さんに監禁されていたらしい。A田さんが死んだことで解放されたのだという。その後、C子と彼女の家族が事情聴取された。しかし彼らは何も知らないと答えた。そして、C子の証言を裏付ける証拠がないということで、彼らは釈放された。C子と名乗る少女はその後もたびたび私の家に現れる。そのたびにあの事件のことで初めて聞くようなことを言う。私は話題を変えたり別の話をしたりしてごまかしている。正直なところ、もう疲れてきたよ。彼女はいったい何者なんだろう。

今日も彼女は来ている。私は彼女の向かいに座っている。私は彼女に話しかける。彼女は私を見つめて微笑む。私は彼女に言う。すると、彼女は答える。私と彼女とのあいだにはテーブルがあって、私はその向こうにいる彼女の顔を見ることはできない。でも、彼女の声ははっきりと聞こえる。彼女は私に尋ねる。あなたは本当に私の知っている人ですか? 私は答えない。私は彼女に向かって手を伸ばす。私は彼女に触れることができない。私は彼女に触れたい。彼女は私を見て笑う。彼女は私を指差す。彼女は私を睨みつける。そして、私に背を向ける。彼女が去っていく。彼女の背中が遠ざかり、やがて見えなくなる。私はひとり取り残されてしまう。彼女はもう私の前に現れない確信があった。

ある日、深夜に目が覚めた。時計を見ると午前4時だった。まだ起きる時間まで2時間以上もある。もう一度寝ようとしたが、なかなか眠れなかった。そこで起き上がって水を飲もうと思い台所に向かったのだが、そこで妙な物音に気付いたのだ。何かを引きずるような音がする。それは居間から聞こえてくるようだ。誰かがいるのだろうか。恐ろしかったが、好奇心の方が勝った。私は足音を忍ばせながらゆっくりと歩いていった。そして、襖に手をかけて一気に開けた。

そこには、首を吊って死んでいるA田さんの姿があった。

私は悲鳴を上げた。

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