推し活がわからないので、幼馴染の女の子に聞いてみた

黒上ショウ

推し活がわからないので、幼馴染の女の子に聞いてみた

「推し活と恋愛って、違うのかな?」

「ぜんぜん違うよ!!」


幼馴染の苺谷芽依いちごたにめいが俺の部屋に来ていたので、思い切って聞いてみたら、速攻で答えが返ってきた。


「推しから元気をもらって、これで明日もがんばれる〜!!って気持ちになるの。悠真ゆうまにも、そういう人の1人や2人、いるでしょ?」


身体を前のめりにして、俺に熱く語る芽依。顔が近い。

やはり失礼な質問をしてしまったなという気持ちから、俺は少し真剣に考えてみた。


「元気をもらう、か。将棋や野球のプロ選手のスーパープレイを見ると、すごいものを見せてもらったな、という気持ちにはなるけど」

「それ!それが、君の推しです! すごいものを目撃するために、私たちは推し活をしてるのです!!」


芽依は俺の顔を右手で指差し、左手を腰に当て、事件を解決した名探偵のようなポーズを取っていた。


「わかってくれた? もう……悠真は本当にしょうがないんだから。私以外にこんな質問したら、出禁だよ?」

「ごめん。みんなが推し活してるのを見てると、俺だけ取り残されてるような気がして、なんか寂しかったんだ」


素直な気持ちを言ってみると、意外と自分の本心のような気がしてきて、俺は下を向いてしまった。

すると、俺の頭に芽依の手が置かれ、なでなで、という感じで撫でられた。


「別に、無理に推しを作らなくてもいいと思うけどね。でも、自分が好きだと思うものを『好きー!!』って言っちゃうの、結構気持ちいいよ」

「……そうかもな」


芽依の手が頭から離れる頃には、俺の気持ちはすっかり元気になってしまっていて、推し活を始めるのも悪くないのかな、なんてことを考えていた。

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推し活がわからないので、幼馴染の女の子に聞いてみた 黒上ショウ @kurokami_sho

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