第8話 クラスチェンジ
:-:-:-:-:-:-:-:-:-:
久しぶりに風見くん達と会う。
ヨウちゃん発信で定期的に集まるようにしているけど、組だけじゃなく、僕だけ寮棟まで違うから、皆に会うのはかれこれ二週間ぶりだ。割と頻繁に電話やReineで連絡とり合ってはいるけどね。
女子であるヨウちゃんがいる為、集まるのは部屋じゃなくて、食堂ホールの隅っこに区切られている談話スペースとなる。まぁよっぽどじゃなければ、部屋で集まっても文句は言われないらしいけど、念のため。
「お、イノ! なんか久しぶりだよな! どうなんだH組は?」
「この前の報告と変わらない感じだよ。割とのんびりしてる。先生もだけど、みんなマイペースな感じだからさ。いや〜こんなに楽チンで良いのかな? って不安になるくらいだよ」
「え〜! やること無いならB組に来なよ〜! 一緒に探索者目指そうよぉ〜」
「ヨウちゃんまだ言ってるの? 俺たちはダンジョンでの実習も始まるんだし、流石にもう無理だよ」
「そうそう。今更だけど、僕も風見くんも探索者目指してた訳じゃないしさ。今が丁度いいよ」
「いい加減諦めろよ。川神はイノのこと好き過ぎるだろ……」
それぞれが持ち寄ったお菓子をつまみながら近況報告。大体がヨウちゃんとサワくんの「探索者組」の話だけどね。あ、風見くんはそのままE組に残り、今はアイテム関連、特にダンジョンテクノロジーの授業に積極的に参加しているらしい。
「へぇ〜A・B組はもうダンジョンで寝泊まりとかするのか?」
「いや、そんな本格的な感じじゃなくて、本当にさわり程度。テント張ってキャンプするだけ。しかも魔物が出ない安全地帯だから」
「色々と支給されたよ。でも支給品は可愛くないんだよね〜。先輩や内部進級の子は『支給品が一番良い。下手にカスタマイズとか買い替えたりはしない方が良い』って言うんだけどさ。なんかテンション上がらなくって……」
「ゆくゆくはヨウちゃんのテンションが上がるヤツに替えるとしても、まだ今は指示通りが良いでしょ?」
……
………
ヨウちゃんは変わらないね。サワくんと風見くんは何だかしっかりしてきた気がする。みんな、色々と頑張っているみたいだ。
「それで、澤成たちはレベルはいくつになったんだ? 三以上になるとまた違うのか?」
「いまは俺もヨウちゃんもレベル三だよ。でも、レベル一から二に上がった時ほどの差はないかな?」
「へぇ。そうなんだ。レベル二になった時はちょっと感動したんだけど……」
「だよな! ビビったぜ!」
「えぇ〜そうかな? 私はあんまり変わらなかったけど?」
……
…………
何だろう。みんなと話をして楽しいはずなのに、どこか『ダンジョンへ行きたい』って思っている。
教官のことをダンジョン狂いと評したけど、これじゃあ僕も変わらないや。いや、これは僕の意思ではなく、アバターとして僕を操っているプレイヤーの意思? 最近、よくそんなことを考える。
井ノ崎真としての僕。
異世界の記憶がある僕。
どちらが本当の僕なのか?
それとも、僕なんてモノは存在せず、プレイヤーが操っているだけのキャラクターに過ぎないのかな?
自分自身のアイデンティティに繋がることだけど……不思議なことに深刻に思い悩むということもない。
今はただ、ダンジョンに潜るのが楽しい。
魔物と戦って基礎レベルやクラスLvを上げたり、スキルの構成を考えたり、ダンジョンという未知の存在をウロウロするだけで、ヨウちゃんじゃないけどテンションが上がる。
まぁこの辺りもゲーム的な強制力と言われれば、そうなのかも知れない。
あと、ダンジョンで活動するようになり、僕がこの世界の大多数の人と違うってことも解った。
違うコト自体はもうどうしようもない。ならいっそのこと、その違いをアドバンテージとして存分に活用して、ダンジョンの深部を目指すさ。
野里教官やその背後にいる協力者だか支援者だかの組織、そんな連中すら追い付けないところまで行ってやる。
まさか僕がこんな風になるなんてね。はは。これじゃヨウちゃんやサワくんのこともアレコレ言えないや。
:-:-:-:-:-:-:-:-:-:
「ねぇ。今日のイノ、変じゃなかった?」
「は? 何がだよ? いつものイノだろ?」
「う〜ん。俺も別に変だとは思わなかったけど……」
同郷での近況報告会。
解散後、棟が違うイノが抜けたあと、残されるのは八号棟の三人。そこでヨウ……川神陽子が呟くが、他の二人は特に気にする様子はない。
「そうかなぁ〜? な〜んかいつもと違うっていうか、ちょっと前からおかしい気はしてたんだけどさ〜」
「いや、だから俺たちは別にそう思ってないし。……川神は何が気になるんだよ?」
人の話を聞いてない風のヨウに対して、風見が逆に問う。
「いや、何だか心ここにあらずって感じ? それに何となく影が薄くなっているような?」
「……あのな、お前や澤成はどう思っているかは知らないけどよ、俺やイノは普通なの。お前らみたいなキラキラ感は最初からねーの」
「おい、何だよそのキラキラ感って?」
「これだから無自覚なヤツらは嫌なんだよ!」
同郷の三人。その中でも、ヨウだけが微かにイノの変化に気付いていた。彼女自身が、変化に気付くだけではどうしようもなかったと後悔するのは……少し先の話。
:-:-:-:-:-:-:-:-:-:
さて、今日も楽しくダンジョンダイブ(違法)だ。
二階層。
出てくる魔物は単体ゴブリンに複数スライム。ほぼ一階層と変わらない。スライムが一度に二匹出てくる可能性があるだけ。
今日は既に何度か一〜二階層を周回しており、僕の周りには死屍累々……いや、消えるから死体はないけどさ。まぁかなりの数の魔物を仕留めたってことで。
少し前にレベル【四】になり、その後しばらくしてから、ようやく【ルーキー:Lvmax】となった。Lv9の次がmaxだったので、クラスLv10が上限というのは本当だったみたいだね。
【ルーキー】で会得したスキルは《生活魔法》《ダッシュ》《体当たり》の三つ。《ダッシュ》と《体当たり》は微妙な性能だけど《生活魔法》がかなり有能。その性能故か、Lvmaxまで上げないと会得出来なかった。
この《生活魔法》により《活性》《清浄》《手当》《火種》《引水》《微風》《土塊》という諸々の魔法が使えるようになったけれど、これらの魔法は戦闘というより、長期のダンジョン探索でこそ真価を発揮する感じだね。特に《清浄》は一瞬で風呂+洗濯が済むみたいな感じで、出来れば日常生活でも使いたいくらいだ。
この【クラス】と《スキル》だけど、一般的な探索者と“プレイヤー”である僕とではシステムが違うっぽい。
教官に聞いたり、マニュアルを見る限りでは、この世界の探索者は現に選択している【クラス】に関連する《スキル》しか使用できない。
具体的な例で言えば【剣士】→【武闘家】とクラスチェンジしても、使えるのは【武闘家】の《スキル》だけ。【剣士】の《スキル》は死蔵となり使えなくなる。
あと、この世界の探索者は戦士系→魔法系というような系統違いのクラスチェンジは出来ない仕様であり、その大元の系統自体は、基礎クラスである【ルーキー】中の行動と持って生まれた資質にて決まるらしい。今のところ、僕にこのルールが適用されている感じはない。
そのためこの世界では、【剣士】→【魔剣士】みたいな感じで、一次職から二次職へクラスチェンジをするのが探索者の常識であり、このような場合であれば【魔剣士】と下位職である【剣士】の《スキル》がどちらも使えるようだ。
一次職→二次職→三次職→四次職…………と順当にクラスチェンジを繰り返せば、系統スキルが全て使えるという利点がある。
一方で“プレイヤー”である僕はそうじゃない。
スキルをセットできる枠が存在し、その枠内でスキルを付け替えていくシステムになっているみたい。
まだレベルが低いため確認出来ないけど、もしかすると、使用できる《スキル》の総数は、クラスチェンジを繰り返したこの世界の探索者より少ないのかも知れない。
現状、僕のこのスキル枠は五つ。かなり少ない印象がある。もし、今後もこのスキル枠が増えないとしたら……かなり厳しいと思う。
ゲートを潜ることでダンジョンに侵入する。この世界では当たり前のことだ。
ダンジョンゲートが複数あっても、ゲート同士が比較的近くに位置する場合、どのゲートを潜っても同じダンジョンに出る。宝箱や魔物の位置などは違うこともあるけれど、ダンジョンの基本構造、罠の位置、出現する魔物の種類などは同じとなる。
でも、例え同じダンジョンだと言っても、別々のゲートを潜った人たちが、ダンジョン内で鉢合わせることはない。
同じダンジョンでありながら、全く別の空間に通じていると言われているらしい。僕の感覚では一昔前のMORPG……サーバーが違うユーザー同士は影響がない……みたいな感じかな。
なので、ダンジョン内で活動を共にするには、同じゲートを潜る必要があり、逆を言えば、誰かと一緒にゲートを潜るか、後か先に同じゲートを利用する人が居なければ、そのダンジョン内では完全に孤立する。そうなれば当然のことながら、何かが起きたとき、救助を期待することは出来ない。
学園のダンジョン探索の指導マニュアルによると、この完全ソロプレイでのダンジョンダイブは禁忌事項となっている。まぁ常識的に考えると当然のことだろうね。
でも、違法ダイブである僕は、この禁忌事項である完全ソロプレイが基本となる。
出来れば、索敵、攻撃、回復など……複数の
それを実現するには、かなりの数の《スキル》が必要になるのが火を見るより明らかだ。
スキル枠については、もう少しレベルを上げるなりして様子を見ようと思っている。もしかすると、すんなりと枠が増えるかも知れないし、僕が気付いていない仕様があるかも知れないからね。
野里教官に超越者(プレイヤー)としての疑いを掛けられて、あれよあれよとダンジョンダイブを繰り返すことになったけど、僕だって別に教官に全ての情報を開示している訳でもない。これは教官だってそうだろうし、お互い様ってヤツさ。
僕は自分が“プレイヤー”だと確信しているけれど、当然の如く教官には伏せている。
僕が“プレイヤー”として確信を持った理由というか、その根拠に“ステータスウインドウ”と“インベントリ”がある。
野里教官に連れられて行った二回目のダンジョンダイブ(違法)で、僕の目の前にいきなりステータスウインドウが出てきたんだ。かなり焦ったけど、教官は僕のステータスウインドウを目視・認識することが出来なかったから、そのまま隠し通している。
このステータスウインドウ。向こうの世界のゲームなんかでよく見掛けていた、力やすばやさ、HPやMPなどという項目はなくて、レベル、クラスLv、スキル、クラスチェンジの項目と、後はアイテムの表記があるくらいだ。
ちなみにスキルの付け替えやクラスチェンジは、このステータスウインドウを呼び出せばいつでも出来る。まぁ少し集中力が必要なので、近接戦闘中とかは難しいと思う。
普通の探索者は、僕のようにステータスウインドウを呼び出すことが出来ないので、クラスチェンジやステータスの確認は、ダンジョンの五階層ごとに設置されているセーブポイントみたいな場所か、ダンジョンテクノロジーによる機器で行うらしい。
で、このステータスウインドウがそのまま“インベントリ”でもあるという感じ。
ウインドウに物品を放り込むと収納できるし、収納した物品を取り出すことも勿論可能。ウインドウに手を差し込むと、別の空間に繋がっているのか、差し入れた分だけ腕が消える。でも、ウインドウを目視できない人は僕の腕が消えていることに気付かない。僕とは逆で、腕がそのままウインドウの向こうへ伸びているように見えるらしい。
色々と試した結果、ステータスウインドウは大きさを変えたり、出現箇所を任意に設定できるので、今では手の平の上で物を収納したり、取出したりと……ちょっとした手品的な使い方もできるようになった。
あと、ウインドウから急に短剣を出したりとか。近距離の不意討ちの一手としてはありかも知れない。相手は何もない空中から短剣が飛び出してきたように認識するだろうし。試しにゴブリンに使ってはみたけど、全く反応できていなかった。近距離の切り札的になりそう。
ダンジョンの影響下である特異領域でしかウインドウを呼び出せないのかと思っていたけれど、領域外でも普通に出せるし、操作も出来た。勿論インベントリとしても使えるという便利仕様。
まぁこのウインドウを認識できる人が居るかも知れないから、ダンジョン内や自分の部屋でしか出さないけどね。
更にこのインベントリ、お湯をコップに入れて収納したら、数時間後もお湯のままだったので、収納した物品の時間も止まるようだ。ただ、収納することで特殊な反応を示す物品も見つけた。
ダンジョンテクノロジーを活用した学園の学生証。
これを携行していると、学園側に違法なダンジョンダイブがバレる恐れがある。
その為に教官はダミー学生証を用意したわけだけど、ダミー学生証を持っていると、当然の如く教官には僕の位置が把握される。僕からすると、学園か教官かの違いでしかない。出来るなら教官を出し抜ける手札も欲しい。
教官に不審がられない程度に色々と試してみた結果、ダンジョンの一階層でダミー学生証を収納してから二階層に移動する。その状態でダンジョン外の教官がダミー学生証の位置確認をすると、収納したポイントで反応があったみたいだ。つまり、ダンジョン内で学生証を収納すると、その反応自体が消えてしまう訳ではないという仕様。
どういう仕組みなのは分からないけれど、これで学生証で位置確認をされても、場所を誤認させる事が出来る。
一階層で訓練をしているフリをして別の階層へ移動したりとかが考えられるけど……今のところは、教官に隠れてレベル上げするくらいしか活用方法が思いつかない。
今回、【ルーキー】のクラスLvがカンストした為、そろそろクラスチェンジを考えているけど、《スキル》によっては色々と暗躍出来そうなのがある。
今の僕で選択できるのが……
【剣士】【戦士】【武闘家】【シーフ】【弓士】【機工士】【黒魔道士】【白魔道士】【テイマー】
……という感じ。
まぁ一次職っていうラインナップだね。
でも、この選択肢の数は僕がプレイヤーだからこそだと思う。
一般の探索者は【ルーキー】からのクラスチェンジの際、二つか三つしか選択肢が出てこないらしい。あと、人によっては成長に伴って【特殊クラス】が出てくる事もあるみたいだ。
現在、この世界のトップレベルの探索者は大体が【特殊クラス】だそうだから……これはイベントキャラ専用みたいな感じかな? ヨウちゃんやサワくんにもありそう。
実は野里教官も【獣戦士】という特殊クラスだそうだ。どうりで獣じみた迫力がある訳だと妙に納得したものさ。ちなみに本人はこの特殊クラスを少し気にしているようで、迂闊にからかうと本気でブチのめされる。オトナ気ない。
そんな訳でクラスチェンジだ。
ステータスウインドウを色々と弄ると、選択可能なクラスの説明や、そのクラスで会得可能なスキル効果の詳細なんかも閲覧できる。この辺りはかなり親切な仕様だね。
そして、今の僕が選ぶのは【シーフ】一択。
【シーフ:Lv3】で会得できる《偽装》というスキルが、これからの僕の暗躍プレイには必要不可欠と判断した。
《偽装》
・自分自身やその持ち物の情報を欺き、弱いフリが出来る。
※強いフリは出来ない。
※姿形を変えることは出来ない。
他にもこの【シーフ】では《気配隠蔽(小)》《気配感知(小)》などがあり、組み合わせ次第では、教官を出し抜くことが出来るかも知れない。試してみるだけの価値はある。
……
…………
で、【シーフ】にクラスチェンジして初めてのゴブリン戦。
「ギガッ! ドギロ!」
元気いっぱいのゴブリンが棍棒を振り回してくるけど、その動きがよく見えるし、体も若干軽く感じる為か、以前よりも余裕を持って攻撃を躱せている。
「ギャッバー!!」
攻撃が当たらないことでイライラしているのか、一際大声で叫びながら突進し、大振りな振り下しを放つ。
勿論、その程度では僕には通じない。
軽く後ろに下がって、その一撃を躱した瞬間に踏み出し、地面に叩きつけられた棍棒を踏みつける。
「カギャッ!?」
武器が封じられたのがそんなに意外だったのか?
ゴブリンがあっけにとられたような顔で僕を覗き込む。
意に介さず、そのまま、動きを封じられたゴブリンの首を目掛けて横薙ぎの一閃。
武器はこれまでと同じ大振りの短剣だったけど、首を斬り飛ばす結果となった。
短剣を振り抜く一連の動作が、いつもよりもスムーズな感覚。
「……単純な力だけじゃない? もしかすると【シーフ】は短剣の使用に補正が掛かるのかな?」
ウインドウからクラスの説明を改めて確認すると……
【シーフ】
短剣補正(小)
投擲補正(小)
新しい情報が出てきた。認識すると更新されるのか? 親切なんだか、そうじゃないんだか……まぁ良しとしよう。
何となく【シーフ】の動きは把握できた。特に【ルーキー】の時から大幅に戦法や体の使い方を変える必要はない。
できるなら、野里教官がA・B組の指導に掛かりっきりとなる今のあいだに、とっととクラスLvを上げて《偽装》を会得しておきたいね。
指導マニュアルには『ソロ戦闘は四階層まで!』という注意書きがあるし、教官からも三階層までと言われている。
向こうの世界のゲーム的な解釈としては、自分と同等か高レベル帯の魔物を狩ることでレベルが上がり易くなり、自分よりも弱い魔物を倒してもレベルは上がりにくいというのがある。
ぶっちゃけると、いまは僕自身のレベルを上げることはそんなに急いではいない。ただ、《スキル》が絡むクラスLvは効率よく上げたいという思いがある。【ルーキー】の時にも感じたけれど、クラスLvを上げるには、頑張って強敵を一体倒すよりも、とにかく数をこなす方が上がり易い気がしている。実際は強敵なんてのには、まだ遭ったことはないけどさ。
何となくだけど、一〜二階層で単体ゴブリン無双を周回するより、兵種が増えて少し手強いリーダー級も出てくるけど、一度に出現する魔物が増えるらしい三〜四階層の方が効率が良さそうだ。
ちなみに、ダンジョンでは五階層ごとにボス部屋が設けられ、フロアボスが配置されている。このボスを倒すことで、ダンジョンから脱出したり、ゲートから元・ボス部屋にショートカットできるようになるみたいだ。
五階層ごとの元・ボス部屋には不思議アイテムな石板が設置されており、この石板を操作することで探索者はクラスチェンジやステータスの確認を行うらしい。
「まずは【シーフ】の《偽装》を会得するのが短期目標になるかな? 五階層のフロアボスを完全ソロプレイで倒すというのが、今のところの中期目標……って感じか」
帰り支度をしながら目標を口に出してみる。
念のため、教官が考えている育成方針の少し先くらいを行っておきたい。
その行動理念はアレだけど、野里教官のことは決して嫌いじゃない。ただ、序盤に出てくる高レベルなイベントキャラとなると……どうしても最後まで行動を共にするとは思えない。まぁこれは僕の勝手な偏見だけどさ。
教官やその背後にいる謎組織の支援を受けなくても、ある程度はやっていけるだけの実力を早めに身に付けたい。
:-:-:-:-:-:-:-:-:-:
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます