第23話
『ほらッ!そっち!ちゃんと反応して!私を取り込んだからにはしっかりしなさい!』
頭の中から煩わしい声が聞こえてくる。
忌々しいことに僕が取り込んだ邪神の声が僕の頭に響いてくるのだ。
……まさか、人格が残るとは思わなかった。
「良いぞッ!人類にしてはやるではないか!余を存分に楽しませるが良い!」
ハイテンションな最高神の攻撃を捌きながら、僕は頭をフル回転させる。
一時の油断もできない。最高神が作り出した空間を自分で作り出した空間で塗り替え……塗替えされ、再び塗替えし。
それを繰り返しながら、僕の武器と最高神の拳がぶつかり合う。
「くくく……実に素晴らしいではないか!余と空間の喰い合いをしながら、余を確実に殺す空間を作るとは!空間魔法に関して言えば人間の方が上ではないか!」
最高神は中々死なない。首を切り落とされ、心臓を貫かれたとしても……神の如き圧倒的な生命力と魔法を使い、生きながらえるだろう。
神は不死ではないが……不死に近いのである。
首を胴体がお別れして、30分以上そのままでようやく死んでくれるか、どうか……というところだろう。
だからこそ、致命傷を負った瞬間に最高神の『死』が確定するような法則が働く空間を作ってあげないといけない。
この空間を維持し、最高神に喰われないようにしながら、最高神と空間の喰い合いをするのが非常に大変で、気が抜けないのだ。
『ほら!今まで以上に気を張る!最高神の本気がこの程度だとは思わないことね!まだまだこれから!更に激しくなっていくわよ!気をつけなさい!』
『言われなくともわかっている!』
僕は頭に響いてくるマルボリの声に返答し、最高神を睨みつける。
「ハッハッハッハッハッハッ!行くぞ!人間ッ!余がこれを使うのはあの女の跳ね返り以来だッ!」
最高神の体を金色のオーラが包み込む。
『負けるんじゃないわよッ!あれは……殺すべき相手!気まぐれで同胞たる神を殺し、気まぐれで人類を虐殺するような暴君ッ!あれを殺さない限り人類に安息は無いわよッ!』
『言われずともッ!』
僕は下唇を噛み締め、向かってくる最高神を迎え撃った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます