第22話
神域の……いや、神の領域すらはるかに超える頂上世界の戦闘がマキナたちの前で繰り広げられる。
最高神とエルピスが激しくぶつかり合う。
「……っ。こ、ここまで……?」
サブマ、リーリエ、ラザリア、アルミス。
この四人は最高神とエルピスの戦いが如何に激しく、どれほど高度な戦いをしているか……はっきりと理解出来ていないため、ただただ呆然としていることしか出来なのだが、マキナは別。
一柱の神として、力を持っていた女神であったマキナは、あの二人が如何に異次元か理解出来た。
「な、何か援護出来るようなことは……」
ただただ見ていることしか出来ない現状をじれったく思ったアルミスが一言告げる。
「馬鹿……そんなの無理に決まっているじゃない。……あの二人の戦いに割って入ろうだなんて無謀よ。無謀」
それに対してマキナが答える。
「あの場所に入った瞬間に死んで終わりよ。空間魔法の使い手は、己にとって有利な空間を作り出して、相手を己の空間魔法内に引きずり込むの。今、あの二人の戦いの場はあり得ないことになっているでしょうね……。重力がなくなったり、重力が1兆倍になったり、絶対零度になったり、太陽の中心よりも熱いことになったり、酸素がなくなったり、逆に酸素だけになったり……常人が入るだけで瞬殺になるだけよ」
マキナの言葉に対して他の四人が息をゴクリと飲む。
「……何も出来ないわよ。ただ見ていることしか出来ないわ」
マキナは口惜しそうに呟き、呆然と激しく戦闘している最高神とエルピスをただただ眺めていることしか出来なかった。
この場にいる全員が……エルピスを支える事ができない……全員が無力だった。
ただ単に最高神とエルピスが強くすぎるだけ……ということでもあるけど。
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