第21話
『汝はやはり、我を殺す算段であったか』
「ははは、当然じゃん。それ以外にないでしょ?」
『くくく……そうであるな。人種よ』
何にもないところから響いてくる声。
それに対して僕はその場で言葉を返す。
「こ、この声は……」
完全に置いていかれているアルミスたち三人の横でマキナが声を震わせる。
「最高神ッ!!!」
マキナの声が、体が、表情が、怒りに震える。
「えっ!?」
「……ッ!これが……!」
サブマたち三人は驚愕し、アルミスは己の歯を砕かんばかりに強く……強く噛み締めている。
「君とのつまらない話し合いなんて誰も求めないよ」
僕は魔力を高ぶらせ、空間魔法の準備を行う。
『そうであるな。人種などと話して得られる者などないしの。さっさと終わらせよう。汝が魔法を使うまでもない。我が招待しよう』
膨大な力がこの場を押し付け……空間が変わる。
塗り替えられる。
神域へと。
そこは……あまりにも神々しく、厳かな場。
僕の目の前には10mほどの巨大な椅子に座る一人の男……最高神。
鍛え抜かれた肉体に、オールバックにされた金髪、僕を射抜くつまらなそうな金眼。己の体を覆うのは白い布だけ。
そんな最高神の周りには沢山の神……そして、僕たちを囲むように大量の神が存在していた。
今、この場にいる神の数は100近く。
「あぁ……この魔法はゴミを掃除するためのだから、気にしなくていいよ」
僕は空間魔法を発動させる。
この場にいるマキナ以外の神に向かって。
神の力を得た僕は、瞳を使う必要すらない。何もなしに簡単に魔法を使うことができる。
「ふむ……やはりしっかりと神を殺すか。面白き人種よのぅ」
僕の魔法は……最高神以外の神を容易く殺す。
その存在を、存在している空間をいくつもに分け、体をバラバラにすることによって。
「さて、久しぶりに運動でもしようか……ついでにかつて食えなかった女もいただくか」
最高神はゆっくりと椅子から立ち上がる。
「マキナ。四人のこと、ちゃんと守ってよね?」
僕は最高神の後ろへと転移しながらマキナに向かってそう告げ、手を差し伸ばした。
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