第18話
「本当に何者なの?アレイスター家は……」
「ふふふ……空間魔法で時空を歪めて過去を見るからね。アレイスター家は」
「……怪物じゃないの」
僕の言葉を聞いたマキナが深々と息を漏らす。
「過去を見るなんて神ですら不可能の所業よ。神、超えているんじゃないかしら?」
「そりゃ……神を殺すために歴史を積み上げているからね。学院に来てアルミスと出会っていなかったら僕は今、ここであなたを殺していたよ」
「……その運命の手繰り寄せに感謝するべきか、恨むべきなのか……」
マキナは一度視線を下げた後、アルミスの方へと視線を向ける。
「私の計画は全部アレイスター家に上回れていたのね」
あえて、アレイスター家に過酷な試練を課すように根回して僕を作りだし……神に愛されし勇者の誕生を僕と合わせ、自分を殺す最強の駒を作り出そうとしたマキナ。
その計画を知り、それを利用したアレイスター家に何もかもを凌駕されたのだ。
「アルミス。長年放っておいてお願いするのも……変だけど、そこの。私の半身を封印してもらえないかしら?」
「もちろんです……マキナ様……あな、たは……いつも通りに私に命令を下してくだされば……」
涙を流しながらアルミスが頷く。
「これで終わりだね!さぁ、封印術を始めようか!」
僕は図書室を歩き回りながら書いていた魔法陣を権限させる。
あらかじめ置いておいた数々の魔道具が魔法陣に呼応して輝き、魔力を溢れさせる。
魔法陣の中心に眠っている悪性の邪神を置き、アルミスへと視線を送る。
「これでサクッと出来るでしょ?」
封印術の準備は完了。後はこれを使ったアルミスが魔法を使うだけである。実に簡単な仕事だね。
「えっ!?……あっ、うん」
「ちょっと段取り早すぎないかしら……?」
「流石です」
「……俺は無視なのか」
「どんまい……」
安心しろ。サブマ。
サブマとラザリアのやり取りを聞いて無視しているマキナの頬が少し赤くなっているから。
普通に脈アリだと思うから。
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